2025.11.25
カテゴリ: 新作
タグ・ホイヤー 最新モナコ エア 1、SLM製造とグレード5チタンで描くアヴァンギャルドクロノグラフの頂点
メカ好きな人ほど、最後に心を奪われるのはスペック表の数字ではなく、腕にのせた瞬間の高揚と、その裏側に隠れたストーリーだったりします。タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ エア 1は、まさにその体験を更新するために生まれた一本です。ハイパーカーを思わせる外骨格的なケースや、SLMによるグレード5チタンの立体構造、約30gという軽さを備えたキャリバーTH81-00など、技術的トピックはどれも最先端ですが、最終的には「どんな一日を過ごしたいか」を腕元から問いかけてきます。ビジネススーツにもレザージャケットにも映える存在感は、都市で生きる大人の時間感覚そのものをリセットしてくれるような、新しいモナコの提案です。
ドバイウォッチウィークの場でタグ・ホイヤーは、モータースポーツのDNAを色濃く受け継ぐ「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ エア 1」を披露し、レースのスタートライトが消えた瞬間のような緊張感とともに、ウォッチメイキングの新時代に踏み出しました。レーストラックの高揚を腕元に縮図のように宿したこのモデルは、タグ・ホイヤーというメゾンが培ってきたレーシングクロノグラフの歴史を、未来志向の技術と結びつけた象徴的な存在です。

タグ・ホイヤーが発表した「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ エア 1」は、モータースポーツのスピリットと高精度クロノグラフの豊かな伝統を背景に持つコンプリケーションウォッチです。スプリットセコンドを備えた構成によって計時の世界に新たな表現をもたらし、アヴァンギャルドなウォッチメイキングの歴史に新章を刻みます。レーシングシーンのタイムキーピングを支えてきたタグ・ホイヤーならではのテクニックが、立体的なケースフォルムと融合することで、ハイエンドスポーツウォッチを求める人の選択肢をさらに広げるモデルに仕上がっています。
この新作ウォッチの引き締まった彫刻的なシルエットは、その誕生を可能にした画期的なテクノロジーを象徴するディテールの集合体です。超軽量なグレード5チタン製ケースは、選択的レーザー溶融(SLM)と呼ばれる最先端の製造技術によって形作られています。SLMによる積層造形プロセスは、航空宇宙、医療、自動車といった分野で、複雑な幾何学形状を持つ精密部品を生み出すために広く活用されている手法です。数々の革新的プロジェクトを手掛けてきた社内部門「タグ・ホイヤー ラボ」は、このSLM技術をウォッチメイキングに応用し、現代のハイパーカーを思わせる空力的なラインを備えた印象的な3Dフォルムを構想し、実物として完成させることに成功しました。

こうして誕生した「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ エア 1」は、まるで風洞実験でスピードと気流を徹底的に追求したかのような、軽快かつ空力表現に富んだ外観をまとっています。複数のソリッドゴールド製パーツを採用しながらも、総重量はわずか85gという軽さを実現しました。そこにはF1®の世界観にも通じる、不要な要素を極力削り込みパフォーマンスを優先する思想が反映されており、重量と機能のバランスにおいて卓越した比率を追求した結果が表れています。
この特別なケースの内部には、タグ・ホイヤーのコレクションの中でも最も高度な構造を持つクロノグラフムーブメント、キャリバーTH81-00が搭載されています。このムーブメントによって、「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ エア 1」はラトラパンテ クロノグラフ機能を備え、レースシーンで求められる精密なタイム計測を可能にします。機械式時計のダイナミズムを可視化したようなメカニズムは、ディテールまでこだわりたいウォッチラバーにとって、眺めている時間そのものが愉しみとなる仕上がりです。
この新たなタイムピースは世界でわずか30本のみのリミテッドエディションとして展開され、それぞれの個体には固有のシリアルナンバーが刻まれています。タグ・ホイヤーの高性能クロノグラフ コレクションの頂点に位置づけられる一本であり、メゾンが追求してきたイノベーションの歴史に新しい一歩を刻むモデルです。希少性の高い限定ピースであると同時に、ハイテク素材とレーシングの美学を凝縮した存在として、タイムピースをスタイルのキーアイテムとして取り入れたい人に強い印象を残す作品になっています。

