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ブレゲ 250年の進化を象徴する新作アニバーサリーモデル、マグネティック・ピボット搭載「クラシック 7225/7235」登場

創業から250年、ブレゲは「時間」を芸術へと昇華させてきました。アブラアン‐ルイ・ブレゲが1775年に灯した革新の精神は、いま「クラシック 7225」と「クラシック 7235」という新たな形で再び息づいています。マグネティック・ピボットや10Hzの高振動脱進機など、メゾンが築いてきた科学的精度と詩的美学が融合。懐中時計「No.5」に端を発するデザインコードが、現代の洗練をまとってよみがえります。さらに、倫理性とクラフトマンシップを象徴する「ブレゲ・シール」が、その哲学を未来へと受け継ぐ証しに。時間の流れを超えて響く、ブレゲという名の思想が、ここに結晶しています。

【Youtube:ブレゲ250周年①の投稿が表示されます】

クラシック 7225

1802年、アブラアン‐ルイ・ブレゲは、精度向上のために複数の革新的機構を備えた5本の時計製作に挑みました。その中でもナチュラル脱進機とトゥールビヨンを組み合わせた作品は、当時の技術水準を超える象徴的存在です。250周年を迎えた今年、ブレゲ・マニュファクチュールは、その精神を受け継ぐ最新作「クラシック 7225」を発表しました。マグネティック・ピボットと10Hzの高振動脱進機を搭載したこのモデルは、ブランドの革新性を現代に再定義する試みといえます。

 高精度の探求に新たな息吹

現代の時計製造は、製造工程から注油、品質管理まで厳密に体系化され、技術的完成度はかつてない高みに達しています。「クラシック 7225」は、そうした環境の中で再びブレゲの原点に立ち返り、「高振動」という挑戦を通じて精度の限界に挑むモデルです。高振動ムーブメントのもたらす安定した計時は、ブレゲが生涯をかけて追い求めた“真のクロノメトリー”の継承を意味します。

ブレゲ・マニュファクチュールは2000年代後半から磁気を利用した新機構の研究を進め、2010年にマグネティック・ピボットの特許を取得しました。これは磁気を時計の大敵ではなく味方として活用するという、ブレゲらしい大胆な発想に基づくものです。磁気をムーブメントの中心で制御し安定性を高めるこのアイデアは、時計づくりの固定観念を覆す革新的アプローチといえます。

 マグネティック・ピボットを機能させる方法

磁気はかつて、ムーブメントの精度を乱す要因として敬遠されてきました。しかし「クラシック 7225」では、その特性を巧みに制御し、テンプの安定維持に利用しています。2つの磁石が生み出す磁場によってテン真を重力の影響から解放し、常に軸を自動的に復位させる仕組みを実現。衝撃を受けても中心位置に戻るこの構造は、耐久性と精度の両立を実現し、伝統的な機械式時計の進化を次の段階へ押し上げました。

従来のテン真は、軸石の中で摩擦を生じながら回転するため、時計の姿勢によって精度が変化する課題がありました。これに対しマグネティック・ピボットは、摩擦を極限まで減らし、6姿勢いずれでも安定した歩度を保つ設計です。磁力によってテン真の動きを支える仕組みが、姿勢差による誤差を最小化。結果として、ユーザーが日常のどんな場面でも高精度を享受できる時計が実現しました。この進化は、ブレゲが求めた「普遍的な正確さ」という理想への現代的回答です。

この発明は時計界において歴史的成果と評価されました。テンプ両端に微小磁石を配したテン真が、自ら位置を保ち修正するというこの機構は、安定性と信頼性を飛躍的に向上させました。ブレゲはこれを「クラシック クロノメトリー 7727」に初採用し、同モデルは今なおブランドの象徴的存在です。伝統と革新が共存するその姿勢は、ブレゲという名が示す「時間芸術」の核心を映し出しています。

ブレゲ 「クラシック 7225」、現代に受け継がれる遺産

250周年記念作として登場した「クラシック 7225」は、1809年の懐中時計「No.1176」を原型に、ブレゲの歴史と現代技術を融合させた一本です。高振動脱進機に加え、マグネティック・ピボットを新たな形で再構築。伝統を再解釈する姿勢は、ブレゲが単なる時計ブランドではなく、常に時代を導く技術の語り部であることを示しています。比類なき精度と造形美が、アニバーサリーイヤーにふさわしい新たな伝説を刻みます。

ブレゲ No.1176
ブレゲ No.1176


ブレゲは「クラシック 7225」の脱進機部分において、フェナキストスコープ式のアニメーションを応用するという独創的な仕組みを導入しました。10Hzの振動によって回転部が1秒間に20コマの映像を生み出し、「1775」と「2025」の数字が滑らかに入れ替わる様子を描き出します。この視覚的な演出は、モーフィングの概念を機械式ムーブメントに融合させたものです。伝統的な精密機構の中に映像的表現を取り入れた試みは、ブレゲの技術革新に新しい章を開くものといえるでしょう。

