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ブレゲ「タイプ XX 2075」 航空へのオマージュを刻む最新作

ブレゲはその創業250周年を記念し、新作「タイプ XX 2075」2モデルを発表します。飛行の挑戦を果たしたパイオニアたちへの敬意を込めて、初の民間用フライバッククロノグラフの意匠を、ブレゲゴールドとスターリングシルバー文字盤に再構築。ブラックとシルバー925のダイヤルが、それぞれに異なる個性を放ちます。搭載されるのは5Hz高振動キャリバー728の派生型で、歴史と最先端技術が共鳴するタイムピースです。

250年の歴史を讃えるブレゲ「タイプ XX 2075」、航空と職人技が息づく2色展開

【Youtube:ブレゲ「タイプ XX 2075」の投稿が表示されます】
 

クロノグラフに搭載された「フライバック」機能は、卓越した知性と時代を切り開く精神を体現した3人の人物へのオマージュとして設計されています。ブレゲの創設者でブランド名の由来でもあるアブラアン‑ルイ・ブレゲ、彼の5代目の子孫で航空機を設計したルイ‑シャルル・ブレゲ、そして、1930年9月1日から2日にかけて、パリからニューヨークを無着陸飛行で結んだ飛行士コンビのデュドネ・コスタとモーリス・ベロンです。彼らが搭乗したブレゲ19TFスーパービドンは、大容量の燃料タンクを由来とする名称で、機体の側面には大きな疑問符が描かれていました。

新たに登場した2つのモデルは、独自のブロンド色を放つブレゲゴールドで仕立てられています。文字盤はブラックアルミニウムまたはシルバー製で、1955年に製作され、番号1780が付与された有名な「民間用」モデルを意識した意匠です。いずれもメゾンが受け継ぐ技術革新の精神を如実に映し出しています。

「これらの新しい『タイプ XX』は、オリジナルモデルの特徴を小径のケースと手巻きムーブメントで甦らせます」CEO グレゴリー・キスリング

ブレゲ、発明の代名詞となったファミリーネーム

1747年生まれのアブラアン‑ルイ・ブレゲは、時計製造における数々の進歩を実現し、歴史の節目を創出しました。その5代目の子孫であるルイ・ブレゲ(1880–1955年)もまた、高等電気学校を卒業後、航空機の製造企業を創設。複葉機や単葉機「ブレゲXIX」、爆撃機、そして長距離飛行に活用された多彩な機体を約50年にわたり開発し、空の進化に寄与しました。

ブレゲから250周年記念の「タイプ XX 2075」、飛行史と同調するタイムピース

「疑問符」付きのパリ・ニューヨーク間初飛行

1927年、チャールズ・リンドバーグが達成した大西洋単独横断飛行の直後、逆ルートとなるパリからニューヨークへの無着陸飛行の実現可能性について報道陣が尋ねた際、ルイ・ブレゲと飛行士コスタおよびベロンは、その答えを「疑問符」という形で表現しました。この記号は、ブレゲXIXスーパービドン「クエスチョンマーク号」として特別に設計された赤い機体の前方に白く描かれ、彼らはその機体で1930年にパリとニューヨークを無着陸で結ぶ飛行を果たしました。

航空界の伝説「タイプ XX」

1950年代初頭、フランス空軍は「タイプ20」と名付けられたパイロット用クロノグラフを供給できるメーカーを求め、ブレゲはその厳格な技術要件を満たすことで航空界に進出します。1952年からは、ブレゲのサインを冠するツールウォッチが登場し、空軍向け「タイプ20」、海軍航空隊向け「タイプXX」、そしてさまざまな民間用モデルが開発されました。この幅広い展開から着想を得て、ブレゲは2023年に第4世代「タイプXX」を発表。そこに加わる新たな2種が「タイプ XX 2075」として登場します。これらは、メゾン250周年を記念した重要なコレクションです。

新作の着想源となったのは、1955年に発表された金製の民間用モデルです。ブレゲ社のアーカイブによれば、このモデルの文字盤は本来サテン仕上げのシルバーであったものが、後にブラックへと変更されました。今回の「タイプ XX 2075」では、当時のデザインを忠実に再現し、ブラックのアルミニウム文字盤と、250本限定のシルバー925文字盤がラインナップされています。こうして、時代を越えた連続性が自然に繋がれていきます。

高性能ムーブメントを搭載

搭載されるムーブメントは、2023年にブレゲが導入した高性能な5Hzムーブメント「キャリバー728」の派生型です。4時位置のボタン操作により、クロノグラフのリセットと再始動を瞬時に行えるフライバック機能を備えています。

キャリバー728の派生モデルとして初めて手巻式を採用した2種類のムーブメントが登場しました。ブラックアルミニウム文字盤には3時位置に15分積算計を備えるキャリバー7279が、シルバー925文字盤には30分積算計を配置するキャリバー7278がそれぞれ搭載されています。どちらのモデルも、9時位置にはスモールセコンドを配置し、ムーブメント全体にはブレゲゴールドカラーの仕上げが施されています。

ケースの裏側から見えるムーブメントには、メゾンの熟練職人が手作業で施した繊細な彫金が広がっています。そこには1930年に大西洋を横断したブレゲXIXの飛行経路や、ヨーロッパおよび北アメリカ大陸の沿岸部が描かれ、沿岸にはフロステッド加工(ジーブル加工)が施されています。

