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ブレゲが磨く女性の時間 「レーヌ・ドゥ・ナープル 9935&8925」250周年記念作

女性の時間は、実用と装いの境界でいちだんと豊かになる。ブレゲの「レーヌ・ドゥ・ナープル」は、その交差点に佇む名作です。250周年の節目に加わった9935と8925は、アベンチュリンやマザーオブパールの光を巧みに重ね、ブレゲゴールドの気品で輪郭を整えました。新しいブレスレットとセンターラグは、ジュエリーのしなやかさを腕元に呼び込み、日常の動きに合わせて輝きを変えます。機能を研ぎ澄ましつつ情緒を宿すアプローチは、ブレゲが長く培ってきた女性のための時計作りの核心。今、手元に宿る小さな宇宙が、装いと心持ちを静かに更新します。

【Youtube:ブレゲの投稿が表示されます】

ブレゲ・マニュファクチュールが創業250周年を迎え、「レーヌ・ドゥ・ナープル」コレクションに新たな息吹をもたらしました。今回加わったRef.9935とRef.8925は、メゾンの歴史を祝う象徴的な2モデルです。Ref.9935は新しいムーブメントを搭載し、これまでにない表示スタイルと美しい意匠を備えています。一方のRef.8925は、全体をオールゴールドで仕上げたブレスレットをまとい、繊細さと華やかさを併せ持つ新しいフェイスデザインを採用しました。ブレゲゴールドが初めてケースとブレスレットに採用されたことも大きな特徴です。ジュエリーのような輝きを放つこの新作は、日常のあらゆるシーンに寄り添いながら、現代の女性が求める優雅さと機能性を両立しています。歴史を継承しながらも進化する姿勢は、250年を超えるブレゲの信念そのものといえるでしょう。

「レーヌ・ドゥ・ナープル」コレクションの原点は、1810年から1812年にかけて制作されたナポリ王妃カロリーヌ・ミュラのための時計に遡ります。皇帝ナポレオン1世の妹であり、芸術への深い造詣を持っていた彼女は、ブレゲの作品を数多く所有する愛好家でした。現存する設計図は失われていますが、ケ・ド・ロルロージュの工房に残された記録からは、ふたつの特徴が浮かび上がります。ひとつはエレガントな楕円形のフォルム、もうひとつは「腕に着けるために作られた時計」であったという点です。すなわち、これは腕時計の概念がまだ確立していなかった時代に、初めて腕に装うことを目的にデザインされた歴史的な作品でした。
 
ブレゲは、このように女性たちとの深い関わりを通して築かれてきた歴史を改めて称えています。創業以来、メゾンは女性のためのタイムピースを生み出し続け、世界初の腕時計から伝説の懐中時計「マリー・アントワネット」に至るまで、時代を超えて美と機構を融合させてきました。その系譜に連なる「レーヌ・ドゥ・ナープル」は、女性の感性を中心に据えたブレゲの精神を象徴しています。今回のRef.8925とRef.9935には、250周年の節目にふさわしく新しいブレスレットが特別にデザインされ、伝統の技巧と現代の洗練が調和した姿に仕上げられています。

レーヌ・ドゥ・ナープル 9935、レディスウォッチの新たなフェイス

250周年記念モデル「レーヌ・ドゥ・ナープル 9935」は、ブレゲが築いてきたフェミニンな芸術性の集大成といえる作品です。今回登場したのは4種類のモデルで、いずれもアニバーサリーイヤーを刻む特別な刻印を施しています。華麗でありながら知的なムードを漂わせるその佇まいは、ブレゲが長年培ってきた技術と美学の融合を示す象徴です。単なる記念モデルにとどまらず、女性の感性を軸にした時計づくりの未来を示す存在として、新しい世代のコレクターをも惹きつけるでしょう。

新作の開発にあたり、ブレゲは既存のケースデザインを踏襲しつつ、ムーンフェイズ表示を拡大させた新型ムーブメントを採用しました。これにより、「レーヌ・ドゥ・ナープル」では初めてパワーリザーブ表示を排した構成となり、時、分、スモールセコンド、そしてムーンフェイズに機能を集約。結果として、よりすっきりとしたフェイスバランスが実現しました。機能の削減ではなく、詩的なムーンフェイズの存在感を際立たせるための美的選択です。技術革新をデザインの一部として捉えるブレゲならではの哲学が、ここにも息づいています。