デザインを支えるテクノロジー
タグ・ホイヤーの根底にある哲学は、常に機能性を備えたデザインの時計を生み出すことにあります。時計は本来の役割をしっかり果たし、高い視認性と優れた操作性を持ち、身に着ける人に確かな性能と信頼感を提供するものでなければならないという考え方です。しかしその一方で、こうした哲学だけでは造形表現の自由度には限界があり、これまではテクノロジーの側にある制約に合わせて形を決めていく場面も少なくありませんでした。
その状況に、タグ・ホイヤーは今まさに変化をもたらしています。選択的レーザー溶融(SLM)を取り入れることで、メゾンは従来の関係性を反転させ、テクノロジーが大胆な造形アイデアを支える新たなアプローチを確立しました。この手法によってクリエイティブプロセスから多くの制約が取り払われ、タグ・ホイヤーのデザイナーたちはこれまで実現不可能とされてきたフォルムを自由に思い描けるようになったのです。「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ エア 1」には、「限界は存在しない」という明確な発想が息づき、ウォッチメイキングの世界にパラダイムシフトをもたらす象徴として位置づけられています。
では、この技術がどのように機能しているのかを見ていきます。一般的なウォッチケースは、CNCフライス盤を用いて単一の素材ブロックから複数の部品を削り出して成形する「引き算の製造」が主流です。一方でSLMは、3Dプリントに近い発想を持つ「足し算の製造」に属します。「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ エア 1」は、この新しいアプローチによって生まれたタイムピースであり、時計づくりにおける立体構造の自由度を大きく押し広げています。
SLMによる製造工程では、アルミニウムやステンレススティール、そして本モデルに採用されたグレード5チタンといった金属粉末を、極めて薄い層として幾度も積み重ねていきます。そのうえで、CADによる設計データに基づき、高出力レーザーを用いて必要な部分だけを選択的に溶かし、融合させていきます。レーシングマシンのフレームを少しずつ組み上げるように、ミクロン単位の精度で形状を立ち上げていくこのプロセスが、モダンなスポーツウォッチにふさわしい骨格を生み出しています。

SLMのプロセスでは、レーザー照射と金属粉末の積層をひとつのサイクルとして繰り返すことで、デザイナーがイメージした立体的な構造が少しずつ形になっていきます。幾重もの層が重なり合い、内部から外側へとボリュームが立ち上がるイメージです。そうして完成したケースを最終段階で丁寧に研磨し、指先でなぞるとまるで肌のように感じられるほど滑らかな質感に整えることで、これまでの手法では実現が難しかったケース構造を可能にしています。
風洞実験にふさわしい時計
完成したケースは、41mmという程よいサイズ感の中に、ハイテクで前衛的なスタイルの特徴を凝縮しています。直線と面を強調したシャープなラインと、エッジに宿る力強さが組み合わさり、全体としてはパフォーマンスカーの吸気口を思い起こさせるような流麗な輪郭を描きます。ケースに光が当たる角度によって陰影が移ろい、メカニカルな表情の中にスピードを感じさせるシルエットが際立ちます。
個々のパーツが組み合わさることで、腕元を包み込む外骨格のような複雑な構造が立ち上がります。ハイパフォーマンスカーの格子状エンジンカバーからインスピレーションを得たメッシュ状の2層ハニカム構造がムーブメントを囲み、内部の精密機構を守る役割を果たします。ケース本体と格子、ベゼルはすべてグレード5チタン製で統一され、そのうちベゼル下部を支える格子部分だけにソリッド2Nイエローゴールドを採用することで、ハイテク素材と貴金属が織りなすコントラストを生み出しています。さらに、グレード5チタン製ベゼルにはブラックDLCコーティングが施され、マットな黒とメタルの質感が重なり合うことで、時計全体のシルエットをより精悍に際立たせています。
内部では、タグ・ホイヤーを代表するエリート ラトラパンテ クロノグラフ ムーブメント、キャリバーTH81-00が静かに、そして確かなリズムで作動しています。外観の空力的なフォルムは、まるでV12エンジンが放つ爆発的なエネルギーを受け止めて外側へと解き放つかのようで、視覚的にもトルク感とダイナミズムに満ちた印象を与えます。この複雑なケース構造を形にするために、エンジニアが費やしたプログラミング時間は従来比で約10倍、製造時間も約5倍に達しました。その結果として、風洞実験を繰り返して完成させたハイパーカーのパーツを思わせる、未来的で力強いケースが腕時計というスケールに落とし込まれています。
「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ エア 1」のハイテクな佇まいを仕上げているのが、上からムーブメントの内部構造をのぞくことができる半透明のサファイアダイヤルです。ブラックDLCコーティングを施したグレード5チタン製のクロノグラフプッシュボタンとテーパードリューズ、ゴールドのクロノグラフ針、先端にゴールドを配した時・分針とインデックスが組み合わさり、工業的な骨格の中にジュエリーのような光を添えています。フロントとケースバックを4本のネジで固定したサファイアクリスタルは、ムーブメントを立体的に見せるショーケースの役割も担います。
さらに、9時位置に配されたスプリットセコンド用のプッシュボタンにはソリッド2Nイエローゴールドが用いられ、オリジナルの「モナコ」の左リューズへのオマージュとして機能しています。アルカンターラのインサートをあしらったスポーティーなブラックラバーストラップと、ブラックDLCを施したグレード5チタン製バックルが組み合わされることで、レーシングスーツの素材感とハイエンドなシティスタイルがブリッジされ、サーキットから都会のナイトアウトまでシームレスに合わせやすい一本になっている点も、ファッション視点で見た大きな魅力です。

