2025.09.26
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グッチ デムナが提案するメゾンの進化形、映画「The Tiger」とともに始動
ミラノの歴史的な空間で交差したのは、ファッションと映像、そして家族という普遍のテーマでした。グッチが新たな時代の扉を開くべく送り出した短編映画「The Tiger」と、それに呼応するコレクション『La Famiglia』は、ブランドの美意識を再解釈しながらも、どこか私たちの現実にも触れるような温度を宿しています。服は語り、映像は感じさせ、両者が重なることで浮かび上がるのは、現代における“スタイル”の新しい意味です。この特集では、プレミアの様子から作品の核心、ルックブックに込められた視点まで、知っておきたいディテールを深掘りしていきます。
9月23日(現地時間)、ミラノのパラッツォ・メッツァノッテにて、デムナによる初のコレクション『La Famiglia』に着想を得た短編映画「The Tiger」のプレミア上映が行われました。会場には、ブランドアンバサダーの戸田恵梨香、JIN、パク・ギュヨン、ソン・ウェイロンのほか、出演者のデミ・ムーアやエリオット・ペイジ、そしてグウィネス・パルトロー、セレーナ・ウィリアムズ夫妻、ネットスぺンドといった華やかなゲストが集いました。また、映画を共同監督したスパイク・ジョーンズとハリナ・レインも出席し、イベントを彩りました。
ブランドアンバサダー 戸田恵梨香/Courtesy of Gucci
グローバル・ブランドアンバサダー JIN/Courtesy of Gucci
グローバル・ブランドアンバサダー パク・ギュヨン/Courtesy of Gucci
ブランドアンバサダー ソン・ウェイロン /Courtesy of Gucci

短編映画「The Tiger」は、グッチ インターナショナル代表であり、グッチ カリフォルニアの会長でもあるバーバラ・グッチを主人公に据えています。物語は彼女の誕生日を祝うパーティーから始まり、自宅には子どもたちや特別なゲストたちが集まります。一見すると完璧な祝宴の裏側で、バーバラはブランドの評判を保ち、ゲストに気を配り、母としても役割を果たそうと奔走します。その晩が思わぬ展開を見せることで、彼女が慎重に築いてきた仮面が揺らぎ、家族は新たな選択に迫られることになります。
本作の出演者には、デミ・ムーアをはじめ、エドワード・ノートン、エド・ハリス、エリオット・ペイジ、キキ・パーマー、ケンダル・ジェンナーなど錚々たる顔ぶれが揃います。監督はアカデミー賞受賞歴を持つスパイク・ジョーンズとハリナ・レインが務め、映画としての完成度も高く評価されています。全編はオンラインでも視聴可能で、多くのファッション愛好家にとって見逃せない作品となっています。
上映会の前日である9月22日(現地時間)には、デムナによる新生グッチの第一章となる『La Famiglia』のルックブックが発表されました。このコレクションは、「Gucciness(グッチらしさ)」という概念を再考し、ブランドが提示する美意識や生き方、そしてその背景にある人々の関係性を浮かび上がらせるものです。
ルックブックは、写真家キャサリン・オピーによって撮影されたポートレートとともに展開され、グッチファミリーと呼ばれる多様な人物像がブランドのコードを新たな観点から再構築しています。GGパターンがあしらわれたトランクを起点に、Miss AperitivoやL’influencerなど、現代のカルチャーを映す個性あふれるキャラクターたちが登場し、メゾンの幅広い表現力を示しています。

La Mecenate、La Contessa、Sciura、Primadonnaといったキャラクターは、それぞれがイタリアン エレガンスの洗練された解釈を体現しています。さらに、PrincipinoとLa Principessaは、スポットライトを浴びることの喜びと影の両面を表現します。「sprezzatura(スプレッツァトゥーラ)」と呼ばれるイタリア流のさり気ない美意識が、スリングバックのキトゥンヒールやソフトレザーのミュールといったディテールに宿っています。

グッチの伝統を今に再定義する試みとして、シグネチャーアイテムやモチーフも新たな形で登場しています。「グッチ バンブー 1947」のハンドバッグは現代的なプロポーションで再構成され、ホースビット ローファーは1953年の登場以来の魅力を保ちながらも新たなスタイルで展開されます。フローラ プリントも健在で、そのままの美しさに加えて夜のムードを感じさせるようなアレンジが加えられています。GGパターンはアイウェアやローファーなどにも用いられ、全身を通じてブランドの世界観を体感できる仕上がりです。
フェザーを贅沢に使ったオペラコートや、ハイジュエリーが象徴するマキシマリズムから、シームレスなレッグウェアによって生まれるネオ・ミニマルな佇まいまで、今季のコレクションには多彩な表現が詰まっています。装いを楽しむ精神はメンズウェアにも色濃く反映されており、イブニングウェアとしては、透け感のあるボディコンシャスなセットアップや、ブラックタイ仕様の洗練されたスイムウェアなどが提案されています。これらは「ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)」への現代的な解釈として、新たなファッション体験を提示しています。

なお、La Famiglia は、9月25日から10月13日まで、以下10のショップにて販売されます。
東京 グッチ青山、北京 SKP、ビバリーヒルズ ロデオドライブ、ロンドン ニュー ボンド ストリート、ミラノ モンテナポレオーネ、パリ モンテーニュ、ソウル 清潭(チョンダム)、上海 プラザ66、シンガポール マリーナベイサンズ、ニューヨーク グッチ ウースター
@gucci
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【Editor's View】
今回の「The Tiger」と『La Famiglia』の試みは、グッチが単に衣服を纏うことの意味を超えて、“体験”としてのファッションを提案していることを明確に示しています。映像とルックが同時に展開されることで、ブランドの思想や価値観が多層的に立ち上がり、見る者の感性に触れるのです。特に、デムナが仕掛けたこのコレクションは、既存のグッチファンはもちろん、より広範な文化層へもアプローチする可能性を秘めており、ファッションの未来に対する洞察を与えてくれるものでした。
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