パワーリザーブ表示を外したことで、ムーンフェイズの存在感は一層強調されました。ダイヤルには、ゴールド製のブレゲ数字の間にペアシェイプのダイヤモンドインデックスが6個配され、光を反射しながらリズミカルに輝きます。このインデックス構成は「レーヌ・ドゥ・ナープル」では初の試みです。優雅さの中に遊び心を添えるこの新デザインは、ジュエリーとしての魅力を高めると同時に、時を読むという行為に詩的な瞬間を与えています。フェミニンでありながら知性を感じさせるこの仕上がりは、現代女性のライフスタイルと自然に調和します。

ケースバックには、ブレゲゴールド仕上げのプラチナ製ローターが覗くサファイアクリスタルが採用されています。中心には「BREGUET 250 YEARS」の刻印が施され、記念モデルであることを強調しています。さらに、特別なアニバーサリーモデルのために新たにデザインされたギヨシェ装飾「プチ・トリアノン」模様が初めて登場しました。サファイアクリスタルの縁を囲むように手彫りの「ケ・ド・ロルロージュ」模様が刻まれ、手仕事による温度が伝わる仕様です。この細やかな装飾こそが、ブレゲの時計が単なる機械ではなく、芸術作品として語り継がれていく理由といえます。

新しい顔立ちを強調するため、ブレゲはRef.9935に3種類のダイヤルをデザインしました。最大の特徴は、ブレゲゴールド製ケースに2層構造の文字盤を組み合わせた点です。上層部にはアベンチュリンガラスが配され、このガラスが誕生した起源には長い歴史が息づいています。星屑を閉じ込めたようなアベンチュリンの煌めきが、時の流れを幻想的に照らし出します。時計としての精度に加え、装飾の美を芸術的領域へと昇華させたこの選択は、ブレゲが“時を纏う芸術”をいかに理解しているかを物語っています。

アベンチュリンガラスの誕生には、詩のような偶然が秘められています。17世紀のムラーノ島で、あるガラス職人の家系が溶けたガラスに誤って銅の結晶を落としたことから、星屑のようにきらめく独特のガラスが生まれました。その名の語源はイタリア語の“a ventura”(偶然に)であり、予期せぬ瞬間から生まれた奇跡の輝きを象徴しています。ブレゲはこの伝承を現代に引き継ぎ、ブルーアベンチュリンガラスを用いたモデルを創出。偶然のきらめきを制御された美へと昇華させ、メゾンの精緻なクラフツマンシップを感じさせるフェイスに仕上げました。

ブレゲは、アベンチュリンガラスが持つ自然な輝きをさらに立体的に表現するため、その下層にタヒチ産マザーオブパールの薄板を重ねました。この組み合わせによって、光の角度や時間帯によって表情を変える複層的な光景が生まれます。朝の穏やかな光では透明感が際立ち、夜の照明の下では深いブルーの中に銀河のような輝きが浮かび上がる。この幻想的な演出は、ブレゲが時計という実用品に芸術性を宿すことを目指している証といえます。

マザーオブパールの持つ虹彩のような輝きが、銅の粒子が散るブルーアベンチュリンガラスと融合することで、文字盤には夜空を切り取ったような幻想的な光景が現れます。そこにムーンフェイズが加わることで、時計の中に小さな宇宙が生まれるかのようです。日常を彩る装飾としてだけでなく、時を刻むごとに移ろう光を眺める行為そのものが、詩的な時間体験として完成されています。

「レーヌ・ドゥ・ナープル」の新作では、わずかに丸みを持たせた月がホワイトマザーオブパールで象られ、その白い輝きを際立たせるためにブルーアベンチュリンガラスのディスク上に配置されています。特筆すべきは、その月の内側に潜む繊細な意匠です。透けるようなマザーオブパールの下には、白で転写された月の顔が隠されています。これは、所有者だけが気づくことのできる小さな秘密。ブレゲの職人たちが生み出す、見る者との対話を生むような親密な仕掛けが、このモデルの特別な魅力を際立たせています。

