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ダニエル・ロート 新作「エクストラ プラット ローズゴールド ギルト」を発表、5Nローズゴールドと黒の端正なコントラスト

時計の顔ともいえるダイヤルに、どのような技法を選ぶか。その答えが時計そのものの個性を左右するのが、ハイウォッチメイキングの興味深さです。ダニエル・ロートの「エクストラ プラット ローズゴールド ギルト」では、古くから受け継がれてきたギルトダイヤルの構造を現代の意匠として再解釈。深いブラックの下から純金の表示が浮かび上がり、5Nローズゴールドのケースと呼応します。さらに、手作業によるギョーシェとキャリバーDR002の緻密な仕上げが、薄型のケースに凝縮されたクラフツマンシップを際立たせています。

ダニエル・ロート「エクストラ プラット ローズゴールド ギルト」純金と黒が描く新たなギルトダイヤルの美学

伝統の技が紡ぐ、現代的なデザインコード

伝統的なダイヤル製作の技を現代のウォッチメイキングへ取り入れた、ダニエル·ロートの新作「エクストラ プラット ローズゴールド ギルト」。「エクストラ プラット」コレクションの新たな一作となる本作では、時刻を読み取るための表示そのものに職人技を宿しています。奥行きのあるブラックとゴールドのコントラストを軸に、古くから受け継がれてきたギルトダイヤルの技法を現代的な仕上げで再構築。ダイヤルの表情そのものが、時を表示するというシンプルな機能を支える造形として際立っています。

ギルトダイヤルという芸術

その背景にあるのが、ダニエル·ロートが掲げる「芸術品としてのウォッチ(La Montre Objet d'Art)」という考え方です。「エクストラ プラット ローズゴールド ギルト」では、ヴィンテージウォッチに見られるギルトダイヤルの技法を取り入れながら、現代のデザインコードと精緻な製作工程を一つの表現へと結び付けています。見た目を整えるためだけの装飾ではなく、どのような技法でダイヤルを仕上げるかという選択そのものが、時計のデザインを形づくる要素となっています。

ギルトダイヤルの魅力は、数字や文字をブラックの表面に後から印刷しているわけではない点にあります。マスキングによってインデックスなどの表示部分を工程から保護し、下層にあるベースプレートをそのまま見せることで、表示を浮かび上がらせる仕組みです。本作ではベースプレートに純金を用いており、深い色調のダイヤルからローマ数字などが姿を現すことで、視認性と光の反射に独特の表情が生まれます。歴史的にこの技法が支持されてきた理由のひとつも、この立体的な見え方にあります。

ダニエル・ロートの新作「エクストラ プラット ローズゴールド ギルト」伝統技法を現代へ継ぐ精緻な一本

ダニエル・ロートが仕上げるギルトダイヤル「エクストラ プラット ローズゴールド ギルト」の職人技

ダニエル・ロート新作「エクストラ プラット ローズゴールド ギルト」DR002が宿す静かな技巧

ダイヤルの表情をさらに形づくるのが、職人によるギョーシェです。ローズエンジン旋盤を使い、制御された直線的な精度で彫刻を施していくこの工程は、機械に任せて一様に仕上げるものではありません。たった1人の職人が手作業で向き合い、完成までに数日を要することもある工程によって、ダイヤルには細やかなリズムと奥行きが加わります。

ギルトダイヤルの製作は、ゴールド製チャプターリングを保護するところから始まります。まず表面にニスを施し、ローマ数字、ブランド名、ダイヤルの個体番号といった表示部分をマスキングします。半自動機によるこの工程では、シリコンパッドを介して印刷版からニスを移し、100分の1mm単位で位置を調整。仕上げの工程で表示部分が守られるよう、均一さと正確な位置合わせを細かく管理しながら作業が進められます。

ダニエル・ロート「エクストラ プラット ローズゴールド ギルト」5Nローズゴールドと黒の端正なコントラスト

マスキングを終えたダイヤルには、続いて複数回の電気メッキが施されます。深みのあるブラックは一度の処理で完成するものではなく、時間や温度、周囲の環境を見極めながら繰り返し浸漬することで、少しずつ理想の色調へと近づけられます。最終的なブラックの濃度を判断するのは、経験を積んだ職人の目。微妙な色の違いを見極めながら、ダイヤル全体の均衡を整えていきます。

電気メッキを終えると、今度はマスキングに使ったニスだけを取り除くデスマスキングへ進みます。ここでも重要なのは、保護されていた下層の表面を損なわないことです。慎重にニスを除去すると、ブラックの表面へ新たに文字や数字を加えるのではなく、その下に存在していた純金製のベースプレートが現れます。ローマ数字、ダニエル·ロートの名、そしてダイヤルの個体番号がゴールドの色を帯びて浮かび上がり、ギルトダイヤルならではの構造が完成します。

数字や文字が表面に印刷されたものとは異なり、「エクストラ プラット ローズゴールド ギルト」の表示は、ダイヤルの下層から姿を現します。ブラックの艶やかな面と、その奥に潜むゴールドの層が重なることで、光を受けた瞬間には輪郭が際立ち、角度が変われば陰影も移ろいます。繊細なギョーシェが生む規則的な表情も重なり、平面的な文字盤にはない奥行きが視線を引き込みます。

