2024.09.14
カテゴリ: 新作
ダニエル・ロートのレガシーを継承する新たなアイコン、新作「トゥールビヨン ローズゴールド」の誕生
ダニエル・ロートは、ジュネーブ・ウォッチ・デイズ 2024の舞台で、新作「トゥールビヨン ローズゴールド」を披露しました。昨年、20本限定で発売されたイエローゴールドの「トゥールビヨン スースクリプション」に続く、今回のエンブレマティックなトゥールビヨンは、ローズゴールドの輝きを纏い、新しい直線状のギョーシェ加工が施されたダイアルを備えています。
ダニエル・ロート自身がデザインし、ダイアルに大型のトゥールビヨンを搭載した初の腕時計であるオリジナルの「トゥールビヨン C187」からインスピレーションを得た「トゥールビヨン ローズゴールド」は、ウォッチ愛好家垂涎の「ピンク・オン・ピンク」のカラーリングを採用。5N ローズゴールドのケースと見事に調和する、ギョーシェ加工が施された5N ローズゴールドのダイアルが、その魅力をさらに引き立てます。
ダニエル・ロートのアーティスティック・ディレクター、マチュー・エジ氏は語ります。「ローズゴールドは、豊かで鮮やか、そして印象的な貴金属です。モダンな外観でありながら、クラシカルなウォッチメイキングにも広く用いられています。それは、『トゥールビヨン スースクリプション』に使用されているイエローゴールドが持つヴィンテージ感からの完璧な進化形と言えるでしょう。」
マチュー・エジ氏はさらに続けます。「同時に、ローズゴールドのダイアルとローズゴールドのケースの組み合わせは、ダニエル・ロートを特徴付ける独特でエレガントな美学を体現しています。『ピンク・オン・ピンク』の組み合わせは、数多くの歴史的に重要なタイムピース、魅力的で美しい腕時計と懐中時計を彷彿とさせます。」
ローズゴールドのダブルエリプスケースに収められたキャリバーDR001は、「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」の創業者でもあるダニエル・ロートのマスターウォッチメーカー、ミシェル・ナバスとエンリコ・バルバシーニによって完全に開発されたムーブメントです。このキャリバーの製作は、「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」が担当しました。「トゥールビヨン スースクリプション」では隙間のないケースバックの背後に隠れていたDR001ですが、「トゥールビヨン ローズゴールド」では、手作業で仕上げられたムーブメントがサファイアケースバックの下に配され、洗練された装飾と伝統的な構造を鑑賞することができます。
ダニエル・ロートのレガシーを継承する「トゥールビヨン ローズゴールド」は、「01」から「20」までの番号が振られていた「トゥールビヨン スースクリプション」に続き、「21」から始まる番号が個別にダイアルに刻印されています。1本を作るのにも高度な職人技が要求されるため、ダニエル・ロートのトゥールビヨンが年間50本以上作られることはありません。
ローズゴールド 5N
ハイウォッチメイキングの伝統的な素材であるローズゴールドは、合金に銅を加えることで生まれるピンクがかった色合いが特徴です。視覚的なインパクトを最大限に高めるため、「トゥールビヨン ローズゴールド」では、より深みがあり豊かな色調を持つ5N合金を採用。これは、レッドゴールドとも呼ばれる18Kゴールド合金です。
18K ローズゴールドのケースは、ダブルエリプス状に仕上げられています。これは、1988年にブランドを立ち上げたダニエル・ロート自身が生み出した、ダニエル・ロートの礎となるシェイプです。四角と円を組み合わせたダブルエリプスケースは、目立つトゥールビヨンを6時位置に配置するために考案されたもの。誕生からおよそ30年、ダブルエリプスケースは今や、時代を超えたアイコンとなった数少ない現代的ケースデザインの1つです。
クラシカルかつモダンなダブルエリプスケースは、ダニエル・ロートの復活に向けて巧みな手法で洗練されました。遠目にはオリジナルと見分けがつかないこのケースは、オリジナルのC187の特徴を再現しているように見えますが、正確にはそうではありません。キャリバーDR001のスリムさにより、新しいケースの輪郭をよりバランスの取れたフォルムに再調整することが可能になりました。
デザイン変更されたもう1つの重要な要素はラグです。ラグは今や優美にカーブを描き、人間工学設計を保ちながら、ケースの丸みのあるラインに沿ったものになっています。
オリジナルのC187の多くはシルバーカラーまたはグレーのダイアルでしたが、「トゥールビヨン ローズゴールド」は、ケースと完璧に調和するローズゴールドのダイアルを纏っています。しかし、その魅力は単なるカラーコーディネートだけではありません。ダイアル自体もケースと同じ5Nローズゴールド製の貴金属合金から作られ、アプライドインデックスと目盛りにはスターリングシルバーが採用されています。ダイアルの鮮やかなピンクを際立たせるため、マーキングはすべて光沢のあるブラックラッカーでプリントされ、ブラックのコーティング加工が施されたステンレススティール製の針と組み合わされています。
「トゥールビヨン スースクリプション」と同様に、ダイアルはカリ・ヴティライネンの名高いギョーシェ彫りアトリエとのコラボレーションによって生み出されました。ギョーシェ加工は、手動で操作される直線エンジン旋盤を用いて手作業で行われ、垂直な線を1本ずつ丁寧に彫り込んでいきます。各ダイアルは、熟練の職人による緻密な作業の賜物であり、わずかなミスも許されない、まさに芸術作品と言えるでしょう。
このダイアルは、時計愛好家垂涎のディテールを備えています。ローズゴールドのダイアルプレートは、オリジナルのC187の多くのモデルで採用されていたものと同じ、平行な垂直線のギョーシェ模様、すなわち直線状のギョーシェ彫りで装飾されています。