ブレゲ「レーヌ・ドゥ・ナープル 9935&8925」誕生 アニバーサリーが導くフェミニン美学の最前線

ブレゲゴールドを初めて採用した「レーヌ・ドゥ・ナープル 9935」のケースは、6時位置にセンターラグを備え、その丸いラグにはスノーセッティングのダイヤモンドがあしらわれています。光を吸い込み、雪の結晶のように輝くこの装飾が、アニバーサリーモデルに相応しい華やかさを添えています。また、新しいブレスレットのデザインはこのラグのフォルムから発想されており、全体として流れるような統一感をもたらしています。

ブレスレットのフォルムは、コレクションの象徴であるオーバルケースと呼応するようにデザインされ、ナポリ王妃カロリーヌ・ミュラが愛した真珠のモチーフにも通じています。手首に自然に沿うしなやかな構造は、エレガンスと快適性を両立。さらにブティックでミリ単位の長さ調整が可能で、着用者それぞれに完璧なフィット感をもたらします。クラスプはブレスレットと一体化した構造で、外側から金具が見えない仕上がり。ジュエリーとしての完成度を高めながら、ブレゲらしい機能美を保っています。

今回登場したブレスレットモデルは2種類。ひとつはホワイトマザーオブパール文字盤を持つモデルで、もうひとつはブレスレット全体にパヴェダイヤモンドを敷き詰めた眩い一本です。総計1387個のダイヤモンドとブルーサファイア1石、合計5.2カラットを使用し、光を纏う彫刻のような存在感を放ちます。また、ブルーアベンチュリンガラスのモデルにはサテン調のブルーアリゲーターストラップを、ホワイトマザーオブパールモデルにも同色のアリゲーターストラップを採用。統一感のある色使いが、静謐で知的な印象を生み出しています。

レーヌ・ドゥ・ナープル 8925、ミニマリズムというシグネチャー

創業者アブラアン-ルイ・ブレゲが18世紀末に確立したデザイン哲学は、「明快さと視認性」を核に据えたものでした。その理念を今に受け継ぐRef.8925は、自動巻きで時分表示のみを備え、装飾を最小限に抑えた端正なフェイスが特徴です。ベゼルには37から41個のダイヤモンドが密に配され、華美さよりも繊細な光の連なりで女性の手元を包みます。ブレゲゴールド製のブレスレットとセンターラグには、スノーセッティングのダイヤモンドが施され、クラシックな構造に現代的な華やぎを添えています。

新作「レーヌ・ドゥ・ナープル 8925」は、3種類の文字盤バリエーションを展開します。なかでもホワイトマザーオブパールを用いたモデルは、自然の光が作り出す柔らかなグラデーションが魅力です。オフセンターダイヤルには、ギヨシェ彫りの「ケ・ド・ロルロージュ」模様を施したベースがあり、その上にゴールド製のブレゲ数字が並びます。手仕事が生み出す繊細な陰影が、時の流れに表情を与え、クラシックな優雅さを現代的な感性で再定義しています。

250周年の答え ブレゲが示す「レーヌ・ドゥ・ナープル」新章 9935と8925に宿る時のエレガンス

ブレゲゴールドで全体を貫くもう一つの顔つきが用意されました。ケースのフルート装飾、オーバルのラインを受け止める新ブレスレット、サンバーストのきらめきに繊細なギヨシェを重ねたオフセンターダイヤルまで、素材の温度と光の方向性が一体で響き合います。質感の統一は見た目の豪奢さに留まらず、視認性やコーディネートの自由度にも寄与します。ここで感じられる価値は、場面を選ばず優雅さを保つこと。一本で昼夜を横断したい人にとって、有力な定番となるはずです。

対照的な第三の提案は「コントラスト」を前面に据えています。細密なギヨシェを刻んだゴールドのチャプターリングに艶やかなブラックラッカーを合わせ、上部には星の粒を閉じ込めたようなブラック・アベンチュリンを配置。光と影の境目をあえて強調することで、時間表示の領域が凛と浮かび上がります。3つのバリエーションはいずれも12時位置、ロゴの上にペアシェイプのダイヤモンドを配し、視線の導線を落ち着かせるアクセントとして機能します。