より高い振動数で
このタイムピースの心臓部であるキャリバーTH81-00は、「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ エア 1」の内部で規則正しく鼓動を刻み続けます。約65時間のパワーリザーブを備え、毎時36,000振動(5 Hz)の高振動を誇る自動巻ムーブメントであり、ハイパフォーマンスなクロノグラフにふさわしいスペックを実現しています。このムーブメントは、ムーブメントの分野で高い評価を得る名門ヴォーシェ・マニュファクチュール・フルリエ社とタグ・ホイヤーが共同で開発したもので、精度と信頼性に対する両者のノウハウが凝縮された仕上がりとなっています。
キャリバーTH81-00は、その主要部品までグレード5チタンで構成されていることにより、印象的な軽さを手に入れています。過酷な環境下でも性能や安定性、信頼性を犠牲にすることなく、ムーブメント単体でわずか30gという数字を実現している点は、モータースポーツに縁深いタグ・ホイヤーならではのアプローチです。裏側に配されたサファイアクリスタル製ケースバック越しには、タグ・ホイヤーのアイコンであるチェッカーフラッグをモチーフにしたデザインや、細部まで丁寧に施された手仕上げの装飾が広がり、時計を外したあともつい眺めていたくなる美しさを備えています。
このムーブメントが駆動するラトラパンテ機構は、ふたつの出来事を同時にスタートさせながら、それぞれ別のタイミングで終了させるシーンで力を発揮します。例えばF1®レースで2台のマシンのラップタイムを測るような場面でも、メインのクロノグラフ針とスプリットセコンド針が別々に動きを止めることで、精緻な比較計測が可能になります。スポーツ計時の世界で磨かれてきたノウハウが、日常ではランニングやトレーニング、仕事でのタイムマネジメントなど、多彩なシーンに応用できる機能として生きている点も、このモデルの魅力です。

