ルイ・ヴィトン時の革新者、ダニエル・ロートが「ダニエル・ロートトゥールビヨンスースクリプション」を発表

2024.03.03

カテゴリ: 新作

ルイ・ヴィトン時の革新者、ダニエル・ロートが「ダニエル・ロートトゥールビヨンスースクリプション」を発表

LVMHウォッチウィークの華やかな舞台で、ダニエル・ロートが「ダニエル・ロートトゥールビヨンスースクリプション」を発表しました。この新しいコレクションは、メゾンのルネッサンスを象徴し、初代モデルトゥールビヨン(REF. 2187 / C187)への敬意を表しています。

独立系の時計職人としての地位を確立したダニエル・ロートは、ブレゲブランドの再興に貢献した後、1988年に自らの名を冠したメゾンを創設しました。スイス時計産業の心臓部、ジュー渓谷に拠点を構える彼は、独自の魅力を持つ革新的な時計を次々と発表し、急速に名声を獲得しました。

彼のデザインは、アブラアム=ルイ・ブレゲの伝統的な作品から得たインスピレーションと、モダンでユニークなダブルエリプス形状のケースの融合によって特徴付けられています。彼の作品には、歴史ある時計を彷彿とさせるギョーシェ模様のダイアルやブルーのスティール製針が採用されている一方で、ダブルエリプスケースは彼の独自のアイデアから生まれました。ダニエル・ロートは自身の時計のデザインを全て自ら手がけ、水彩画のように紙上に描き出したのです。

ダニエル・ロートの特徴的なダブルエリプスケースは、円と四角形の絶妙な組み合わせから生まれ、彼の全ての複雑な機構の基礎となっています。この独自のスタイルは、歴史に根ざしながらも彼の独創性によって新たな息吹を吹き込まれました。毎年新しい複雑機構の開発に励むダニエル・ロートは、クロノグラフ、パーペチュアルカレンダー、超薄型ウォッチを含む多様なコレクションを生み出し、その斬新なアプローチで時計業界に新風をもたらしました。

ロートによる「ダニエル・ロートトゥールビヨン」のオリジナルのグアッシュ画(1989年頃)

オリジナルの「ダニエル・ロートトゥールビヨン」 ref. 2187 C187(1990年頃)

イエローゴールド製ケースのオリジナルの「ダニエル・ロートトゥールビヨン」(1990年頃)

彼のブランド創設初年に発表されたトゥールビヨンは、特に印象的な作品です。これは腕時計にトゥールビヨン機構を採用した初期のモデルの一つで、ダブルエリプスケースを採用しています。ロンドンの著名なリテイラーであるアスプレイを通じて、初の25本の「トゥールビヨンスースクリプション」の注文が確保され、これが後の開発の礎となりました。

このトゥールビヨンはすぐにブランドの代表作となり、貴金属はもちろん、イタリア市場向けには限定されたステンレススチールバージョンも制作されました。一部のスペシャルオーダーでは、独自の装飾が施されたモデルも製造され、そのクラフトマンシップの高さを示しました。

この先駆的な時計は、ダニエル・ロートの復興を象徴する作品として相応しいものです。オリジナルの精神を忠実に受け継ぎつつも、新たな「ダニエル・ロートトゥールビヨンスースクリプション」はデザインと機能性において革新を遂げています。目を引くギョーシェ模様のダイアルや新開発の自社製ムーブメントが、この時計の特徴です。伝統的なダブルエリプスのフォルムを保ちながら、ケースの形状とサイズに微細な改良が施され、より現代的な装着感を提供します。特に、ラグのデザインが人間工学に基づいて改良され、ケースの厚みはオリジナルのトゥールビヨン(ref. 2187 / C187)より約2 mm薄い9.2 mmになっており、日常使いにも適した洗練されたプロポーションを実現しています。

2024年1月のLVMHウォッチウィークにおいて、最初の「ダニエル・ロートトゥールビヨンスースクリプション」のプロトタイプが披露されました。来る上半期中に、20本の時計が購入者のもとへと届けられる予定です。この新作は、ダニエル・ロートがブランドを創設した当初からの独自性、職人技、そして複雑な機構への情熱を受け継ぎつつ、現代の技術によって新たな息吹を吹き込んだ作品です。

