2025.10.07
カテゴリ: 新作
ピアジェ 新作「ポセション レインボー」を発表、虹色グラデーションとテクスチャーが導く軽快な存在感
「ポセション」は、指先の動きそのものを装いの一部に変えるピアジェの代表作です。新作「ポセション レインボー」は、虹の階調とDecor Palaceのテクスチャーが重なり、シンプルな服装にも鮮度あるニュアンスを与えます。リングが静かに回転する感触は心を整え、視線には色彩のリズムが宿ります。メゾンのウォッチメイキングに根差した緻密さと、色石を見る確かな審美眼が一体となったこの更新は、華やかさを求めつつも使い勝手を大切にする都会派にふさわしい選択です。日常を軽やかに彩るためのジュエリーとして、今季注目の一作です。
回転するリングをお守りのように身につける発想が「ポセション」の核です。1990年の登場は、ピアジェが長年培ってきたプレシャスピースの経験を、日常のジュエリーへと開いた転換点でした。1960年代初頭にウォッチ メーカーからジュエラーへ領域を広げたメゾンは、時計製造の発想をそのまま指輪に移し替え、リングの内側に収めたバンド構造で滑らかな回転を実現しました。存在感のある表現を好む人に支持され、触れるたびに動きが生まれる設計は、装いとの対話を誘います。ビジネスからオフまで場面を選ばず、気分転換の小さな所作が手元に宿る点が現代的です。
指先でリングをくるりと回す直感的な動きは、緊張をほどき、人との会話にも柔らかな間合いを生みます。「ポセション」はDecor Palace(パレス装飾)と呼ばれる象徴的なゴールド彫刻をまとい、ダイヤモンドに加えてパステルピンクやイエローのサファイア、鮮やかなツァボライトなど多彩な宝石を取り合わせます。ピアジェのメティエ・ダールの技が支える繊細なゴールドワークは光を細やかに反射し、石の色調変化をいっそう印象的に引き立てます。オフィスでもウィークエンドでも装いの温度を調整しやすく、感度の高い読者にとって頼れる定番となります。
今回の新作の背景には、1960年代に始まったピアジェと色彩の親密な関係があります。ターコイズ、マラカイト、タイガーアイ、ラピスラズリといったオーナメンタルストーンの採用から物語は動き出し、それらは最初期のジュエリーウォッチのベゼルを彩りました。のちに同じ感性はハイジュエリーセットへと広がり、メゾンの表現に色の語彙を増やしていきます。素材の選び方と配色に一貫した審美眼が通底し、現在のカラーパレットへとつながっています。
60年代から70年代にかけて一色の強さがトレンドを象徴した時代がありました。そこに対して、現在のレインボー・シグネチャーは色のレイヤーで魅力を更新します。ライムライト ガラ ウォッチ、ピアジェ ポロ デイト36mm、そしてポセションの輪郭まで、虹のグラデーションがフォルムを鮮やかに縁取り、装着時の印象を軽やかに高めます。レインボーセッティングにはミリ単位の精度が求められ、宝石鑑定士がダイヤモンド、ルビー、サファイア、ツァボライトを色合いと大きさで選別し、途切れのない階調を成立させます。技術面での難度が高い一方、スタイル面では使い道が広く、ライムライト ガラはドレスアップに映え、ピアジェ ポロ デイト36mmはスポーティな着こなしの品格を整え、ポセションのリングは重ね付けでリズムを生みます。色の楽しさを求める読者にとって、ワードローブの核を更新する提案になります。
多色のグラデーションを成立させる複雑さは、メゾンのもう一つの柱であるDecor Palace(パレス 装飾)によって支えられます。1961年に考案され、2000年代初頭にアーカイブで再発見されたこの金細工は、ゴールドに不規則な反射を宿すテクスチャーを与えます。職人は独自のサヴォアフェールを用いて一つひとつのピースに個性を授け、同じ技法でありながら表情の異なる仕上がりを実現します。その積み重ねがピアジェのクリエイションに特有の魅力を継続させ、手元に置いたときの存在感を確かなものにします。
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【Editor's View】
ピアジェの創意は1874年、スイスのジュラ山脈ラ・コート・オ・フェに遡ります。創立者ジョルジュ=エドワール・ピアジェが家族の農場内に工房を構え、高性能ムーブメントの制作で名を上げました。1950年代後半には薄型ムーブメントの設計・製造に踏み込み、のちの「アルティプラノ」へと続く基盤を築きます。精度と美意識を横並びで追求する姿勢は、ゴールドと多彩なカラーの融合、新しいシェイプ、高価な宝石、オーナメンタルストーンの文字盤へと発展しました。「ポセション レインボー」はこの歴史を日常のスケールに置き換える試みです。働く日のミニマルな装いにも週末のデニムにも合わせやすく、重ね付けで自分らしさを調整できます。ラグジュアリーを日常使いしたい読者にとって、使い勝手と高揚感のバランスが秀逸です。
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