2026.09.25
カテゴリ: 新作
ティファニー TIFFANY & CO. 「ブルー ブック 2026:ヒドゥン ガーデン」最終章、実り豊かな自然を描くフォール ハイジュエリー
光、蔓、果実、花、そして鳥。ティファニーが2026年の「ブルー ブック」で描いてきた自然の世界が、実りの季節を思わせるフォール コレクションでひとつの景色へとつながります。最終章の舞台となるのは、現実の庭をそのまま写し取った場所ではありません。想像上の自然を、希少なジェムストーンとプラチナ、18Kイエローゴールド、エナメルによって立体化した、ジュエリーのための庭です。色石の鮮烈さと金属の構築性、そこにジャン・シュランバージェのアーカイブから受け継がれた有機的なモチーフが重なり、移ろう自然の一瞬が永続する造形へと変わっています。

ティファニーのハイジュエリー コレクション「ブルー ブック 2026:ヒドゥン ガーデン」が、フォール コレクションをもって最終章を迎えます。手掛けたのは、シニア ヴァイス プレジデント 兼 チーフ アーティスティック オフィサーのナタリー・ヴェルデイユとティファニー デザイン スタジオ。光を受けて育まれる自然を、抽象と写実の両面から捉え直し、想像上の庭、熟した果実、伸びやかな蔓を、類まれなジェムストーンと彫刻的なフォルムへと置き換えています。春、夏から続いてきた自然への旅は、豊かさと発見を象徴する秋の情景によって完結します。
最終章に集うモチーフは、いずれも自然の形そのものを出発点にしながら、ジュエリーならではの構造へと組み替えられています。ハニカムのような幾何学、滝のように連なる果実、絡み合う蔓、咲き重なる花々。それぞれに異なる色彩と質感を持つジェムストーンを何層にも重ね、光が石と石の間を移ろうような立体感を形成しています。絵画のような色の重なりと、身体の上で動きを生む造形が一体となり、豊かな自然を躍動するハイジュエリーへと変換しました。
「ネスト」は、枝を編み上げてつくられる鳥の巣の構造を、ジュエリーの輪郭に置き換えたテーマです。プラチナと18Kイエローゴールドの螺旋状のラインが、クッションカットのファンシー イエロー ダイヤモンドを包み込むように巡り、ホワイト ダイヤモンドとイエロー ダイヤモンドが周囲に光を添えます。幾何学的な骨格の内側には、有機的なゆらぎを感じさせる動きがあり、センターストーンの下に配したトリリアントカット ダイヤモンドが、下方から輝きと奥行きを加えています。
「ハンギング ガーデン」は、青々と茂った蔓から果実が垂れ下がる幻想的な庭を、流動するジュエリーのフォルムへと映し替えたものです。カスタムカットのモザンビーク産カボション ルビーとラベンダー カルセドニーを組み合わせることで、赤と淡い紫の端正なコントラストを構築。さらに、ダイヤモンドとパイヨン エナメルを用いたしなやかな蔓と、何層にも重なる葉が周囲を縁取り、色彩だけではなく表面の質感にも豊かな変化をもたらしています。夢の中の収穫を思わせる、生命力に満ちた一作です。

花をモチーフにした「ダリア」では、ティファニーのアーカイブとジャン・シュランバージェによるリボンを思わせる造形を手がかりに、花びらそのものを彫刻作品のように構築しています。リボン状に成形された花びらは幾重にも折り重なり、鮮やかなツァボライトを包み込むように交差。重なりが生む陰影によって、平面的な花とは異なる奥行きと流動感が生まれています。18Kイエローゴールドとプラチナの質感の差も輪郭を際立たせながら、全体には軽快さが残されています。
「ハンギング フルーツ」が表現するのは、実際の植物を忠実に写すのではなく、想像の中で膨らんだ豊かな収穫です。鮮烈なオレンジ色のスペサタイトとターコイズのカボションを並べ、そこへダイヤモンドを配した蔓をプラチナと18Kイエローゴールドで添えることで、果実が揺れるようなリズムをつくっています。着想源となったのは、ジャン・シュランバージェのアーカイブ作品「ツー フルーツ」ブローチ。過去のモチーフをそのまま再現するのではなく、現代の色彩と構成によって新たな表情へと導いています。
果実の構造を幾何学として読み解いた「パイナップル」では、大胆なパターンと重厚な質感が印象を決定づけます。スリランカ産の非加熱サファイヤを主役に、深いブルーのパイヨン エナメル、ダイヤモンド、ゴールドを組み合わせ、規則性のあるフォルムに鮮やかなリズムを与えています。ブルーの濃淡と素材のコントラストがグラフィカルな表情を生み出す一方、ジャン・シュランバージェが1962年に手掛けたエナメル バングルを思わせるディテールも随所に宿ります。アーカイブの記憶を現代の構成へつなぐデザインです。
ダイヤモンドを主役に据えた「ヴァイン」は、ティファニーのレガシーを象徴する「ダイヤモンド キング」の精神を、植物の生命力を思わせる動きの中で表現しています。異なるカットのダイヤモンドを集めたクラスターからは細かな輝きが連続し、バゲット カット ダイヤモンドはリボンのような滑らかな線を描きます。その間を走るのが、手彫りを施したゴールドの蔓。構築的なジュエリーの輪郭と、自然界にある不規則な動きをひとつのデザインに重ね、硬質な輝きに有機的な表情を与えています。
「パラダイス バード」は、2点のブローチによって「ブルー ブック 2026:ヒドゥン ガーデン」の物語を締めくくります。ひとつは31カラットを超えるカボション カットのカルセドニーを中心に、サファイヤ、ルビー、ダイヤモンドを組み合わせた作品。もうひとつでは、37カラットのローズクォーツの上にバードを配し、ライトブルー サファイヤ、彫刻を施したカルセドニー、ダイヤモンドを重ねています。大粒のカラーストーンそのものの存在感を活かしながら、鳥の姿や周囲のディテールを精緻に仕上げることで、色彩とクラフトマンシップの双方を際立たせています。
春、夏、秋という3つの章を通じて、「ブルー ブック 2026:ヒドゥン ガーデン」は自然の奥に潜む表情を、異なる季節のリズムとともに描いてきました。フォール コレクションで焦点となるのは、花が咲き、果実が実り、蔓が伸びる豊かな景色です。希少なジェムストーンの色と光を軸に、彫刻的なフォルムやアーカイブへの呼応を重ねることで、移ろいゆく自然の瞬間を永続する造形へと置き換えています。2026年のティファニーを象徴するハイジュエリーの物語は、実りの景色とともに幕を閉じます。
「ブルー ブック 2026:ヒドゥン ガーデン」のフォール コレクションは、16日に開催されるティファニーのプライベート イベントにて発表されました。
【Editor's View】
「ヒドゥン ガーデン」の最終章で際立つのは、自然をそのまま装飾へ変換するのではなく、巣や蔓、果実、花、鳥といった異なる構造を、金属とジェムストーンの組み合わせによって再設計している点です。とりわけジャン・シュランバージェのアーカイブに由来するモチーフが、色石の選択や立体的なシルエットによって現代的な表情へ更新されていることが、このコレクション全体の見どころになっています。ティファニーが公式に紹介するシュランバージェの作品にも、幾何学と有機的な形、鮮やかな色石、豊かなテクスチャーを組み合わせる造形的な特徴が示されており、今回のフォール コレクションにもその美意識を読み取ることができます。
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