「クラシック 7225」のデザインは、1809年に製作された懐中時計「No.1176」の構造や意匠を現代に再構築したものです。中央に時針と分針を配置し、6時位置には扇型のパワーリザーブ表示を配しています。従来の35時間から60時間へと進化したパワーリザーブに加え、2時位置と10時位置には独立したスモールセコンドを備えています。伝統的な配置を踏襲しながらも、モダンなバランス感覚で再設計されたデザインは、過去と現在を繊細に結びつけています。

二つのスモールセコンドは独立して動作し、時間計測の精度を高めるために連携しています。この機構は1809年の「No.1176」でアブラアン‐ルイ・ブレゲ自身が発明したもので、当時としても極めて革新的な試みでした。「クラシック 7225」では新たにフライバック機構を搭載し、計測中でも瞬時のゼロリセットが可能となっています。直感的で軽快な操作性は、日常使いにおいてもブレゲの哲学である“機能美”を体現しています。

ブレゲ創業250周年を記念する「クラシック」アニバーサリーモデル、伝統と革新が交差する瞬間

日差±1秒を保証する正確さ

ブレゲの哲学の根底にあるのは、複雑さよりも「読み取りやすさ」と「実用性」を優先する思想です。過度な装飾や機構を避け、誰もが正確な時間を素早く把握できるようにするという考え方は、1809年のコンスタント・フォース機構を搭載したトゥールビヨンにも見られます。ブレゲが目指したのは、精密さを美として昇華すること。その思想は「クラシック 7225」にも息づいており、技術の進化とともにその理念が現代の文脈で再解釈されています。
 
今回の「クラシック 7225」も、ブレゲが追い求めた精度への情熱を新たなかたちで表現しています。高振動とマグネティック・ピボットの融合により、ブレゲ・マニュファクチュールは日差±1秒という驚異的な精度を保証。懐中時計の時代におけるトゥールビヨンの役割を、現代の腕時計ではマグネティック・ピボットが担います。これにより、腕時計という限られた空間の中で究極のクロノメトリーを実現したのです。

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ブレゲシール ~Poinçon Bregue~
ブレゲの卓越性を語るしるし

創業250周年を迎えたブレゲは、時計製造における技術と美の融合だけでなく、倫理的な価値の発信にも力を注いでいます。その象徴が「ブレゲ・シール」と呼ばれる新たな認証印です。この印は、部品の品質、性能、倫理性の3要素を基準とし、完成した時計のケーストップやバックルに刻印されます。卓越した技術だけでなく、誠実な製造姿勢を保証する存在として、現代の高級時計界における信頼の証と位置づけられています。

ブレゲシール ~Poinçon Bregue~ ブレゲの卓越性を語るしるし

美しく調和したデザイン

ブレゲ・シールは、ブレゲの全ての時計において最高水準の仕上げが施されていることを示します。その監修を担う委員会は、内部仕様書に基づいて厳密な基準を定め、熟練した職人による手作業のみで仕上げを行います。これはブレゲの伝統を守りながら職人技を継承するという理念の表れです。同時に委員会は、時代に合わせてシールの価値を進化させる役割も担っています。ブレゲ・シールが刻まれた時計は、芸術性と倫理性を両立したものづくりの結晶として存在しているのです。

卓越した技術

ブレゲ・シールは時計の性能面においても厳格な保証を与えます。製造から組み立て、品質管理まで各工程で詳細な検査が行われ、個別番号で管理されたすべての時計が最終検査を通過することでその品質が証明されます。評価基準は精度、耐磁性、防水性に加え、グランソヌリやミニッツリピーター、アラームなど特殊機構における音響特性まで網羅しています。ブレゲは単なる製造の品質ではなく、時計としての完成度そのものを保証しているのです。

精密時計の精度基準は用途ごとに明確に分類されています。「科学用ウォッチ」は日差±1秒、「民間用・スポーツウォッチ」は日差±2秒、そして「ドレスウォッチやジュエリーウォッチ」は日差-2秒から+6秒という範囲に設定されています。この細やかな基準設定こそ、ブレゲが“時間の正確さ”を芸術的領域にまで高めている証しといえるでしょう。
 
ブレゲでは、耐磁性能の検査にも独自の厳格な基準を設けています。部品はNIHS 90-10規格の最低10倍の磁気曝露値でテストされ、残留偏差はその3分の1以下という水準で制御されます。さらに、モデルごとの防水性能にも同等の検査が行われます。こうした基準は、ブレゲが掲げる「精密さの継続性」という理念を支える技術的裏付けとなっています。