仕上げが進むと、ゴールド製チャプターリングがダイヤルベースに固定され、ムーブメントへ組み付けられます。ここで完成するのは、ブラックとゴールドの色合わせだけではありません。純金のベースを起点に、インデックスと表示、さらに下層へ施されたピンストライプのギョーシェがそれぞれ異なる光の反射を生み、見る角度や手首の動きによって表情を変えていきます。表示を表面へ加えるパッド印刷では得られない立体感が、この技法の核心です。

ダニエル・ロート新作「エクストラ プラット ローズゴールド ギルト」DR002が宿す静かな技巧

ダニエル・ロートの新作「エクストラ プラット ローズゴールド ギルト」は、純金のベースにギルトダイヤルの技法を重ねた一本

ローズゴールドがもたらす温もりと奥行き

ケースにはローズゴールド 5Nを採用しました。赤みを含んだ温かな色調が、ダニエル·ロートを象徴するアイコニックなケースシェイプの流麗な輪郭を引き立て、薄型のフォルムにも柔らかな華やかさを与えています。素材の持つ色そのものがデザインの一部となり、クラシックな造形と現代的な洗練を自然につないでいます。

ブラックのダイヤルにローズゴールドのケース、そしてブラックレザーストラップ。この3つの要素が組み合わさることで、色彩のコントラストだけでなく、異なる質感が重なり合う構成が生まれます。ダイヤルでは光がブラックの面で吸収される一方、ゴールドの部分では反射が際立ち、その差が奥行きを強調します。端正な配色のなかに複数の層を感じさせることが、本作の存在感につながっています。

DR002が描く建築的な調和

ケースの内部には、「エクストラ プラット」コレクションの他モデルにも採用されるキャリバーDR002を搭載しています。143個の部品で構成された手巻きムーブメントは、オープンケースバックからその姿を鑑賞できる仕様です。ダブルエリプス型ケースの薄いフォルムに収めることを前提に設計されたムーブメントは、主張を抑えた佇まいでありながら、仕上げの細部まで高い精度を追求。ケースの造形と機械式ムーブメントの完成度を一体のものとして見せています。

「エクストラ プラット ローズゴールド ギルト」は、伝統的なギルトダイヤルを現代的に再構築したダニエル・ロートの新作



「エクストラ プラット ローズゴールド ギルト」は、伝統的なギルトダイヤルを現代的に再構築したダニエル・ロートの新作

DR002の仕上げでは、シャープな内角や広い面取りなど、細部へ手をかけた仕事が随所に表れます。ブリッジのエッジも一つずつ手作業で整え、磨き上げられています。4Hzで振動するムーブメントは、振動数とエネルギー効率のバランスによって65時間のパワーリザーブを確保。さらに、巻上げ機構にはバークリックを採用し、リューズを操作するたびに独特の手応えを感じられる仕上がりです。目に見える装飾だけでなく、操作感まで含めて完成度を高めています。

ダイヤルからムーブメントまで、「エクストラ プラット ローズゴールド ギルト」は一つひとつの工程を積み重ねることで、その薄型ケースに豊かな奥行きを与えています。伝統的なギルトダイヤルを現代の製作技術で仕立て、手作業で仕上げたキャリバーDR002を組み合わせることで、ダニエル·ロートが重視する端正さとクラフツマンシップを一つの時計に凝縮しました。装飾を重ねて存在感を演出するのではなく、素材、技法、仕上げの密度によって魅力を引き出す。その静かな完成度こそ、本作の個性です。

TECHNICAL SPECIFICATIONS

ダニエル・ロート 新作「エクストラ プラット ローズゴールド ギルト」

ケース
素材          ローズゴールド 5N
寸法          38.6 × 35.5 mm
厚さ          7.7 mm
            反射防止コーティングされたフラットなサファイアクリスタル
            サファイアクリスタルのスケルトンケースバック
針           ゴールド
ダイアル        ブラック仕上げとピンストライプギョーシェを施したゴールド
            ベース
            ブラック仕上げを施したゴールドミニッツトラック
            「ギルト」技法によって浮かび上がるローズゴールドの文字
ラグ幅         20 mm
ストラップ素材     カーフレザー
防水          30 m
ムーブメント
キャリバーDR002     ミシェル・ナバスとエンリコ・バルバシーニ監修のもと、開発、
            組立てられた手巻き機械式ムーブメント
パワーリザーブ      
振動数         65時間 – 4Hz
寸法          31 × 28 mm
厚さ          3.1 mm
部品数 – 石数       143 - 21
発売時期        2026年9月
価格          55,500スイスフラン(税抜)

All photos courtesy of LOUIS VUITTON

ブランドやこれまでに発表されたコレクションについての情報は、公式サイトdanielroth.com、または公式インスタグラムアカウント@danielrothofficialをご参照ください。

#DANIELROTH #HighWatchmaking
LaMontreObjetDArt #DANIELROTHExtraPlat


【Editor's View】
ダニエル・ロートの魅力は、複雑な機構を前面に押し出すのではなく、ケースやダイヤル、ムーブメントという時計を構成する基本要素そのものを丁寧に磨き上げるところにあります。「エクストラ プラット ローズゴールド ギルト」は、その姿勢が特に分かりやすい一本です。純金のベースを生かして表示を浮かび上がらせるギルトダイヤルは、装飾と構造が切り離されていません。さらに、ピンストライプのギョーシェや手仕上げのDR002まで視線を導けば、見た目の華やかさ以上に、ひとつの時計が完成するまでの工程そのものが価値として立ち上がってきます。

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