Héritage L.Vuitton

⑥スピーディはなぜ人気?芸能人・海外セレブに愛されるルイ・ヴィトンの名品

現代におけるスピーディ:Y2Kトレンドと再評価

ファッションの潮流は、つねに過去との対話を繰り返しながら未来へと進んでいきます。今、その渦中にあるのが、2000年代初頭のスタイル、いわゆるY2Kファッションのリバイバルです。ローライズデニム、クロップドトップス、煌びやかなアクセサリー、そして何より、ブランドロゴが象徴的に配されたアイコニックなバッグたちが、Z世代の手によって新しい意味を与えられています。その代表格として再注目されているのが、ルイ・ヴィトンの「スピーディ」です。

スピーディは、Y2K全盛期の空気感をまとった数少ないバッグのひとつ。2000年代初頭には、パリス・ヒルトンやニコール・リッチーが日常のスタイリングに取り入れていたことで、一躍“セレブの日常バッグ”という地位を確立しました。そして現在、そのスタイルを現代的にアップデートしたかたちで、Z世代やミレニアル世代のインフルエンサーたちの手によって再びファッションの最前線に返り咲いています。

特に人気を博しているのが、ナノ・スピーディやスピーディ25など、コンパクトサイズのモデルです。ミニマルで軽やか、かつ“ルイ・ヴィトンらしさ”をしっかりと主張できるこのシリーズは、ファッションを自己表現の一環として楽しむ若い世代の間で圧倒的な支持を集めています。そして近年では、こうしたバッグをジェンダーを問わず愛用する男性たちの姿も増えていることに注目が集まっています。

ルイ・ヴィトン YUTA (NCT 127)、ルイ・ヴィトンと共に韓国の仁川国際空港に到着関連記事:ルイ・ヴィトン YUTA (NCT 127)、ルイ・ヴィトンと共に韓国の仁川国際空港に到着(スピーディー P9 バンドリエール ピンク / パープル M11563)©LOUIS VUITTON

たとえば、NCT 127YUTA(中本悠太)は、ルイ・ヴィトンの2024年春夏メンズコレクションで、モノグラム・キャンバスのスピーディを軽やかに肩にかけたルックで登場しました。エッジの効いたY2K的スタイリングに、スピーディが持つクラシカルな雰囲気が絶妙にミックスされ、彼の個性を引き立てるアクセントとなっていました(参照:brandjoy.jp/2024/06/fw-yuta-nct-127-1.html)。

岩田剛典 ルイ・ヴィトン 2024秋冬メンズ・ファッションショーに出席関連記事:岩田剛典 ルイ・ヴィトン 2024秋冬メンズ・ファッションショーに出席(スピーディ P9 バンドリエール 40 ジョーヌマット M24419) ©LOUIS VUITTON


また、SEVENTEENMINGYUや俳優の岩田剛典も、それぞれ異なるスピーディの持ち方を披露しています。MINGYUはバンドリエールタイプのスピーディをリラックスしたセットアップに合わせ、都会的なムードを演出。一方の岩田剛典は、まるで都会の散歩道をランウェイに変えるように、スピーディP9 バンドリエールを肩越しの片手に軽やかに掛けて、力みのないエフォートレスな余裕を演出しています。(参照:brandjoy.jp/2024/01/fw-2024-124.html)。

これらのスタイルに共通するのは、スピーディがあらゆるスタイルに柔軟に寄り添うバッグであるという点です。ストリート、モード、エフォートレスといった異なるジャンルのコーディネートの中に、スピーディは自然に溶け込み、むしろその存在感で全体の印象を引き締めてくれます。モノグラムというクラシカルなアイコンが、トレンド感のある装いの中で、安心感とラグジュアリーのスパイスを添えているのです。

また、こうした再評価の潮流は、SNSの影響も大きく受けています。TikTokInstagramでは、あえてヴィンテージのスピーディを現代風にリミックスする投稿が注目されており、2000年代の限定モデルやアーティストコラボレーションのバッグをスタイリングの主役に据える動きが活発化しています。村上隆とのコラボによるモノグラム・マルチカラーや、スティーブン・スプラウスのグラフィティモデルなどは、いまや中古市場で高値がつく“Y2Kラグジュアリー”の象徴です。