C187の最初期のモデルは、「トゥールビヨン スースクリプション」にも採用されているクル・ド・パリ(鋲打ち模様)ギョーシェで仕上げられたダイアルを備えていました。しかし、ダニエル・ロートは創業後まもなく、線状ギョーシェをブランドのトレードマークの一つとして採用し、このモチーフは瞬く間にダニエル・ロートの象徴となりました。
ハイウォッチメイキング
サファイアケースバックを通してその美しさを堪能できるDR001ムーブメントは、ウォッチメイキングの芸術性を体現しています。「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」内で開発・製造されるDR001は、全く新しいムーブメントでありながら、そのフォルムと仕上げは伝統的なスイスのウォッチメイキングへのオマージュを捧げています。
ミシェル・ナバスとエンリコ・バルバシーニがデザインしたDR001には、伝統的なハイウォッチメイキングを彷彿とさせる要素がふんだんに盛り込まれています。このムーブメントは「トゥールビヨン スースクリプション」ではケースバックに隠されていましたが、今回はその細部に至るまで鑑賞することができます。
ミシェル・ナバスとエンリコ・バルバシーニは語ります。「ダニエル・ロート復活のずっと前からダニエルと親交があった私たちは、伝統と品質、そしてディテールへのこだわりを重視する彼の哲学を深く理解していました。だからこそ、DR001があらゆる面で比類なきムーブメントになるべきだと確信していたのです。」
二人はさらに続けます。「私たちは、エレガンスと繊細さに対するダニエルの強いこだわりも理解していました。だからこそ、DR001は、時計愛好家がルーペを通して見ても納得するような、控えめながらも完璧な仕上げを施したムーブメントとしてデザインしたのです。今回、サファイアケースバックを通してムーブメントの素晴らしさを存分に鑑賞していただけることを、私たちは大変誇りに思います。」
DR001のブリッジは、コート・ド・ジュネーヴ仕上げが施され、ダイアルの直線状のギョーシェと呼応するように、縦方向にストライプが刻まれています。それぞれのブリッジは、さらに面取りされた丸みのある斜めの縁と鏡面仕上げによって強調され、輝かしい輪郭を描き出しています。
トゥールビヨンを動かすホイールは、ブラックのポリッシュ加工が施されたスティール製の曲線状のブリッジによって固定されています。一方、ホイールのピボットジュエルは、ムーブメントに3つあるゴールド・シャトンの1つに収められています。同じくブラックのポリッシュ加工が施されたスティール製のリニア巻上げコハゼは、ムーブメントを手動で巻き上げる際に、正確でありながらも穏やかな感触をもたらします。
しかし、この時計の真骨頂は、6時位置に配置されたトゥールビヨンにあります。手首に装着している時でも、卓越した手仕上げの美しさを堪能できるのです。扇型の3段式秒表示に縁取られたトゥールビヨンは、まさに伝統的なハイウォッチメイキング装飾の傑作と言えるでしょう。
トゥールビヨンのブリッジとキャリッジは、どちらもスティール製で、手作業による鏡面仕上げが施されています。ムーブメントの中でも特に小さな部品である、キャリッジを固定しているネジでさえも、ヘッドには鏡面仕上げ、縁と溝には面取りが施されています。
ムーブメントのあらゆる要素、その一つ一つに細心の注意が払われています。これは、ダニエル・ロートとそのハイウォッチメイキングへのビジョンに対する、これ以上ないほどのオマージュと言えるでしょう。
技術仕様
「ダニエル・ロート トゥールビヨン ローズゴールド」DAAD01A1
ムーブメント
・ キャリバーDR001:「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」によって開発・組み立てられた手巻き機械式ムーブメント
・ トゥールビヨン 1分1回転
・ 厚さ:4.6 mm
・ 部品数:206
・ パワーリザーブ:80時間
・ 振動数:21,600振動 / 時 - 3 Hz
・ 石数:19
ケース
・ 18K ローズゴールド 5N
・ サイズ:38.6 x 35.5 mm
・ 厚さ:9.2 mm
・ フラットな反射防止加工サファイアクリスタル
・ 防水:30 m
・ ラグ幅:20 mm
・ サファイアクリスタルのケースバック
ダイアル
・ 「直線状」ギョーシェ加工が施された18K ローズゴールド 5N
・ DANIEL ROTHとウォッチ個別番号のエングレービング
ストラップ
・ ブラウンのカーフレザー
バックル
・ 18K ローズゴールド 5N タングタイプ・バックル
ウォッチ重量
・ 約77.5 g
詳細は、ダニエル・ロート 公式サイト danielroth.comをご覧ください。
「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」について
2014年の設立以来、「ラ・ファブリク・デュ・タン」はルイ・ヴィトンのための複雑機構を独占的に製造してきました。その成果は、2014年に初めて「ジュネーブ・シール」を取得したトゥールビヨンから始まり、38のタイムゾーンを同時に表示できる「エスカル ワールドタイム」、400個のコンポーネントからなる「タンブール ミニッツリピーター」、そして1ブロックのサファイアクリスタルから作られたケースを備えた「タンブール ムーン フライングトゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ サファイアクリスタル」へと繋がっています。ミシェル・ナバスとエンリコ・バルバシーニの監修の下、「ラ・ファブリク・デュ・タン」のクリエーションは、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションにより、GPHG(ジュネーブ時計グランプリ)で2つの賞を受賞。さらに過去には、数々の著名なウォッチメーカーの受賞にも貢献してきました。
All photos courtesy of LOUIS VUITTON
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