2025.10.30
カテゴリ: 新作
フェンディ 2026年春夏 プレコレクションが描く、80年代の再解釈と未来への遊歩
フェンディが放つ2026年春夏 プレコレクションは、過去と未来を軽やかに行き来するような自由なムードに満ちています。クリエイティブ・ディレクターのシルヴィア・フェンディが紡ぐのは、80年代の記憶を現代に再構築し、クラシックな要素とプレイフルなエネルギーを共存させたスタイル。ローマの官能とニューヨークの躍動感が交差し、そこに生まれるのは“ソーシャルバタフライ”のように舞う新しいフェンディウーマンです。ファッションを生きる力と捉えるこのコレクションは、時代の移り変わりを軽やかに受け止める現代女性の心を映し出しています。

フェンディ(FENDI)は、シルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)による2026年春夏 プレコレクションを発表しました。本コレクションでは、“ソーシャルバタフライ”をテーマに、未来のフェンディウーマンを象徴するミューズが登場します。仕事と遊び、昼と夜、規律と自由といった相反する要素を自在に行き来する姿は、現代の女性のしなやかさを映し出しています。装うこと、踊ることを楽しみながら、意識的な強さと自然体のバランスを保つその姿勢に、フェンディの哲学が息づいています。


コレクションには、ローマの「ジャッキー・オー(Jackie O’)」やニューヨークの「スタジオ54(Studio 54)」といった時代の象徴的イメージが重ねられています。神話的なローマの優雅さと、ニューヨークのディスコカルチャーの自由な空気が融合し、サルトリアルなスポーツウェアとして再構築されました。80年代の快楽主義がもたらすエネルギーを、ローマ的な感性が柔らかく包み込み、官能と気品を併せ持つコントラストが生まれています。

今季のカラーパレットは、炎に集まる蝶のように情熱的でありながら繊細です。ディスコの終焉からインスピレーションを得て、ターコイズやマンダリン、スレートブルー、ブラッシュピンクが、コーヒーやバーガンディ、黒、白と重なり合います。ダークとライト、マスキュリンとフェミニンが交錯する中で、フェンディは落ち着きと遊び心の均衡を探り、感覚的な美を表現しています。

テーラリングの素材には、ピークドラペルのブレザーに合わせたボクシーなシティショーツや、ハイカフスのオーバーサイズトラウザーズなど、洗練されたボリューム感が施されています。1980年代のオフィスウェアとスポーツウェアを彫刻的なフォルムと上質な素材で刷新し、光沢のあるタフタのジップスルーパーカーや、シルクコットンにベルベットやコーデュロイのラペルを配したデザインが印象的です。ペンシルスカートはファスナーを開けることで、昼と夜の装いを切り替える遊びを提案しています。

シルヴィア・フェンディが80年代に着ていたディスコドレスの記憶を呼び起こすポルカドット柄は、深いネックラインやフリル付きペプラムとしてコレクションに登場します。タフタのシャツドレスには手描きのようなスポットが散りばめられ、万華鏡を思わせる鮮やかさを添えています。懐かしさとモダンな感性が交差するテキスタイルは、女性らしさを軽やかに表現し、フェンディならではの洗練された遊び心を体現しています。


メンズコレクションでは、リラックスしたジュエルトーンのレイヤリングと繊細なクラフトが光ります。少年のようなシルエットに、ベルベットのタキシードやバタフライプリントのシャツ、ジャカードデニムジーンズなどが登場。取り外し可能なサテンラペルを備えたデザインが、上品さと軽やかさを両立させています。さらに、パテントレザーのパーカーやガーメントダイのコーデュロイトラッカージャケットが、フェンディらしい素材の革新性を際立たせています。ウィメンズコレクションと共鳴するように構成され、フェンディ全体としての統一感を感じさせます。
ウィメンズアクセサリーでは、抽象的なバタフライモチーフが今季の象徴として用いられています。スパンコールや刺繍が施された「バゲット(Baguette)」、シェービングされたシアリングとインターシャが特徴の「ピーカブー(Peekaboo)」などが登場。さらに、「フェンディ スパイ(FENDI Spy)」には新素材のキルテッドデニムが加わり、クラシックとモダンが交差するコントラストを演出しています。シューズは「フェンディ アルコ(FENDI Arco)」オープントゥサンダルと「コリブリ(Colibri)」パンプスがラインナップし、柔らかく女性的なディテールで仕上げられています。

フェンディ 2026年春夏 プレコレクションは、2025年11月より、フェンディ直営店、および公式オンラインストアfendi.comにて順次発売されます。
【Editor's View】
フェンディの2026年春夏 プレコレクションは、ノスタルジーを現代のスタイルに再構築する巧みなバランスが魅力です。80年代の象徴的要素を再解釈しながら、自由に生きる女性の姿を描くこのコレクションは、メゾンの創造力を次の時代へと導くものといえます。ウィメンズとメンズの垣根を超えて展開される構成は、フェンディが掲げる“モダンローマンエレガンス”の新しい章を開くもの。そこには、ファッションが個の表現を解放する力を持つというメゾンの信念が息づいています。
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