 
                                2025.11.01
カテゴリ: イベント
吉田カバン 登録有形文化財「沼津倶楽部」でLUGGAGE LABELが伝統と旅をめぐる企画展を開催
旅という行為は、出発と到着のあいだにある「時間の揺らぎ」を味わうことにあるのかもしれません。吉田カバンのブランド「LUGGAGE LABEL」が、登録有形文化財・沼津倶楽部で開催する企画展「旅籠 温故知新 - Wen old wisdom new -」は、そんな旅の本質を静かに問いかけます。柿渋染めの温もり、藍染の深み、竹のしなやかさ。それぞれが自然と職人の手によって紡がれた鞄は、時間と共に育つ存在として展示されます。旅の途中で立ち止まり、手仕事の美しさに触れるこの体験が、再び歩み出す力を与えてくれるでしょう。

吉田カバンのブランド「LUGGAGE LABEL」は、静岡県沼津市の登録有形文化財「沼津倶楽部」にて、企画展「旅籠 温故知新 - Wen old wisdom new -」を2025年11月1日(土)から11月24日(月)まで開催します。この展示は、旅という時間のあり方を改めて見つめ直し、モノと人の関係性を再考するきっかけを提案するものです。

本展では、「温故知新」をテーマに発表されてきた3つのシリーズが一堂に集結します。なかでも注目は、伝統的な染色技法「柿渋染め」を用いた「OLDNEW」。染色や乾燥、収穫といった工程をインスタレーションとして構成し、職人の手仕事が放つ静かな力と、沼津倶楽部の建築に宿る時の質感が呼応します。素材が対話するように響き合う空間で、日本のクラフト文化の深みを体感できる内容です。
展示空間は、まるで鞄が染まり形を成していく過程をそのまま建築に映したかのようです。富士川の土や石を積み上げた版築壁が光を受けて陰影を生み、そこに職人の手が重ねた素材の息づかいが映ります。鞄と建築という異なる領域のものづくりが共鳴するこの展示では、手の痕跡が生み出す造形の美を五感で味わうことができます。



かつて旅人が集い、休息を取り、次の目的地へ向かった「旅籠(はたご)」の文化を、LUGGAGE LABELと沼津倶楽部は現代に置き換えています。旅籠は単なる宿泊施設ではなく、旅人同士が交流し、新たな旅を紡ぐ場でした。本展示はその精神を受け継ぎ、旅の時間に潜む静けさと変化を見つめ直します。旅を通じて人とモノの関係が深まっていく感覚を、空間全体で表現しています。
沼津倶楽部は、旅人にとって「旅の途中の宿」として新たな価値を提案します。この展示期間、訪れる人はLUGGAGE LABELの鞄と出会い、旅をともにすることでモノが記憶を重ねていく過程を体験できます。手仕事から生まれる温もりある鞄が、旅人の次なる目的地へと寄り添う存在となり、旅という行為をより豊かな時間へと導きます。


「手仕事」の根源にある力強さを投影するインスタレーション
メイン会場である別邸ロビーと水盤では、柿渋染めによる「OLDNEW」シリーズの制作過程を映像インスタレーションで再現します。真白なバッグが、職人の手によって柿渋液に浸され、天日で乾かされていく工程を通じて、自然と時間が織りなす深い色味が生まれます。来場者は、染料が変化する呼吸のようなリズムを体感しながら、手仕事がもたらす生命力を感じ取ることができます。
ブランド初「温故知新」をテーマにした3シリーズが一堂に会する展示販売
沼津倶楽部を堪能できる「日帰り旅」を提供
LUGGAGE LABELとして初の単独企画展となる本展では、2023年の「OLDNEW」、2024年の「TRUE BLUE」、そして2025年に登場した新作「FILAMENT」が一堂に会します。これらはすべて「温故知新」という思想のもとで制作されたコレクションであり、伝統技術の再解釈を通じて現代的なデザインへと昇華させています。過去と未来をつなぐこの展示は、ブランドの哲学を最も純粋な形で体現しています。
LUGGAGE LABELの鞄は、専門の職人が手作業で仕上げるため、年に限られた数しか生産されません。その希少なプロダクトが一堂に並ぶ本展では、訪れた人が実際に手に取り、革や布の質感を確かめながら、これからの旅の相棒を選ぶことができます。ものづくりの過程を体験することで、鞄が生まれる背景と、その一つひとつに込められた時間の重みを感じられる特別な機会となります。


