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「永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル ― ハイジュエリーが語るアール・デコ」展が、東京都庭園美術館にて開催中

ジュエリーはときに、時代そのものを映し出す鏡となります。パリ・ヴァンドーム広場にルーツを持つヴァンクリーフ&アーペルが、アール・デコ博覧会100周年を記念して東京都庭園美術館で展覧会を開催。旧朝香宮邸という歴史的空間を背景に、約250点におよぶ作品と約60点の資料が、メゾンの美意識とクラフツマンシップを静かに物語ります。アール・デコの時代が現代に語りかけるこの機会は、宝飾芸術が持つ永遠性と創造性の核心に触れるひとときとなるでしょう。

ヴァンクリーフ&アーペルが語るアール・デコの詩情、東京都庭園美術館にて特別展開催 会場風景 東京都庭園美術館 本館 大食堂

会場風景 東京都庭園美術館 本館 大食堂

ヴァンクリーフ&アーペルは、アルフレッド・ヴァン クリーフとエステル・アーペルの結婚を起点に1895年に誕生しました。1906年にはパリ・ヴァンドーム広場22番地に初のブティックを構え、詩的なデザインと革新を重ねた技術によって、長年にわたり高い評価を築いてきました。


本展は、1925年の「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」(アール・デコ博覧会)から100年を迎えることを記念したものです。ヴァンクリーフ&アーペルは当時、宝飾部門に複数の作品を出品し、グランプリを受賞。その中でも、1924年作《絡み合う花々、赤と白のローズ ブレスレット》は、本展でも公開される代表的な作品です。アール・デコの時代精神が息づくこのブレスレットは、メゾンの芸術的ビジョンを物語る重要な存在といえるでしょう。展示の舞台となる東京都庭園美術館は、アール・デコ様式を受け継ぐ旧朝香宮邸に位置し、当時の芸術潮流と深い共鳴を見せています。

展示は4章構成で進行し、ヴァンクリーフ&アーペルの歴史的価値を持つ「パトリモニー コレクション」、個人所蔵の貴重なジュエリーや時計、工芸品など約250点に加え、アーカイブ資料約60点が並びます。本館では、第1章「アール・デコの萌芽」から始まり、第2章「独自のスタイルの発展」、第3章「モダニズムと機能性」へと続き、1910年代から30年代にかけてのデザインの変遷を辿ります。新館では第4章「サヴォアフェールが紡ぐ庭」が展開され、ミステリーセットや宝石彫刻など、現代にも受け継がれるメゾンの技が紹介されます。

ヴァンクリーフ&アーペルが語るアール・デコの詩情、東京都庭園美術館にて特別展開催 第1章 アール・デコの萌芽 会場風景 東京都庭園美術館 本館 大客室第1章 アール・デコの萌芽 会場風景 東京都庭園美術館 本館 大客室

ヴァンクリーフ&アーペルが語るアール・デコの詩情、東京都庭園美術館にて特別展開催 第2章 独自のスタイルへの発展 コルレット 1929年第2章 独自のスタイルへの発展 コルレット 1929年

第3章 モダニズムと機能性 会場風景 東京都庭園美術館 本館 合の間

第4章 サヴォアフェールが紡ぐ庭 会場風景 東京都庭園美術館 新館

この展覧会はアール・デコ博覧会100周年という節目にふさわしく、芸術運動としてのアール・デコがヴァンクリーフ&アーペルにどのような影響を与えたかを再発見する機会を提供します。多様な美の在り方を通じて、メゾンの創造性と継承の軌跡を照らし出します。


東京都庭園美術館(旧朝香宮邸) について

ハイジュエリーとアール・デコの邂逅、ヴァンクリーフ&アーペルの展覧会が東京で開幕東京都庭園美術館は、1933年に朝香宮邸として建てられた建物を美術館として活用した施設です。戦後には政府関連の施設として使用され、1983年に美術館として新たな命を得ました。本館は、1910年代から30年代にかけて欧州を中心に広がったアール・デコ様式を今に伝える希少な建築物であり、その存在自体が展覧会と響き合います。

東京都庭園美術館で出会う、ヴァンクリーフ&アーペルとアール・デコの100年の美学朝香宮夫妻は1922年から約3年間をパリで過ごし、1925年のアール・デコ博覧会にも足を運んでいます。帰国後、邸宅建設に際し、博覧会の展示空間を手がけたアンリ・ラパンに主要な部屋の内装を依頼。さらに、ガラス工芸家ルネ・ラリックをはじめとする芸術家の手を借りて、当時のアール・デコの粋を反映した空間を完成させました。現在でも当時の意匠がほぼ完全に残されており、時代を体感できる建築としてその価値を保ち続けています。

芸術と技の軌跡を辿る、ヴァンクリーフ&アーペル展が東京都庭園美術館でスタート展覧会概要

会期:2025年9月27日(土)–2026年1月18日(日)
開館時間:10:00–18:00(入館は閉館の30分前まで)
※11月21日(金)、22日(土)、28日(金)、29日(土)、12月5日(金)、6日(土)は夜間開館のため20:00まで開館(入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週月曜日および年末年始(12月28日–1月4日)
※祝日の月曜日(10月13日、11月3日、24日、1月12日)は開館、翌日の火曜日(10月14日、11月4日、25日、1月13日)は休館

会場:東京都庭園美術館
住所:〒108-0071 東京都港区白金台5-21-9 
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
※本展は日時指定予約制です。ご来館前に展覧会特設サイトよりチケットをご購入ください。

展覧会特設サイト:https://art.nikkei.com/timeless-art-deco/


【Editor's View】
ヴァンクリーフ&アーペルとアール・デコの交錯は、時代を映し出す背景としてだけでなく、デザインとクラフツマンシップが呼応し合う芸術的対話として描かれています。本展では、その対話が100年の時を超えて再び蘇り、ファッションと美術の領域を超えた深い没入体験を提供します。旧朝香宮邸という歴史的建築を舞台に、メゾンのジュエリーが語る物語は、過去と現在、そして未来をつなぐ創造の連なりを静かに示しています。時を超えて輝く名品の数々が、観る人に新たな美意識と感性の発見をもたらしてくれるでしょう。

















 

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