ダニエル・ロートの再興は、ルイ・ヴィトンの「ラ・ファブリク・デュ・タン」の全面的なサポートのもとで進行しています。このジュネーヴにあるアトリエでは、ダニエル・ロートの新たな時計コレクションが細心の注意を払って製造されています。

「ダニエル・ロートトゥールビヨンスースクリプション」の装飾プレート

「ダニエル・ロートトゥールビヨンスースクリプション」のトゥールビヨン・ケージのクローズアップ

「ラ・ファブリク・デュ・タンルイ・ヴィトン」の指揮を執るミシェル・ナバスとエンリコ・バルバシーニは、高度な時計製造の分野で豊かな経験を持つ職人です。彼らはダニエル・ロートの創業理念を尊重しつつ、その遺産を現代の複雑機構に落とし込むことで、ブランドの伝統を未来に繋げています。

ミシェル・ナバスは「ダニエルの時計製造に対する革新的な精神を深く尊敬しています。彼の哲学を私たちの作品に反映させることができることは、非常に名誉なことです」と述べています。

エンリコ・バルバシーニは「ダニエルの時計は、それぞれが持つ独自の魅力と洗練された美しさによって、特別な存在感を放っています。私たちは、新しい作品においても彼のビジョンを忠実に表現し続けることを心掛けています」と語ります。

技術仕様
「トゥールビヨンスースクリプション DR0011YG-01」

ムーブメント
・キャリバーDR001：「ラ・ファブリク・デュ・タンルイ・ヴィトン」によって開発・組み立てられた手巻き機械式ムーブメント
・トゥールビヨン 1分1回転
・厚さ：4.6 mm
・部品数：206
・パワーリザーブ：80時間
・振動数：21,600振動 / 時 - 3 Hz
・石数：19
・トゥールビヨン：平ヒゲゼンマイ
・トゥールビヨンのケージ：460 mg

ケース
・ 18K イエローゴールド 3N
・サイズ：38.6 x 35.5 mm
・厚さ：9.2 mm
・フラットな反射防止加工サファイアクリスタル
・防水：30 m
・ラグ幅：20 mm

ダイアル
・クル・ド・パリギョーシェ加工が施された18K イエローゴールド 3N
・ DANIEL ROTHとウォッチ個別番号の彫刻
・トゥールビヨンのサイドプレートにコート・ド・ジュネーヴ装飾
・トゥールビヨンの下のプレート：艶消し

ストラップ
・ブラウンカラーのカーフレザー

バックル
・ 18K イエローゴールド 3N タングタイプ・バックル

ウォッチ重量
・約77.5 g

ダニエル・ロートについて

ダニエル・ロートは、ジョージ・ダニエルズやF.P.ジュルヌ、フィリップ・デュフォーといった20世紀を代表する時計職人たちと並び称される存在です。彼はフランスの時計職人の家系に生まれ、若くしてオーデマ・ピゲやブレゲでの修業を経て、1976年にブレゲの再興を牽引しました。その後、1988年に独立し、自らのブランドを立ち上げる道を選びました。彼の作品は、そのユニークなダブルエリプスケースとトゥールビヨン腕時計で知られ、ロンドンのアスプレイからの注文により、彼のビジョンとブランドの基盤が築かれました。

1989年には、彼の特徴的なトゥールビヨン2187 / C187が生産されました。その後も、C147の2レジスター・クロノグラフやビーナス179キャリバーを用いたラトラパンテなど、多くの注目すべき時計を発表しました。この時期には、手巻きクロノグラフがまれであったため、彼の作品は特に目立っていました。C107ウルトラシン自動巻きやC127レトログラード、C117パーペチュアルカレンダーなど、彼のアイコンとなる作品もこの時期に誕生しました。C117の瞬間ジャンプ機構は、フィリップ・デュフォーとの直接のコラボレーションの産物であり、ロートの技術力と革新性を示しています。

詳細は、ダニエル・ロート公式サイト danielroth.comをご覧ください。

詳細は、ルイ・ヴィトン公式サイト https://www.louisvuitton.com をご覧ください。

All photos courtesy of LOUIS VUITTON

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