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ピアジェ アンディ・ウォーホル ウォッチ 「コラージュ」を発表、色彩と造形が語る新しいタイムアート

芸術と時間が交わるとき、時計はもはや装飾ではなく、思想の延長となる。ピアジェがアンディ・ウォーホル美術財団とともに創り上げた「アンディ・ウォーホル ウォッチ コラージュ リミテッドエディション」は、その理念を体現する50本の限定モデルだ。ウォーホルの色彩理論に根ざしたマルケトリ技法の文字盤、そしてピアジェが誇る精緻なムーブメント。この2つの異なる領域の融合が、新たな“タイムアート”を生み出している。創造性を受け継ぎながら、ピアジェは時間というキャンバスに再び色を塗り重ねました。

#G0A50243 ピアジェ アンディ・ウォーホル ウォッチ「コラージュ」リミテッドエディション

#G0A50243 ピアジェ アンディ・ウォーホル ウォッチ「コラージュ」リミテッドエディション 12,320,000円(税込/予価)

ピアジェは昨年11月にアンディ・ウォーホル美術財団とのパートナーシップを発表し、伝説的な「アンディ・ウォーホル ウォッチ」の名を正式に復活させました。その続報として登場したのが、アーティストの代表的な「コラージュ」作品からインスピレーションを受けた50本限定の新作モデルです。時計という枠を超え、芸術とクラフツマンシップを結びつけたこのウォッチは、アートピースとしての価値も高く、コレクターの注目を集めています。

創業150年以上の歴史を誇るピアジェは、常に芸術と時計製造の融合に挑戦してきたメゾンです。精密な技術と繊細なデザインを通して、アートがもつ感性を時の造形へと変換する独自のアプローチを築き上げてきました。その哲学は、ピアジェを愛したアンディ・ウォーホルにも共鳴していました。1950~60年代、ポップアートを代表する彼の作品は日常の中に美を見出し、既成概念を覆すものでした。ピアジェの創造性とウォーホルの自由な発想は、時代を超えて響き合う関係だったのです。

アンディ・ウォーホルは、ありふれた日用品から美術品に至るまでを熱心に収集するコレクターとしても知られていました。彼の所有品には、7本のピアジェウォッチが含まれており、特に1973年に手にしたクッション型のモデル「15102」は、彼のスタイルを象徴する存在でした。時計を実用的な道具ではなく、アイデンティティの一部として楽しむというウォーホルの姿勢は、今の時代のラグジュアリー観にも通じています。

アンディ・ウォーホルが実際に愛用していたピアジェの時計
アンディ・ウォーホルが実際に愛用していたピアジェの時計


ポップに彩られたウォッチ

2024年、ピアジェはアンディ・ウォーホル美術財団との公式パートナーシップを締結し、この象徴的なモデルを現代に蘇らせました。新作「アンディ・ウォーホル ウォッチ」は、メゾンの高度な職人技を背景に、アーティストの創造性を時計というメディアで再構築したものです。スイスとアメリカ、芸術と時間という異なる領域をつなぐこのプロジェクトは、ピアジェが掲げる“アートの継承”という理念を体現しています。

生前のウォーホルは、ピアジェを含む300本以上のウォッチを所有し、時計そのものを文化的オブジェとして愛していました。1987年の没後、それらのコレクションはサザビーズでオークションにかけられ、うち4本をピアジェ自身が買い戻し、スイスのプライベートコレクションに加えています。メゾンがその遺産を再び自らのもとに取り戻したことは、芸術とクラフトの融合を重視するブランド哲学の延長線上にあり、長年にわたる文化的対話の象徴といえます。

ピアジェの歴史の中でも特に記憶されるのが、1972年から1977年にかけて製作されたモデル15102です。クリエイティブディレクター、ジャン・クロード・ゲイトが手掛けた45mmサイズのこのモデルは、後に「ブラックタイ」として知られるようになりました。ブラックとゴールドの大胆なコントラストが特徴で、2014年にはピアジェ創業140周年を記念して再デザインされました。そして2024年、アンディ・ウォーホル美術財団との正式な提携によって、このモデルとウォーホルの関係が公式に認められたことは、ブランド史における重要な節目となりました。

そして今年、両者のコラボレーションが結実した「アンディ・ウォーホル ウォッチ コラージュ リミテッドエディション」が誕生しました。このモデルは、1986年に撮影されたウォーホルのポラロイド自画像を想起させるデザインが印象的です。文字盤には色彩豊かなオーナメンタルストーンを用いたマルケトリ装飾が施され、45mmの18Kイエローゴールド製ケースがその存在感を際立たせます。この素材はウォーホル本人が所有していたモデルへのオマージュとして選ばれたもので、現行コレクションには使われていない特別仕様です。世界でわずか50本の限定生産という希少性も、芸術作品としての価値をさらに高めています。

