2025.08.19
カテゴリ: 新作
ヴァン クリーフ&アーペルが新作発表、妖精と果実が彩るアートウォッチ「ペルレ エクストラオーディネールフリュイ アンシャンテ ウォッチ」
詩情豊かなタイムピースで知られるヴァンクリーフ&アーペルから、幻想的な新作ウォッチが誕生しました。果実や妖精といった自然界のモチーフをエナメルやミニアチュール、彫刻といった高度なメティエダールの技法で再解釈。芸術作品のように仕立てられたその時計たちは、日常に優美な夢の断片を添えてくれます。時間を測るという実用性にとどまらず、詩を身にまとうような感覚を与えてくれる逸品は、ラグジュアリーを超えたエモーショナルな体験を求める女性たちの心を静かに惹きつけてやみません。
2025年8月、ヴァン クリーフ&アーペルは、ブランドの長い歴史の中で大切にされてきた「自然の生命力」へのオマージュとして、2本の新作ウォッチを発表しました。瑞々しく咲き誇る自然の美しさをテーマにしたこの新作は、メゾンの詩的な世界観と高度な職人技を融合させた意欲作です。
ペルレ コレクションの洗練された美的感覚と、精緻なメティエダール(伝統工芸)の技術が一体となることで誕生したのが、「ペルレ エクストラオーディネール フリュイ アンシャンテ ミルティーユ&フランボワーズ ウォッチ」です。丸く熟した果実が太陽の光を受けて輝く様子を、立体感のあるファソネ エナメルで再現し、ロマンティックな世界を表現。装飾は華麗なラウンドケースに収められ、視線を奪う存在感を放ちます。
ペルレ エクストラオーディネール フリュイ アンシャンテ
ミルティーユ&フランボワーズ ウォッチ


ゴールドビーズで縁どられたケースの内側には、今にも摘み取れそうなほどに豊かに実った果実が描かれています。その艶やかな質感と曲線美は、2023年にメゾンが独自に開発したファソネ エナメルの技術によって生み出されたものです。果実のそばには繊細に描かれた葉が添えられ、ミニアチュール ペインティングの技法により、森の中の情景を思わせるゴールドの背景と見事に調和しています。
まるで物語の一場面のようなこの文字盤には、ローズゴールドまたはホワイトゴールドで造形された2体の妖精が登場します。ブランドのアイコンともいえるこれらの妖精は、時を超えて戯れるように優雅な姿を見せ、羽にはダイヤモンドがあしらわれています。煌めく宝石がケースを照らし、幻想的な世界をさらに引き立てます。裏蓋には、それぞれのモデルに合わせて、フランボワーズにはてんとう虫、ミルティーユには蝶の繊細な彫刻が施されており、細部にまで物語性が込められています。
サヴォアフェールの融合

時間をアートへと昇華させるために不可欠なのが、ヴァン クリーフ&アーペルの誇るメティエダールの精神です。メゾンは、ジュネーブの自社工房内にあるエナメル部門や専門学校を通じて、卓越したクラフツマンシップを継承し続けています。高度な技術と感性の蓄積によって、一つひとつのタイムピースに詩情が宿るのです。
「ペルレ エクストラオーディネール フリュイ アンシャンテ」シリーズでは、彫刻を施したゴールドの上にエナメルを重ねることで、特有の質感と奥行きが表現されています。光と影のコントラストが生み出す視覚効果により、文字盤にはまるで立体的な小さな絵画のような魅力が広がります。素材と技法の絶妙な組み合わせによって、見る者の心を惹きつけるタイムピースへと昇華されています。
ファソネ エナメル:
ヴァン クリーフ&アーペルのイノベーション


ヴァン クリーフ&アーペルは、伝統的な手仕事にとどまらず、革新を恐れずにエナメル技術の開発へと挑み続けてきました。その成果の一つが、高浮彫を想起させるこの立体的な装飾です。いずれのタイムピースも、メゾンのデザインスタジオによって緻密に構想され、完成までに数年を要することもあります。芸術性と技術の対話を通じて、それぞれの時計にはストーリー性が織り込まれています。ファソネ エナメルという技法も、ミニアチュールのような繊細なフォルムを具現化するために開発され、16か月におよぶ研究を経て特許が取得されました。
制作の第一段階では、エナメルパウダーを慎重に型に流し込み、精密な温度管理の下で二度にわたり焼成。内部の緊張を取り除きながら、しっかりとした厚みを持つエナメルの板が形成されます。研磨後に細やかな彫刻を施し、狙い通りの形状に成形。最後に高温で丁寧に加熱することで、表面に滑らかさと透明感、そして艶やかな光沢をもたらします。これらすべての工程が緻密に積み重なることで、視覚に訴える独自の美しさが完成します。
ゴールドの加工:
ヴァン クリーフ&アーペルを象徴する専門知識


ゴールドを用いた彫刻や質感加工は、時計製作における伝統技法の一つです。素材と光の繊細な相互作用を演出し、文字盤に奥行きと複雑さをもたらします。妖精の細身のフォルムは、まずワックスモデルで検証し、次にシルバーで試作。そこから丁寧な成形と彫刻が始まり、最終的な造形に仕上げられます。こうした工程は、精密なジュエリー用ツールによってすべて手作業で行われ、必要に応じて職人自らが道具を制作することもあります。
造形が完成した後には、型取りによって同一フォルムを正確に再現します。そして仕上げの段階では、熟練の彫刻師が一つひとつを丁寧に整えます。文字盤の背景に施された微細なテクスチャーは、中央の構成要素を際立たせ、シーン全体の明暗や奥行きを一層豊かに見せています。時を超えて受け継がれてきた技巧と、緻密な素材設計との融合がそこに宿ります。
エクストラオーディナリー ダイヤル コレクション

エクストラオーディナリー ダイヤル コレクションでは、多様な分野の熟練職人が結集。エナメル、彫金、宝石のセッティング、絵画、そして時計職人が連携し、ひとつの作品を作り上げます。それぞれの文字盤は細密画のような構造で、完成までにおよそ300時間を要することも。メゾンの美意識が結晶したその仕上がりは、見る人の感性に静かに語りかけてきます。
あらゆるメティエダールが結びつき、それぞれの技法が共鳴しながら、ヴァン クリーフ&アーペルの独自の世界観が形をとっています。ゴールドやマザーオブパールへの彫刻をはじめ、ファソネやグリザイユ、パイヨンといった各種エナメル技法、そしてストーンセッティングやマルケトリなど、すべての要素が命を吹き込まれ、詩的な時の瞬間として結晶化しています。
#PoetryOf Time #VanCleefArpels
@vancleefarpels
【Editor's View】
ヴァンクリーフ&アーペルの今回の新作ウォッチは、精密な職人技術の粋と詩情あるデザインが緻密に融合した、美のオブジェともいえる存在です。自然からインスパイアされたモチーフが、ファソネ エナメルやミニアチュール ペインティングによって生命を宿し、単なる装飾を超えて感性へと訴えかけてきます。果実の瑞々しさや妖精の軽やかさといった細部の表現には、メゾンの深い審美眼と技術力が反映されています。これは時計というプロダクトを超えて、「身につける詩」であることを示す、ヴァンクリーフの美学の真髄といえるでしょう。
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