ナポリの女王について

1812年、カロリーヌ・ミュラがアブラアン-ルイ・ブレゲから腕に装うための時計を受け取った時代背景に目を向けると、兄ナポレオン1世が皇帝としてヴェルサイユの空間を更新していたことがわかります。彼は自らの時代性を刻印するかのように多くの改修を計画し、特にグラン・トリアノンを好んで整えました。宮廷文化の改変が進む只中で、細長いフォルムを持つ腕時計は誕生しています。歴史の転換点と響き合うその造形は、今の「レーヌ・ドゥ・ナープル」にも静かに受け継がれています。

ヴェルサイユにおいて建築と同等の意味を持つのが庭の存在です。どの部屋からも眺めの中心に庭があり、木工装飾や絵画、彫刻のモチーフにも影響を与えました。ブレゲはこの遺産に敬意を示し、新モデルのローターに刻むギヨシェの開発で、その美意識を手仕事に落とし込みました。18世紀に宮廷御用の時計師となった経緯や、2008年のプチ・トリアノン全面改修に寄せた支援も、その連続性を物語ります。過去の教養が現在のクラフツマンシップに結びつく、その象徴がムーブメントの隠れた面に息づいています。

ブレゲが磨く女性の時間 「レーヌ・ドゥ・ナープル 9935&8925」ダイヤルの物語とブレスレットの芸術

CEO グレゴリー・キスリングのコメント(要約)

ブレゲにおける「レーヌ・ドゥ・ナープル」の特別性は、創業初期から女性の時間のために発想し続けてきた歴史に根差します。1810年には女性のために腕に装うことを前提とした時計が生み出され、メゾンでもっとも複雑な機構を備えた作品の例にも女性の存在が刻まれています。女性が常に中心にあったという事実は、20年以上続く専用コレクションの存在にも表れています。今回の新生コレクションで目指したのは、朝から夜まで気負わず身につけられる、ジュエリーと時計の融合。ブレスレットという発想は装飾にとどまらず、手首の所作に連動して輝きが変化することで、フェミニンで現代的な表情を引き出す核になりました。共通のセンターラグは楕円ケースの延長としてブレスレットの初動パーツを担い、カロリーヌ・ミュラが愛した真珠を思わせる輪郭を帯びます。スノーセッティングは熟練の手でダイヤモンドを緻密に留め、一面の光のヴェールを形成。手作業ゆえに一体ごとに個性が宿り、唯一無二の魅力が生まれます。

副社長・パトリモニー部門責任者エマニュエル・ブレゲのコメント(要約)

名称「レーヌ・ドゥ・ナープル」は、熱心な顧客であったナポリ王妃カロリーヌ・ミュラへの敬意に由来します。彼女は若くしてブレゲに出会い、懐中時計や置時計を含む多数の作品を購入した存在で、一族のみならずナポレオン1世やその兄弟姉妹、皇后ジョゼフィーヌへも顧客の輪は広がりました。初の腕時計に関しては、製造台帳No.2639に記録が残り、1810年に製作開始、1812年に完成。細長いケースのリピーターで、アンクル脱進機や温度計、髪の毛とゴールドを撚り合わせたブレスレットが組み合わされていました。王妃の時計そのものは19世紀半ばを最後に足取りが途絶え、1849年と1855年にケ・ド・ロルロージュで修理された記録を最後に所在不明です。現在も子孫が探索を続けており、歴史的な精密時計が再び姿を現す可能性は開かれています。


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ブレゲ ブティック銀座 03-6254-7211
ブレゲ ブティック伊勢丹新宿店 03-3352-1111 大代表
ブレゲ ブティック日本橋三越本店 03-6665-0143
ブレゲ ブティック阪急うめだ本店 06-6313-7863

https://www.breguet.com/jp


【Editor's View】
「レーヌ・ドゥ・ナープル 9935&8925」が強く印象づけるのは、ダイヤルの情緒とブレスレットの実用美を等価に置く姿勢です。アベンチュリンやマザーオブパールのレイヤーは詩情を生み、ブレゲゴールドの統一は装いに安定感を与えます。ひとつの言語で昼夜や場面を横断できることは、現代のライフスタイルにおいて大きな利点です。物語性と使い勝手が穏やかに両立することで、手元は気分の拠り所になる。ブレゲが長年紡いできた女性のための時間作りは、今回さらにしなやかな完成度に達したと感じます。

 

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