高精度を磨いた歴史
「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ エア 1」は、タグ・ホイヤーが長年積み重ねてきたクロノグラフの歴史の、現在地点を示す存在と言えます。1860年の創業以来、メゾンは高精度計時の代名詞として160年以上にわたり経験を蓄積し、そのサヴォアフェールを途切れることなく進化させてきました。このモデルは、レーシング由来のクロノグラフというルーツに最新のテクノロジーを重ね合わせることで、ヘリテージと未来志向をひとつのピースの中に共存させています。
1916年には、世界で初めて1/100秒単位の計測が可能なストップウォッチ「ホイヤー マイクログラフ」を世に送り出し、スポーツ計時の歴史に大きな転換点をもたらしました。それ以降もタグ・ホイヤーは、数多くの革新的なクロノグラフを発表し続けています。モータースポーツ界で高い権威を持つブランドとのパートナーシップを重ね、世界最高峰とされる多様なモータースポーツイベントからF1®に至るまで、公式タイムキーパーとして信頼を築いてきました。今年は、タグ・ホイヤーのアイコニックな「モナコ」の名の由来となったF1®モナコGPで、初のタイトルパートナーに就任したことも話題となりました。
2024年のWatches & Wondersでは、初代となる「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ」が発表され、ジュネーブ時計グランプリ(GPHG)にもノミネートされました。その後、TH-チタン製モデルをはじめとする3つのバリエーションが登場し、スプリットセコンド クロノグラフというコンセプトは一層洗練されています。今回の「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ エア 1」は、その流れを受け継ぎながら、SLM技術と空力的なフォルムを組み合わせることで、タグ・ホイヤーをアヴァンギャルドなクロノグラフのマーケットリーダーとして次のステージへ押し上げる役割を担っています。

常に空気のような軽やかな時間
「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ エア 1」は、タグ・ホイヤーの歴代モデルの中でも極めてエクストリームな性格を持ちながら、人間工学に基づいたケースフォルムや高い視認性、スポーティーなシルエットによって、日常使いも意識した一本に仕上がっています。これまで両立が難しいとされてきた造形としての美しさと、毎日腕にのせたくなる実用性が、最新テクノロジーをデザインの土台に据えることによって一枚の地平に並んだ印象です。オンタイムのスーツスタイルからオフのデニムやレザーブルゾンまで、スタイルを選ばず今の気分に寄り添うクロノグラフとして、都会的なライフスタイルに新しい選択肢を与えてくれます。
タグ・ホイヤー CEO アントワーヌ・パンは、「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ エア 1」を時計製造の世界における大きな転換点として位置づけています。SLM製造プロセスを採用したことで、時計師がウォッチデザイナーの自由度の高いアイデアをそのままのスケール感で形にできる段階に到達し、従来のケースデザインの常識を塗り替えたという認識です。その舞台として選ばれたのが、1969年に世界初の防水角型ケースを備えた自動巻クロノグラフとして登場した、アヴァンギャルドな存在「モナコ」です。エア 1は、このデザインアイコンに新たな夜明けを告げるモデルであり、タグ・ホイヤーが今後展開していく革新的なコンセプトタイムピースシリーズのスタートを象徴する作品といえます。(タグ・ホイヤー CEO アントワーヌ・パン)
タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ エア 1


https://www.tagheuer.com/CBW218B.FT8124.html
CBW218B.FT8124 / 30,338,000円(税込予価)/ 2025年12月発売予定
自動巻 / サファイアダイヤル / グレード5チタン製ケース / ケース径 41 mm / 30m防水 / ブラックラバーとアルカンターラのストラップ
www.tagheuer.com
X:@TAGHeuerJapan , Facebook:@TAGHeuer , LINE:@tagheuer
#TAGHeuer #タグホイヤー
お問い合わせ
LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー
TEL : 03-5635-7030
【Editor's View】
タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ エア 1は、ひと目で分かるラグジュアリーさよりも、手首にのせたときの軽さやムーブメントを覗き込んだときの高揚感といった「体験そのもの」に価値を置く人の心をしっかりつかむタイムピースです。グレード5チタンとSLM技術が描き出す外骨格的なケースは、ハイパフォーマンスカーのエンジンカバーを思わせるテクニカルな表情を見せながら、細かな面の切り替えやゴールドパーツのバランスによって、ファッションとしてのまとまりも美しく整えられています。モナコというクラシックな名前を纏いつつ、その印象はあくまで未来志向で、スーツの袖口からのぞかせればシャープな存在感を放ち、週末のカジュアルには都会的なスポーツマインドを添えてくれます。ハイウォッチとライフスタイルの境界を軽やかに越えていくこの一本は、テクノロジーとデザインの関係がアップデートされたことを、日々の装いの中で静かに語りかける存在と言えます。
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