購入者には、登録有形文化財「茶亭」の昭和の間に設けられた特別なライブラリーの利用特典が用意されています。旅をテーマにした書籍が並び、静かな空間で次の旅を思い描く時間を過ごせます。また抽選で、富士の湧水を使った人工温泉や岩盤浴、サウナを備える沼津倶楽部のスパ体験も招待特典として提供されます。この滞在そのものが旅の延長線となり、鞄と共に思い出を連れて帰るひとときとなるでしょう。


OLDNEW(オールドニュー)
古来より日本人は自然と共に生き、その知恵を暮らしの中に取り入れてきました。柿渋染めもそのひとつで、防水や防腐の機能を持ち、時代を超えて受け継がれてきた素材です。LUGGAGE LABELの「OLDNEW」は、この柿渋染めを現代の感性で再構築したシリーズです。職人が真白なバッグを一つずつ染め上げ、天日で乾かす作業を繰り返すことで、唯一無二の風合いが生まれます。時間を重ねて色が深まり、使う人と共に育つ“循環する美”を体現したコレクションです。

TRUE BLUE(トゥルーブルー)
「TRUE BLUE」は、日本の伝統的な染色技法「天然藍灰汁発酵建て」による藍染を用いたシリーズです。麻糸や植物タンニンなめしの牛革、鹿のツノなど、自然の恵みを素材に、すべてがやがて“土に還る”構成となっています。染師が幾度も染めと乾燥を重ねることで生まれる透明感のある深い藍は、まるで自然の呼吸を映し取ったような美しさです。過去と未来をつなぐ“循環”の思想が宿るこのシリーズは、手仕事の原点を静かに語りかけます。

FILAMENT (フィラメント)
最新作「FILAMENT」は、日本文化の根底にある“竹”に着目したシリーズです。焼きを施した竹のハンドルは手に馴染み、鞄の重みで自然に口が閉じる構造を持ちます。竹の強さと柔軟性を生かしながら、真鍮の金具や柔らかなレザーを組み合わせることで、現代的な機能美を追求しました。成長が早く再生可能な竹を用いたこのシリーズは、自然と共存する日本的な感性を現代に再定義しています。
作品を見ながら味わう、茶屋 「数寄餅」
展示を訪れる人々には、沼津倶楽部の歴史を感じる甘味「数寄餅(すきもち)」がふるまわれます。この菓子は、建物を建てた三輪善兵衛の風流精神を受け継ぎ、四季の移ろいと場所の記憶を表現しています。宿泊やレストランの利用がなくても楽しむことができ、茶亭に漂う静けさとともに、五感で味わう沼津倶楽部の“今”を感じられるひとときです。
イベント詳細
タイトル:「旅籠 温故知新」
日 程:2025年11月1日(土)〜2025年11月24日(月)
時 間:14:00〜18:00 ( 最終入館 17:30 )予約不要 入場料:1800円(茶屋メニュー「数寄餅」1500円込)
会 場:沼津倶楽部 別邸
住 所:静岡県沼津市千本郷林1907-8
※入場料、物販の販売については「現金不可」、交通系IC・クレジットカード・QRコード決済が対象となります。
沼津倶楽部について
千本松原の庭園に佇む沼津倶楽部は、明治の香りを残す「茶亭」と建築家・渡辺明氏による「別邸」で構成されています。わずか8室の客室は、水盤越しに松林と富士の伏流水を望む贅沢な空間。レストランでは、齋藤宏文氏監修によるモダンチャイニーズが提供され、駿河湾や伊豆の海の幸を繊細かつ力強く仕上げています。文化財の趣と現代の感性が調和するその空間で、豊かな時間を味わえます。
沼津倶楽部ウェブサイト
https://numazu-club.com/
沼津倶楽部 Instagram
https://www.instagram.com/numazuclub_official
沼津倶楽部ギャラリー Instagram
https://www.instagram.com/numazuclub_gallery/
株式会社イマトギ Instagram
 https://www.instagram.com/imatogi_official/
LUGGAGE LABEL official Instagram
https://www.instagram.com/luggagelabel_official/ 
吉田カバンHP
https://www.yoshidakaban.com/
【Editor's View】
「旅籠 温故知新」は、LUGGAGE LABELが旅と手仕事の関係を現代に問い直す展示です。柿渋や藍、竹といった自然素材を通じ、伝統が未来へと循環していく日本的美意識を表現しています。沼津倶楽部の建築と鞄、そして人の時間が交差するこの空間は、“旅するものづくり”という思想を体現しています。時間を重ね、風合いを増す鞄のように、訪れる人の記憶にも静かに残る体験となるでしょう。
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