現代の若者にとって、「ルイ・ヴィトン=エリートブランド」ではなく、自分の感性でスタイリングし直せる“カルチャー資産”としての側面がより強くなっています。ファッションの中に自由と遊び心を見出すZ世代は、スピーディというクラシックを、まるでリミックス可能なプラットフォームのように再構築しています。

この流れにおいては、俳優の宮沢氷魚やジェンダーレスなスタイリングを得意とするモデルたちが、ファッション誌やコレクションショーでスピーディを取り入れる姿も印象的です。スピーディというバッグは、こうして“性別を超えた表現の道具”としても、その可能性を大きく広げているのです。

このように、Y2Kリバイバルの流れのなかで再評価されているスピーディは、単なる懐古的アイテムではなく、現代的な価値観に根ざした“進化するラグジュアリー”の象徴です。時代を越えて受け継がれるクラフツマンシップと、自由な自己表現が交差する今、その最前線に立つのが、ルイ・ヴィトンのスピーディなのです。

芸能人・海外セレブに愛されるルイ・ヴィトンの名品

ルイ・ヴィトンの「スピーディ」が現代のトレンドを牽引するバッグであることは、データではなく人の感性が証明しています。Y2Kスタイルの復権やZ世代のラグジュアリー観の変化、そしてヴィンテージ回帰の潮流の中で、スピーディは単なるブランドバッグではなく、“表現の道具”としての役割を強めつつあります。その最たる証が、ジャンルや国境を越えた著名人たちのスタイリングにおけるスピーディの存在感です。

ルイ・ヴィトン 平野紫耀、j-hope、堀米雄斗などフロントローを華やかに彩るゲスト 2025秋冬メンズ・コレクション関連記事:ルイ・ヴィトン 平野紫耀、j-hope、堀米雄斗などフロントローを華やかに彩るゲスト 2025秋冬メンズ・コレクション(スピーディ P9 バンドリエール 25 Damoflage Pink Sakura M15279) ©LOUIS VUITTON

まず、ファッションとカルチャーの最前線を体現するZ世代の代表格といえば、平野紫耀永瀬廉。平野は、ルイ・ヴィトンのポップなカラーブロック仕様「キーポル・バンドリエール 50 カラーマニア」を携えた姿が話題になりましたが、そのスタイルセンスはスピーディにも自然にフィットします。永瀬廉もまた、繊細かつモードなスタイルにスピーディを組み合わせることで、“自分らしさ”と“品格”のバランスを見事に成立させています。

【Instagram:Instagram:永瀬廉の投稿が表示されます】

引用:Instagram@ren.nagase.official(ダミエポップ スピーディ・バンドリエール18 ヴェール N40534)

同じくジェンダーの境界線を自由に越える存在として注目されているのが、香取慎吾。彼がまとうルックには、ルイ・ヴィトンの歴史と遊び心が混在しており、モノグラム・スピーディをあえて崩した着こなしで再解釈する姿勢が見て取れます。これは、クラシックなプロダクトであっても、現代的な視点で再編集できるという、スピーディの柔軟性を証明しています。

【Instagram:香取慎吾の投稿が表示されます】

引用:Instagram@katorishingo_official(スピーディ・バンドリエール35 モノグラム M46981)

一方で、アスリート界にもスピーディの魅力に惹かれたスタイルリーダーが多数存在します。たとえば、堀米雄斗。スケートボードの世界王者でありながら、その私服スタイルは繊細かつモード。スピーディを含むルイ・ヴィトンのバッグを巧みに取り入れることで、“アスレジャー×ラグジュアリー”という新たな方向性を提示しています。(参照: brandjoy.jp/2025/01/2025-130.html

関連記事:ルイ・ヴィトン 堀米雄斗がパリでファレル & NIGO®︎のコラボショーを体感(スピーディ P9 バンドリエール 25 レモネード M13902) ©LOUIS VUITTON

大坂なおみもまた、世界的アスリートでありながら、日常ではルイ・ヴィトンのバッグを愛用し、洗練と親しみやすさを両立したスタイリングを実現しています。

【Instagram:大坂なおみの投稿が表示されます】

引用:Instagram@naomiosaka(スピーディ30 モノグラム・フルールドゥジェ M40436)

