2025.09.21
カテゴリ: 新作
ブレゲが夜の地球を時計に映し出す精緻な世界、新作「マリーン オーラ・ムンディ5555」50本限定で登場
250年という時の重みを、年数の数字として受け取るのではなく、その年月を通して育まれた技術と哲学として感じさせてくれるタイムピースがあるとすれば、ブレゲの「マリーン オーラ・ムンディ 5555」はまさにその体現といえます。発光エナメルで描かれた地球の夜景が文字盤に広がり、世界を旅するような感覚を呼び起こします。ただ正確な時を刻むだけでなく、過去と未来をつなぐ意志を手元に宿すようなこの時計は、クラフツマンシップの極みと詩的な情緒が重なり合う芸術品と呼ぶにふさわしい存在です。
ブレゲが創業から250年を迎える節目に発表したのが、世界限定50本となる「マリーン オーラ・ムンディ 5555」です。このモデルでは、NASAが提供する地球の夜景画像《ブラック・マーブル》にインスパイアされ、文字盤全体を宇宙から見た夜の地球に見立てた構造が採用されています。二層のギヨシェ彫りとサファイアクリスタルによって立体感と深みを加え、視覚的な奥行きが生まれています。また、発光性の新素材を用いたエナメルダイヤルと、初採用となるブレゲゴールドが織り成す光と影の表現が、現代のラグジュアリーウォッチにおける革新の方向性を示しています。24都市の表示は、ユーザーごとにカスタマイズが可能で、個人の旅の記憶を刻むような存在にもなり得ます。
「マリーン オーラ・ムンディ 5555」の顔ともいえる文字盤は、三層に分かれたエナメル技法によって丁寧に描かれています。まずは文字盤の裏面に反転された大陸がグラン・フー・エナメルで焼成され、続いて雲のレイヤーが加えられることで、構図に流動的な表情が生まれます。そして最終段階では、都市の灯りを模した発光エナメルが重ねられ、夜の世界地図が詩的に浮かび上がります。これらの工程は熟練の職人による手仕事であり、伝統的な技法と革新的な発光素材が融合することで、時計のフェイスがまるで地球を写した小宇宙のような趣を醸し出しています。
このモデルが放つ魅力について、ブレゲCEOグレゴリー・キスリング氏は「ボタンひとつで世界の時間が切り替わる仕組みは、従来のGMTを超える体験である」と語ります。さらに今回のデザインでは、大陸の選択をあえて制限し、ヨーロッパを中心としたクラシカルな地図構成を採用。この構成は、グリニッジの本初子午線へのオマージュでもあり、発表の地としてロンドンが選ばれたのは、ブランドにとって象徴的な意味を持っています。「オーラ・ムンディ」という名称はラテン語で「世界の時間」を意味し、今やブレゲの世界観を象徴するモデル名として定着しつつあります。
副社長であるエマニュエル・ブレゲ氏は、このモデルの精神的な出発点を、創業者アブラアン-ルイ・ブレゲの国際的な視野に見出しています。19世紀初頭には既に、彼の時計はヨーロッパをはじめアメリカにまで広がっており、その進取の精神がこの「オーラ・ムンディ」の基盤になっているという考えです。一般的なGMTウォッチが2つの時刻を並列に表示するのに対し、このモデルではユーザーが感覚的に2都市間の時間を把握できるよう、視覚と構造が精密に設計されています。ブレゲは18世紀から英国王室や科学者にも支持されており、その歴史的背景が今も製品に息づいています。
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https://www.breguet.com/jp
【Editor's View】
「マリーン オーラ・ムンディ 5555」は、ブレゲが持つ芸術性、革新性、そして旅という人類普遍のテーマへの深い共感が凝縮された一作です。夜の地球を象った文字盤には、世界を旅し続けるという願いや敬意が込められており、都市の灯りひとつひとつが記憶や物語を象徴しているかのようです。感性の高いユーザーにとって、この時計は時間を知る道具ではなく、時間そのものと詩的に向き合うための媒体となるでしょう。ブレゲが培ってきた伝統と、未来を見据えた創造力が重なり合うことで、「時をまとう」という行為の意味が、あらためて豊かに響いてきます。
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