2025.12.11
カテゴリ: 新作
A.ランゲ&ゾーネ ハニーゴールドケースの「ランゲ1・デイマティック」、ブラウンダイヤルと自社製キャリバーL021.1の限定250本
ハイエンドな機械式時計が日常に寄り添うとき、そこには単に正確な時刻以上の物語が宿ります。A.ランゲ&ゾーネの「ランゲ1」は、そんな物語性を好むウォッチラバーのあいだで長く愛されてきたシリーズです。そのアイコンから、ハニーゴールドケースをまとった自動巻きの新作「ランゲ1・デイマティック ハニーゴールド」が限定250本で登場しました。ブラウンダイヤルと特別なゴールド合金が生み出す温かなコントラスト、自社製キャリバーL021.1の緻密な仕上げなど、手首にのせた瞬間から静かな高揚感が続くディテールが詰め込まれています。クラシックなランゲ1を知る人にも、新しい視点をもたらしてくれる一本です。
ランゲ 1・デイマティックは、A.ランゲ&ゾーネのコレクションを象徴する自動巻きモデルの一つであり、その姿にはクラシックな「ランゲ 1」が持つ独特のデザイン言語が色濃く反映されています。今回、初めてこのモデルにマニュファクチュール独自のゴールド合金であるハニーゴールド(HONEYGOLD®)750 製ケースが採用されました。柔らかく温かみのある光をたたえたハニーゴールドが、シルバー925 製ブラウンダイヤルの深い色調を引き立て、250本限定のリミテッドエディションに、視線を奪う個性と気品をもたらしています。
12月7日は、A.ランゲ&ゾーネにとって特別な意味を持つ日です。1845年のこの日、フェルディナント・アドルフ・ランゲがグラスヒュッテに拠点を構え、ドイツの精密時計製造の礎を築きました。さらに1990年、ドイツ再統一の年でもあるこの日には、彼の曾孫にあたるウォルター・ランゲがブランド再興へ向けて大きな一歩を踏み出しています。そしてその約35年後にあたる2025年12月7日、A.ランゲ&ゾーネは記念すべきタイミングに合わせて、250本限定の新作「ランゲ1・デイマティック ハニーゴールド」を発表します。歴史と現在が重なる日付にふさわしい一本です。
見慣れた顔 – 鏡像デザイン
2010年に発表された「ランゲ 1・デイマティック」は、名高い「ランゲ1」の血筋を受け継ぎながらも、その特徴的なスタイルに新たな視点を与えたモデルです。手巻きの「ランゲ1」と同様、オフセンターダイヤルを採用しつつも、レイアウトはオリジナルを鏡に映したように左右を反転させています。時分表示はダイヤル右側に配置され、スモールセコンドとアウトサイズデイトは左側へと移動。見慣れた非対称バランスに新鮮なリズムを加え、クラシックとモダンの間に緊張感ある表情を生み出しています。
クラシックな「ランゲ 1」との違いを象徴するのが、ダイヤル上の表示です。「ランゲ1・デイマティック」にはパワーリザーブ表示をあえて設けず、その代わりにダイヤル左外周部にレトログラード式曜日表示を配しました。このカレンダー機能は、ブランドのアイコンでもあるアウトサイズデイトを補完しながら、実用性を高めています。同時に、ランゲ1ファミリーのなかでこのモデルが持つ独自性を際立たせ、日常使いの場面においても視覚的な楽しさを感じさせる顔つきに仕上がっています。
調和の取れたプロポーション – 珍しい色の組み合わせ
「ランゲ1・デイマティック ハニーゴールド」のケースは、バランス良く整えられたプロポーションと流れるようなラインが特徴的です。直径39.5mm、厚さ10.4mmというサイズ感は、現代の手首に自然にフィットし、シャツのカフの下にもすっきりと収まります。さりげなく刷新されたラグとベゼルのつながりが、全体にほどよい軽やかさを生み、金無垢の重厚感を楽しみながらも日常に落とし込みやすい装着感をかなえています。
ハニーゴールド製ケースとシルバー925 製ブラウンダイヤルの組み合わせが、このタイムピースならではの印象的な顔を形づくっています。柔らかな光沢を帯びたケースの色味が、針やアプライドインデックス、アウトサイズデイトのフレームへと穏やかに映り込み、統一感のある表情を演出します。わずかにくぼませた時・分目盛りなど、ダイヤルの立体感を引き出す細やかなディテールも随所に盛り込まれています。アウトサイズデイトはブラウンの背景にホワイトの数字で表示され、ダイヤルカラーと自然に調和しながら情報の視認性を高めています。