ピアジェ×アンディ・ウォーホル 「コラージュ」リミテッドエディション ウォーホルの自画像とピアジェロゴ、ウォーホルのサインのエングレービング
ウォーホルの自画像とピアジェロゴ、ウォーホルのサインのエングレービング


アートであり、愛情を込めた創作 

アンディ・ウォーホルが残した「アートはなんでもまかり通る」という言葉は、彼の自由で実験的な精神を象徴しています。ピアジェがアンディ・ウォーホル財団と手を組む際も、その理念を重視しながらも、安易な模倣ではなく本質的な理解を目指しました。メゾンのクリエイティブディレクター、ステファニー・シヴリエール率いるチームは、ニューヨークへ赴き、財団のアーカイブを丹念に調査。展覧会を巡り、関連書籍を読み込み、ポップアートの潮流の中でウォーホルが築いた美意識を徹底的に研究しました。この姿勢が、ピアジェらしいアプローチの礎となりました。

共同プロジェクトの初年度、両者はウォーホル作品の核心である「色彩」に焦点を当てることを決定しました。彼の表現は広告や商業アートの要素を巧みに取り入れ、視覚的なインパクトと時代性を両立させていました。シヴリエールは「ウォーホル研究に6か月を費やしました。膨大な資料を前に、どこから取り組むべきか途方に暮れたほどです」と振り返ります。代表作のアイコンであるマリリン・モンローやスープ缶をあえて直接引用するのではなく、彼の精神を“示唆する”アプローチへと舵を切ったのです。財団側もまた、ピアジェが独自の表現力と創造性をもってウォーホルを解釈することを望み、制約のない自由な制作を後押ししました。

こうして誕生した「コラージュ」リミテッドエディションは、芸術的インスピレーションと時計製造技術の融合が生み出した結晶です。ウォーホルの世界観を現代の素材と職人技で再構築し、アートとタイムピースの狭間に存在する作品として完成しました。その佇まいは、ウォーホルの「収集家としての目線」へのオマージュでもあり、時を超えてアートコレクターたちの心を掴む特別なピースとなっています。

ピアジェ×アンディ・ウォーホル 「コラージュ」リミテッドエディション マルケトリ技法で4種類のオーナメンタルストーンを組み合わせた文字盤
マルケトリ技法で4種類のオーナメンタルストーンを組み合わせた文字盤


色彩豊かなアプローチ

このモデルのダイヤルには、伝統工芸「メティエ・ダール」のマルケトリ技法が用いられています。4種類のオーナメンタルストーンを熟練の職人が精密にカットし、組み合わせて一つのアートピースのように仕上げています。ベースには、ウォーホルが愛用した1973年製ピアジェのモデルと同じく、漆黒のブラックオニキスが採用されています。深い黒が背景となることで、上に重ねられる石の色彩がより際立ち、ウォーホルの色彩理論を思わせる奥行きが生まれています。

その上には、ナミビア産イエローサーペンティン、ピンクオパール、グリーンクリソプレーズが薄くスライスされて配置されています。これらの色彩は、ウォーホルのポラロイド作品を想起させる明快なトーンでありながら、ピアジェ特有のエレガンスを損なわないバランスを保っています。段差をつけた45mmの18Kイエローゴールド製ケースに収められ、深みのあるグリーンレザーストラップが全体を引き締めます。ケースバックには縦方向のサテン仕上げが施され、ジュエリーのような輝きと時計としての堅牢さが共存しています。

ムーブメントにはピアジェ自社製のキャリバー501P1を搭載。厚さを抑えた自動巻機構で、40時間のパワーリザーブを備えています。仕上げにはコート・ド・ジュネーブ装飾が施され、裏面にはアンディ・ウォーホルの自画像とサイン、そしてピアジェのロゴが刻まれています。この意匠は、アートとメカニズムの融合という両者のテーマを象徴しています。視覚的な美しさと機能美が調和したこのモデルは、ウォーホルが生涯をかけて追求した「美の反復」という概念を、新しい形で体現しているのです。

ピアジェ、アンディ・ウォーホルの精神を現代に継ぐ「コラージュ」限定ウォッチを発表WWW.PIAGET.JP

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【Editor's View】
ピアジェとアンディ・ウォーホル財団の協働は、ブランドの歴史を新たに塗り替えるだけでなく、「アートを身にまとう」という概念をより深く掘り下げた試みだと感じます。芸術と時計製造が響き合うことで、単なるコラボレーションを超えた文化的な対話が生まれています。ウォーホルが追い求めた日常の中の美を、ピアジェは緻密なクラフツマンシップで現代に再構築しました。アートと時間が一体となったこのウォッチは、“時を着る”という新しい体験を私たちに提案しているように思います。

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