歴史遺産を語る2つの文字盤

ブレゲは、「タイプ XX 2075」の文字盤素材にアルミニウム95%を含む合金「ジュラルミン」を採用しました。これは、航空機材としてジュラルミンの先駆者であるルイ・ブレゲの功績を称えた選択です。7時と8時の間に控えめに記された「AL」の刻印がその素材を示し、ブラックダイヤルには1955年モデルの意匠に近づけるため、酸化アルミニウム皮膜を生成する陽極酸化処理を施しています。この処理によって深みのある黒色と、航空宇宙産業に使用されるほどの高い剛性と耐食性を実現。視認性と耐久性の両立が図られました。

シルバー文字盤の「タイプ XX」には、1955年発表のモデルNo.1790の美意識がそのまま反映されています。この新モデルでは、純銀素材を用いた文字盤にブラッシュ加工が施され、上品かつ繊細な光沢が全体に漂います。素材を示す「Ag925」の記号は、7時と8時の間に控えめに刻印されており、品位を損なわないディテールへのこだわりが感じられます。また、他のモデルとの差別化として、速度計測を可能とするタキメータースケールを装備。さらに、ロゴや数字、インデックスに至るまで、全てがアプライドで配され、ブレゲゴールドを用いて精緻に形成されています。

ブレゲゴールドのケース

ケースの直径は38.3mmと、1955年モデルと全く同一のサイズを踏襲しています。厚み13.2mmのケース全体には、18Kブレゲゴールドが使用されており、この合金は「クラシック スースクリプション 2025」で初披露されました。ゴールドを主体に、シルバー、コッパー、パラジウムを加えた構成により、ブロンド調の柔らかな輝きを帯びた質感に仕上がっています。この貴金属は、目盛りとノッチが設けられたスリムな両方向回転ベゼルにも用いられ、ベゼル上の数字はブラックダイヤルモデルにはブラックで、シルバーダイヤルモデルにはブルーで刻まれています。さらに、リュウズにはブレゲのイニシャル「B」が精緻に刻まれています。

今回発表された2つの新モデルには、それぞれに対応したレザーストラップが付属しています。ストラップはインターチェンジャブル仕様で、ブラックアルミニウム文字盤にはブラックのグラデーション仕上げを施したものが、シルバー文字盤にはブルーのグラデーションが美しいストラップが組み合わされています。視覚的調和と使用感の両立を実現するアクセントとなっています。

ブレゲと航空の世界

ブレゲの名が持つ意味は、単に精巧な時計製造を指すものではありません。航空史においてもその存在感は際立っており、発明家の血を引く創業者アブラアン‑ルイ・ブレゲの五代目であるルイ‑シャルル・ブレゲは、フランス航空界を先導する存在として、数多くの功績を遺しました。

20世紀初頭、機械と空に対する情熱を携えたルイ・ブレゲは、1907年に乗員を乗せて地上から浮上可能な試作ヘリコプター、ジャイロプレーンを開発しました。これは当時としては画期的な偉業です。その後彼はブレゲ航空会社を設立し、軍民問わず幅広い航空分野で技術的進化の牽引役を果たしていきました。

第一次世界大戦の期間中、ブレゲは航空機の量産を大規模に展開し、その性能の高さが広く評価されることになります。なかでも「ブレゲ14」は伝説的な複葉機として知られ、爆撃機としての実績も有名です。戦後には、空輸を中心とした商用飛行事業に注力し、世界の新たな接続を目指して活動を広げました。

ルイ・ブレゲは先見の明と実行力に優れた人物であり、フランスの航空会社エールフランス創設にも深く関与しました。また、ヘリコプターの誕生にも大きな役割を果たしています。その名は、航空史に刻まれる数々の功績とともに、エールフランス創業期の記録と密接に結びついています。

グレゴリー・キスリングCEOは、2025年に発表される「タイプ XX」ゴールドモデルについて、1955年に初めて登場したゴールド製モデルの70周年を記念する意図があると語りました。ブレゲが当時製作した3本のうちの1本は、現在同社のミュージアムに保管されています。ケース径38.3mm、手巻ムーブメントの採用など、当時の仕様を忠実に再現した設計は、1950年代の愛好家たちの感性に応えるものです。ニューヨークでの発表が選ばれた背景には、1930年にブレゲの航空機がパリからニューヨークへの初飛行を成功させたという、歴史的事実との強い結びつきがあります。「タイプ XX」は、航空とクロノグラフの伝統を証明するメゾンの基盤的コレクションとして、今後も素材やサイズ、仕上げを多様化しながら発展していく方針です。

副社長でパトリモニー部門を率いるエマニュエル・ブレゲ氏は、メゾンが海洋時計開発ののち航空領域にも事業を広げていった歴史に触れました。創業者の子孫であるルイ・ブレゲは、自身が創設したブレゲ航空会社を通じて、第一次世界大戦における軍用機の製造などで多くの実績を挙げました。やがてこの企業はダッソーと統合され、名称から「ブレゲ」は消失したものの、その技術的革新は今もフランスの航空産業に脈々と受け継がれています。また、航空用に生まれた「フライバック機能」は現在もメゾンのクロノグラフに搭載されており、ブレゲXIXは今なおル・ブルジェ航空博物館にて展示されています。なお、エッフェル塔に刻まれた「ブレゲ」の文字は、ルイ・クレマン・ブレゲを指すものです。

詳細を見る

ブレゲ ブティック銀座 03-6254-7211
ブレゲ ブティック伊勢丹新宿店 03-3352-1111 大代表
ブレゲ ブティック日本橋三越本店 03-6665-0143
ブレゲ ブティック阪急うめだ本店 06-6313-7863

https://www.breguet.com/jp

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
         

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