「ランゲ 1・デイマティック ハニーゴールド」には、ソリッドハニーゴールド製バックルを備えたトープカラーの手縫いアリゲーターベルトが組み合わされています。落ち着いた色味のストラップがブラウンダイヤルとハニーゴールドケースのトーンにつながり、一体感のある佇まいを完成させています。肌なじみの良い風合いも相まって、長時間の着用でも心地良い感覚が続く組み合わせです。
伝統的なデザイン – 洗練された構造
バランスの取れたデザインと丁寧な仕上げは、外観だけでなく時計内部にも息づいています。「ランゲ1・デイマティック ハニーゴールド」の心臓部には、自社製自動巻きキャリバーL021.1が搭載され、緻密なつくり込みによって確実に時を刻みます。その独特の構造は、ランゲの伝統からインスピレーションを得たもので、調整や組み立ての観点から高い精度を追求したものです。例えば4枚のプレートはそれぞれ別々にビス留めされていますが、完全に組み上げられたムーブメントを見ると、クラシックな4分の3プレートのような一体感ある姿に仕上がっています。
ムーブメント全体の直径に広がる大型のセンターローターが、高い効率でゼンマイを巻き上げ、安定した動力供給を支えています。「A. Lange & Söhne」のシグネチャーがエンボス加工であしらわれたセンターセグメントには21K(875/1000)ゴールドが用いられ、分銅部分にはプラチナ950が採用されています。異なる素材の組み合わせが機能面と装飾性の両方を担い、裏側から見たときの存在感を印象的なものにしています。
温かみのあるトーンのゴールド、冷ややかな光を放つプラチナ、そしてコーンフラワーブルーのビスという三つの要素が織りなす色彩の構成が、ローターを技術性と美しさを併せ持つパーツへと押し上げています。衝撃が加わった際には、4本の細いスポークが重いローターを受け止める役割を果たし、ムーブメントを過度な負荷から守ります。フルに巻き上げた状態でのパワーリザーブは約50時間となっており、日常のライフスタイルに寄り添うスペックです。
ランゲの代表的な仕上げと装飾
さらに、このモデル専用に用意されたムーブメントは、ランゲらしい高品質の証ともいえるディテールを備えています。偏心錘付き大型テンプを組み合わせたインデックスのない振動システムや、自社で開発・製造された毎時21,600回振動のヒゲゼンマイがその代表例です。426個もの部品で構成されるキャリバーL021.1は、ランゲのすべてのムーブメントと同じく二度組み方式で丁寧に組み立てられ、数多くの伝統的な要素を内包しています。
各パーツに施された精巧な仕上げや装飾は、マニュファクチュールが掲げる厳格な基準に沿って実現されています。ハンドエングレービング入りのテンプ受け、グラスヒュッテストライプ、ビス留め式ゴールドシャトンといったクラシックな特徴が随所にあしらわれ、それらはサファイアクリスタルのケースバック越しに鑑賞できる見どころとなっています。細部まで行き届いた職人の手仕事が、ムーブメント全体に豊かな表情を与えています。
「独自のデザイン、自社製ムーブメントの洗練、そして職人技による仕上げにより、『ランゲ1・デイマティック ハニーゴールド』は、自動巻き時計を愛する方々に強い個性を届けるタイムピースとして登場します」と、商品開発ディレクターのアントニー・デ・ハスはコメントしています。さらに「ランゲ独自のケース素材と珍しいカラーの組み合わせが、アイコニックな定番モデルであるこの時計を、さらに品格ある一本へと高めています」と語り、素材選びとデザインの調和に自信をのぞかせています。
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A.ランゲ&ゾーネ
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【Editor's View】
A.ランゲ&ゾーネ「ランゲ1・デイマティック ハニーゴールド」は、ブランドの歴史に根ざした記念日にふさわしい、静かな存在感を放つ自動巻きモデルです。ハニーゴールドケースとブラウンダイヤルの組み合わせは、華やかさと落ち着きを同時に感じさせ、ビジネススタイルから週末の装いまで自然に溶け込む色調に仕上がっています。一方で、オフセンターダイヤルの反転レイアウトやレトログラード式曜日表示、大型センターローターなど、ウォッチファンの視線を引きつけるディテールが随所にあり、眺めるたびに発見が増えていく構成です。限定250本という希少性も含め、一本で日常とコレクション的な満足感の両方を楽しみたい人にとって、長く付き合えるパートナーとなる可能性を秘めたタイムピースです。
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