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タグ・ホイヤー 藤原ヒロシ 伝説のコラボが再来、「カレラ クロノグラフ x フラグメント」研ぎ澄まされたモノクロームの衝撃

トレンドという言葉が消費され尽くした現代において、真に心を動かすのは「静寂」を纏ったプロダクトかもしれません。2018年の衝撃的な出会いから数年、スイス時計界の雄タグ・ホイヤーと、ストリートカルチャーの絶対的規範である藤原ヒロシ氏が、三度目の対話を結実させました。彼らが再び選んだキャンバスは、永遠のアイコン「カレラ」。過剰な装飾を削ぎ落とし、本質だけを残すという行為は、情報過多な時代を生きる私たちにとって、ある種の贅沢な解毒剤のようにも感じられます。歴史あるハウスの伝統と、東京発の鋭利な感性が交錯する場所。そこに生まれたのは、懐古趣味とは一線を画す、冷徹なまでに美しいモダニティでした。

タグ・ホイヤーと藤原ヒロシが描く静寂の美学、3度目の「カレラ」が示す現代のラグジュアリー

スイスが誇るタグ・ホイヤーと、藤原ヒロシ氏が主宰するフラグメントデザインが、みたび手を取り合いました。両者の視線が注がれたのは、ブランドの象徴である「タグ・ホイヤー カレラ」コレクション。極限まで要素を絞り込んだミニマルなアプローチによって、その歴史的遺産に現代的な磨きをかけています。

2018年に始まった両者のクリエイティブな交流は、今回で第3章を迎えます。新たに発表された「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ x フラグメント リミテッドエディション」は、互いの信頼と対話の到達点とも言えるでしょう。藤原氏特有のデザインコードが注入されたグラスボックス型のクロノグラフは、静謐な美しさを湛えながらも、現代の都市生活にふさわしい自信と風格を漂わせるタイムピースへと昇華されています。

伝説の再来。タグ・ホイヤー カレラ×フラグメント、研ぎ澄まされたモノクロームの衝撃

ストリートウェアの領域でゴッドファーザーと称され、カルチャーの革新者として世界を牽引する藤原ヒロシ氏。彼が主宰するフラグメントは、単に影響力を行使するだけでなく、コレクターとしての鋭い眼光やデザイナーとしての哲学、そして機械式時計への純粋な愛をプロジェクトに注ぎ込みました。一方のタグ・ホイヤーは、モーターレーシングのDNAと高精度な技術という代替不可能な遺産を有しています。直感的なクリエイティビティと歴史的重み。異なる背景を持つ両者がリスペクトし合うことで、このパートナーシップは強固なものとなりました。トレンドに敏感な読者にとって、この協業は一過性の話題作りではなく、互いの本質を高め合う稀有な成功例として映るはずです。

過去2回にわたるコラボレーションモデルは、リリースと同時に完売を記録する熱狂を生みました。それは、藤原氏のクリアな美意識と、タグ・ホイヤーの職人技が見事に融合し、所有する喜びを感じさせるプロダクトとして完成されていたからです。そして今、物語の舞台は再び「タグ・ホイヤー カレラ」へと回帰します。ファッションと同様に、名作は時代を超えて再評価されるものですが、カレラという普遍的なプラットフォームだからこそ、彼の微細なチューニングが際立つのです。

タグ・ホイヤーのCEO、アントワーヌ・パンは次のように語ります。「この協業は、時代を超えて愛されるデザインの真髄を示しています。藤原氏は私たちが自らの遺産に接するのと同じ姿勢、すなわち、精度や革新性、そしてブランドのアイデンティティは一から作り直すものではなく、そこに在るものを際立たせるだけで十分だということを深く理解してくれました。この共通認識から生まれた新作を皆様にお披露目できることは、私たちにとっても大きな喜びです」

一方、フラグメントの創設者でありクリエイティブ・ディレクターの藤原ヒロシ氏は、こう述べています。「カレラを見つめていると、すでに完成されたデザインと、語られるべきストーリーが浮かび上がってきます。今回の私の役割は、その構造と対話し、絶妙なバランスを崩さないよう判断を下すことでした。細部に至るまでその存在意義を問い、不要なものは一切加えていません」。この言葉からは、引き算の美学こそが究極の贅沢であるという、彼の揺るぎないスタンスが感じ取れます。