ルイ・ヴィトン ジェイコブ・エロルディがアイコンバッグ、グリーンの「スピーディ」を愛用する理由関連記事:ルイ・ヴィトン ジェイコブ・エロルディがアイコンバッグ、グリーンの「スピーディ」を愛用する理由(スピーディ P9 バンドリエール 40 ヴェール M24417) ©LOUIS VUITTON

海外に目を向けると、ジェイコブ・エロルディの名が挙がります。『ユーフォリア』でブレイクし、ハリウッドの新世代アイコンとして台頭する彼は、ルイ・ヴィトンのクラシックラインをあえてオーバーサイズのストリートウェアに合わせ、ヴィンテージライクなスピーディを軽やかに持つ姿で話題をさらいました。

ルイ・ヴィトン レブロン・ジェームズがルイ・ヴィトンを着用、注目の試合前ファッション関連記事:ルイ・ヴィトン レブロン・ジェームズがルイ・ヴィトンを着用、注目の試合前ファッション(スピーディ P9 バンドリエール 40 ブルー M24418) ©LOUIS VUITTON

そしてもうひとり、まさに異次元の存在感を放つのがレブロン・ジェームズNBAのスーパースターである彼は、ルイ・ヴィトンの製品を数多く所有していることでも知られ、スピーディを含む複数のバッグを、ハードで力強いフィジカルと並置することで、ラグジュアリーとマスキュリニティを融合させるスタイルを体現しています。ここでもまた、スピーディは“誰が持つかによって表情を変える”稀有なプロダクトであることが浮き彫りになります。

【Instagram:広瀬すずの投稿が表示されます】

引用:Instagram@suzu.hirose.official(スピーディ・バンドリエール20 モノグラム・ラミネーテッドジャカード M23069)

女性セレブリティにおいても、スピーディは世代やスタイルを超えて選ばれています。広瀬すずは、フレッシュな印象のスタイリングに、コンパクトなモノグラム・スピーディを合わせ、エフォートレスで芯のある現代的フェミニニティを演出しています。

【Instagram:高畑充希の投稿が表示されます】

引用:Instagram@mitsuki_takahata(スピーディ・バンドリエール30 キャットグラム M44401)

高畑充希はナチュラルな装いの中でスピーディを差し色にし、スタイリング全体に奥行きをもたらしています。

【Instagram:工藤静香の投稿が表示されます】

引用:Instagram@kudo_shizuka(スピーディ・バンドリエール25 ワイルドアットハート カプセルコレクション ノワール/レオパード M58524)

工藤静香滝沢眞規子といった、成熟したエレガンスを体現する女性たちの装いにもスピーディは自然に寄り添い、年齢やライフステージを問わず長く使える“時代と共にあるバッグ”であることを証明しています。

【Instagram:滝沢眞規子の投稿が表示されます】

引用:Instagram@makikotakizawa(スピーディ・バンドリエール20 LV×YK 草間彌生 M46469)

つまり、スピーディは単に“ラグジュアリーを象徴するバッグ”ではなく、それぞれの人のスタイルやアイデンティティを引き立てる媒体(メディウム)のような存在です。シンプルに持つ人もいれば、あえてクセのあるスタイリングに落とし込む人もいる。どちらにも応えられる懐の深さが、スピーディを真のアイコンバッグたらしめているのです。

著名人が選ぶ理由は、それが単に“憧れ”であるからではありません。日々のコーディネートに溶け込み、あるいはスタイルの軸となり、自己表現の幅を広げるための“確信的な選択肢”として、彼らはスピーディを選んでいます。それこそが、今なおスピーディが愛され続けている最もリアルな理由なのです。



参考資料出典:
・Vogue Runway / GQ Japan / HYPEBAE / DazedなどのY2K特集記事
・TikTokおよびInstagram投稿に基づくトレンド分析記事
・ルイ・ヴィトン公式SNS / ファッションショー出演記録
・各本人Instagramやブランドとのタイアップ報道




STORY

  • ルイ・ヴィトン200年の物語
  • Héritage(エリタージュ)LV

このコラムについて

この、Héritage(エリタージュ)L.Vuittonのコラムでは、14歳で故郷を旅立った少年、ルイ・ヴィトンの夢が世界を魅了するまでの、200年のストーリーをたどります。

TOP