投資の中心にある倫理性

ブレゲ・シールはまた、すべての部品がスイス国内で最高水準のクラフツマンシップに基づいて加工されていることを証明します。これにより、ブレゲは伝統的な時計製造技術を未来へとつなぐ役割を果たし続けています。メゾンとしての使命は、時計づくりの知識を次世代に継承し、オートオルロジュリーの価値をさらに高めることにあります。

倫理面においても、ブレゲはブランドとしての責任を果たしています。専門のアトリエには、現行モデルだけでなく歴史的モデルにも対応できる技術者が常駐し、すべての時計の生涯修理可能性を保証しています。素材調達や製造データ、計時精度に関する情報はマニュファクチュールの知的遺産として蓄積され、ブレゲの製品が時を超えて修復可能であり続けることを支えています。

ブレゲ・シールは環境保全や社会的責任、経済的持続性の観点からも定義されています。マニュファクチュールおよびそのサプライチェーンの全体が、倫理的かつ持続可能な基準のもとで運営されており、ブレゲの時計が人と社会、地球との調和のうえに成り立つ存在であることを示しています。

クラシック 7235

【Youtube:ブレゲ250周年②の投稿が表示されます】


ブレゲ・スタイルの原点をたどると、1794年に販売された懐中時計「No.5」に行き着きます。このモデルはアブラアン‐ルイ・ブレゲの革新精神を象徴する作品であり、ブランドの美学を確立した礎です。その精神を継承する「クラシック 7235」は、250年の時を経てブレゲの理念を現代的に再定義する一本。伝統を未来へとつなぐ象徴的存在となっています。

ブレゲ No.5 
ブレゲ No.5


ブレゲという名は、人物や一族、技術を超え、独自の美学そのものを意味します。代表的なのが「ブレゲ針」で、多くのブランドに模倣されるほどの象徴です。1775年にパリで工房を構えたアブラアン‐ルイ・ブレゲは、バロック様式が主流だった時代に常識を覆す新しい時計スタイルを確立しました。装飾を排し、視認性や均整を重視したデザインは、今も時計づくりの原点とされています。その精神を受け継ぐ「クラシック 7235」は、彼の名作「No.5」に着想を得た腕時計で、特別に設計されたムーブメントを搭載する世界限定250本の特別モデルです。  

新たな自社製ムーブメント

ブレゲは「クラシック 7235」のために新たな自動巻ムーブメント、キャリバー502.3.DRLを開発しました。シリコン製ひげゼンマイを備え、厚さわずか3.95mmという極薄構造が特徴です。1794年の「No.5」も自動巻であったように、ブレゲは18世紀後半にすでに自動巻機構を発明し、「ペルペチュエル」と呼ばれる時計の父とされています。このモデルはその革新精神を現代に讃えるものです。オフセンターのローターによって構造が最適化され、ケース厚9.9mm、直径39mmという均整の取れたデザインが、時計愛好家の心を魅了します。

ブレゲが描く250年の軌跡、マグネティック・ピボット搭載「クラシック 7225/7235」登場

頂点に達した仕上げ

「クラシック 7235」の文字盤には、アブラアン‐ルイ・ブレゲゆかりのパリの地名にちなんだ「ケ・ド・ロルロージュ」模様が手作業のギヨシェ彫りで施されています。スモールセコンドやパワーリザーブ表示にも同じ模様が用いられ、サテン仕上げとの組み合わせで立体感と視認性を高めています。ムーンフェイズの月は1794年の「No.5」と同じデザインを再現し、ブレゲゴールドで製作されています。さらに傾斜をもたせた文字盤構造が薄いベゼルを実現し、ケースとの一体感を生み出しています。裏面のサファイアクリスタル越しには、ケ・ド・ロルロージュ界隈を描いた精緻な彫金装飾のムーブメントが鑑賞できます。

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ブレゲ ブティック銀座 03-6254-7211
ブレゲ ブティック伊勢丹新宿店 03-3352-1111 大代表
ブレゲ ブティック日本橋三越本店 03-6665-0143
ブレゲ ブティック阪急うめだ本店 06-6313-7863

https://www.breguet.com/jp


【Editor's View】
ブレゲの250周年は、過去の栄光を称える記念ではなく、時計の未来を見据える宣言といえます。「クラシック 7225/7235」に込められたのは、伝統を進化させる知性と、機械式時計の可能性を拡張する情熱です。マグネティック・ピボットが示す磁力の制御、ギヨシェ彫りが語る美の文法、そしてブレゲ・シールが約束する倫理的製造。そのすべてが融合し、ブレゲという名が持つ“精度の詩”を再構築しています。ブレゲは250年を経てもなお、時を計る装置を超え、人が時間と共に生きる意味を問い続ける存在なのです。

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