ストリートと伝統の極致、藤原ヒロシが再解釈するタグ・ホイヤー カレラの新たな地平

再解釈されたレガシー

ハウスのデザイン遺産において中核をなす「タグ・ホイヤー カレラ」は、1963年、ジャック・ホイヤーの手によって誕生しました。ドライバーのために視認性と高精度を追求したこのクロノグラフは、伝説的な公道レース「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ」からその名を受けています。ハイスピードな状況下でも瞬時に時刻を読み取れる機能美と洗練されたスタイルは、登場と同時に技術的卓越性の象徴として世界に認知されました。

それから数十年の時を経て、「タグ・ホイヤー カレラ」はその精神を守りながら進化を続けてきました。近年登場したグラスボックスデザインは、このコレクションに新たな視覚的奥行きをもたらしています。今回のコラボレーションでは、湾曲したフランジやホワイトのアウターリング、そして漆黒のダイヤルが織りなすコントラストが特徴的です。特筆すべきは、日付ディスクの「1」と「11」がフラグメントの象徴であるサンダーボルトに変更されている点でしょう。1960年代のスピリットを継承しつつ、現代的な素材とプロポーションで再構築されたこのモデルは、知的な遊び心を求める大人の感性を刺激します。

39mmの小宇宙に宿る哲学。タグ・ホイヤー×フラグメントが贈る、究極のタイムピース

そもそも、なぜ藤原ヒロシ氏は「タグ・ホイヤー カレラ」にこれほどまでに惹かれるのでしょうか。その背景を知ることは、この時計の価値を理解する上で欠かせません。彼が時計愛好家であることは有名ですが、タグ・ホイヤーとの絆は、精度へのこだわりや、既成概念を覆す革新性、そして機能美という共通の価値観に基づく、極めて個人的な共鳴から生まれています。ビジネスシーンでもプライベートでも、自分のスタイルに妥協しない人々にとって、こうした作り手の「個人的な愛」が感じられるプロダクトは、何よりの信頼の証となります。

振り返れば2018年の初コラボレーションでは、「タグ・ホイヤー カレラ」を大胆かつ禁欲的に再解釈し、現代における在り方を提示しました。続く2020年には「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」へと視点を移し、よりグラフィカルでコントラストの効いたモデルを発表。いずれも藤原氏のシグネチャーであるブラック&ホワイトの配色を纏い、即座にコレクターズアイテムとしての地位を確立しました。これらの成功は、ファッションアイテムとしての時計の可能性を広げたと言えます。

そして2025年、最新作「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ x フラグメント リミテッドエディション」にて、プロジェクトは原点であるカレラへと還ってきました。しかし、それは単なる繰り返しではありません。グラスボックスデザインという新たな器を得て、クロノグラフはさらなる進化を遂げているのです。

タグ・ホイヤー カレラ新章。藤原ヒロシの視点が捉えたグラスボックスの機能美と革新

意図的なコントラスト、絶対的な明瞭さ

第3章の主役となるこのモデルは、39mmという絶妙なサイズ感のケースを採用しています。これは男性だけでなく、大きめの時計を好む女性の腕元にも美しく収まる、現代的なジェンダーレスサイズと言えるでしょう。グラスボックス越しに見えるブラック&ホワイトのコントラストは、藤原氏のデザインビジョンを鮮烈に映し出しています。また、ダイヤルに密やかに配されたサンダーボルトロゴなどのアイコンは、主張しすぎることなく、所有者だけが知る特別な満足感を与えてくれます。

ステンレススティール製のケースには丁寧な仕上げが施され、ドーム型のサファイアクリスタルがブラックオパーリンダイヤルを包み込みます。光を柔らかく吸収するダイヤルの質感と、ホワイトフランジの抑制されたコントラストが、滑らかな視覚的リズムを生み出しています。ダイヤル上の表記や針の仕上げをシルバーやロジウムコーティングで統一し、タキメータースケールにライトグレーを用いる配慮も、彼のディレクションによるもの。細部まで徹底された色調管理が、プロダクトに洗練された統一感をもたらしています。

ブレスレットには、ヴィンテージの香りを残す7連のビーズオブライス ブレスレットを採用。これは今年タグ・ホイヤーが復活させたスタイルですが、今作ではセンターリンクにブラックPVDコーティングを施すことでアレンジを加えています。クラシックな装着感にモダンな黒のアクセントが加わることで、スーツスタイルからカジュアルなデニムスタイルまで、幅広いコーディネートを格上げする独特の表情が生まれました。

搭載されるムーブメントは、約80時間のパワーリザーブを誇る自社製キャリバーTH20-00。週末に時計を外しても月曜日の朝に動き続けている実用性は、多忙な現代人にとって頼もしいスペックです。さらに、シースルーバックから覗くムーブメントも特別仕様。ブランドロゴを模したローターにはブラックの装飾が施され、サファイアクリスタルにはフラグメントのロゴがプリントされています。コラムホイールと垂直クラッチによる滑らかな操作感は、機械式時計を操る喜びを再認識させてくれるはずです。

ケースバックの縁には、かつての栄光を称える「勝利の冠」が刻印されています。これはフォーミュラ1の黄金時代、ジャック・ホイヤーが優勝ドライバーにゴールドのカレラを贈った逸話に由来します。ドライバーたちが幸運のお守りとして愛用したこのシンボルは、今や成功の証として知られています。身に着ける人の挑戦を後押しするようなこのディテールは、キャリアを重ねるビジネスパーソンにとって密かなエンパワーメントとなるでしょう。

パッケージングにおいても、このタイムピースのデザイン哲学が貫かれています。両ブランドのロゴが対照的な黒と白で配され、時計本体は洗練されたブラックボックスとエンボス加工のポーチに収められています。開封の瞬間から着用するまでのすべてのプロセスに、エレガンスとブランドのシグネチャーが息づいており、ギフトとしても最上級の選択肢となり得ます。

コレクターズアイテム

「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ x フラグメント リミテッドエディション」は、スイスの高度なウォッチメイキングと、日本の研ぎ澄まされたクリエイションが真摯に向き合った結晶です。世界限定500本、シリアルナンバー入りで展開されるこのタイムピースは、手に入れること自体がひとつのステータスとなるでしょう。
 
<タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ x フラグメント リミテッドエディション>
タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ x フラグメント リミテッドエディション 正面

タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ x フラグメント リミテッドエディション 裏面


https://www.tagheuer.com/CBS221B.BA0045.html

CBS221B.BA0045 / 1,303,500円(税込)/ 2025年12月発売

自動巻 / ブラックオパーリンダイヤル / ステンレススティール製ケース / ケース径 39 mm / 100m防水 / ステンレススティール製ブレスレット

www.tagheuer.com
X:@TAGHeuerJapan ‏, Facebook:@TAGHeuer , LINE:@tagheuer
#TAGHeuer #タグホイヤー

お問い合わせ
LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー 
TEL : 03-5635-7030


【Editor's View】
「引き算」が生む、現代のラグジュアリー。ファッションの潮流が「クワイエット・ラグジュアリー」へとシフトする中で、今回のタグ・ホイヤーとフラグメントのコラボレーションは、その理想的な回答の一つと言えます。39mmというサイズ感は、手首への収まりの良さはもちろん、シェアウォッチとしても極めて優秀。藤原ヒロシ氏の真骨頂である「既存の価値の再編集」は、歴史あるカレラを、ヴィンテージの風合いとモダンな鋭さが同居する稀有なプロダクトへと変貌させました。特に注目したいのは、ビーズオブライスブレスレットに施されたブラックPVDのアクセント。クラシックなジュエリーのような華やかさを持ちつつ、ブラックのラインが全体を引き締め、モードな装いにも違和感なく溶け込みます。単に時刻を知る道具としてではなく、自身のスタイルを確立した大人が選ぶべき、知的なアクセサリーとしての側面が際立っています。

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