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ヴァン クリーフ&アーペル 新作「ルド」、1930年代の名作を受け継ぐアイコニックなハイジュエリー

1934年にヴァン クリーフ&アーペルが生み出した「ルド」は、ベルトを思わせるしなやかなフォルムと、クチュールに通じる優雅な表情を併せ持つメゾンの代表作です。ブリケットや六角形(ヘキサゴン)のメッシュを基盤に、宝石やバックルの意匠を変化させながら、その姿は時代ごとに更新されてきました。今回の新作でも、色彩豊かなストーンとゴールドを組み合わせた表現に加え、スターセッティングやミラーポリッシュといった高度な技法が息づいています。長い歴史を持ちながら、つねに現在の空気をまとい続ける「ルド」です。

ヴァン クリーフ&アーペル「ルド」、1930年代の名作を受け継ぐハイジュエリーの現在

1934年に誕生した「ルド」は、ベルトを思わせるフォルムと、クチュールに通じるしなやかな表情を併せ持つ、ヴァン クリーフ&アーペルを象徴するクリエーションのひとつです。ブレスレットの中心となるのは、細やかに連なるメッシュ。そこに貴石やオーナメンタルストーンを配したバックル型のクラスプが重なり、ジュエリーとしての華やかさを添えています。1930年代の抽象的な造形感覚を背景に、オリジナルの美学を守りながらさまざまな解釈を重ねてきたことも、このコレクションの大きな特徴です。

今回の新作では、そんな「ルド」の表現を5つの新たなデザインへと展開。異なる色調のゴールドとさまざまな宝石を組み合わせながら、メッシュを形づくるブリケットや六角形(ヘキサゴン)のモチーフを際立たせています。幾何学的なラインと宝石が生み出すコントラストは、ゴールドの表面に細やかな表情を与えるもの。さらに、ハイジュエリーの工房における緻密な手仕事によってゴールドを柔軟に仕上げ、動きに呼応するような繊細な輝きを引き出しています。

1. 宝石で彩られた生地

ヴァン クリーフ&アーペル ルド ブレスレット(イエローゴールド、ホワイトゴールド、サファイア)
ルド ブレスレット(イエローゴールド、ホワイトゴールド、サファイア)
ヴァン クリーフ&アーペル ルド ブレスレット(ホワイトゴールド、イエローゴールド、エメラルド)
ルド ブレスレット(ホワイトゴールド、イエローゴールド、エメラルド)
ヴァン クリーフ&アーペル ルド ブレスレット(ローズゴールド、ルビー)
ルド ブレスレット(ローズゴールド、ルビー)

手首に沿ってなめらかにしなう「ルド」の魅力は、今回の新作でも健在です。3色のゴールドと貴石を組み合わせたブレスレットは、ベルトのように手首を包みながら、軽やかなリボンを思わせるラインを描きます。なかでも特徴的なのが、レンガを連ねたようなブリケット メッシュ。バックル型のクラスプとV字状の先端がその流れを際立たせ、布地がしなやかに揺れるような印象へと導きます。さらに、内部に巧みに収めた機構によって3段階のサイズ調整が可能です。

宝石とゴールドの組み合わせにも、それぞれ異なる表情が宿ります。イエローゴールドには深いブルーのサファイア、ホワイトゴールドには鮮やかなグリーンのエメラルドを合わせ、素材同士の色彩差を際立たせています。一方、ローズゴールドには濃密なレッドのルビーをセット。柔らかなゴールドの色味がルビーの強い彩度を引き立てることで、温度感のあるコントラストが生まれています。3色のゴールドと宝石が織りなす配色は、それぞれに異なる魅力を映し出します。

ヴァン クリーフ&アーペル ルド ブレスレット(ホワイトゴールド、サファイア、カルセドニー、ラピスラズリ)
ルド ブレスレット(ホワイトゴールド、サファイア、カルセドニー、ラピスラズリ)
ヴァン クリーフ&アーペル ルド ブレスレット(イエローゴールド、エメラルド、クリソプレーズ、サンナン スカルン)
ルド ブレスレット(イエローゴールド、エメラルド、クリソプレーズ、サンナン スカルン)

さらに加わる2つの新作では、「ルド」を象徴するメッシュの意匠を別の角度から表現しています。受け継がれてきた“ハニカム”メッシュをベースに、六角形(ヘキサゴン)のリンクを連ね、その中心にはサファイアまたはエメラルドをスターセッティング。幾何学的なリンクの反復に宝石の輝きを重ねることで、メッシュそのものが装飾性を備えたデザインへと昇華されています。

ホワイトゴールドの表面には、星を思わせるモチーフを一つずつ刻み、それぞれにブルーサファイアをセット。そこへ深みのあるラピスラズリを用いたクラスプを組み合わせることで、青の濃淡が連続するような奥行きを生み出しています。さらに、バックルの中央を飾るカルセドニーが柔らかな色調を加え、全体のグラデーションを整えています。夜空に星々が浮かぶような意匠を、ハイジュエリーならではの素材使いで仕上げたデザインです。

 もうひとつの新作では、イエローゴールドとダイヤモンドが描く明快なコントラストに、エメラルドの鮮やかなグリーンを重ねています。さらに、メッシュと呼応するバックルには、クリソプレーズとサンナン スカルンを採用。いずれもグリーンの濃淡を生み出すストーンで、中央からバックルへと続く彩りに奥行きを与えています。今回初めてメゾンが取り入れたサンナン スカルンも加わることで、従来とは異なる色彩の調和が生まれ、「ルド」ならではのグラフィカルな造形に新たなニュアンスを添えています。

2. サヴォアフェールの表現

妥協なき宝石の選定

ヴァン クリーフ&アーペル ルド ブレスレットのクラスプを飾るクリソプレーズ モチーフの組み立て
ルド ブレスレットのクラスプを飾るクリソプレーズ モチーフの組み立て
ヴァン クリーフ&アーペル ルド ブレスレットのクラスプにサンナン スカルン モチーフをセット
ルド ブレスレットのクラスプにサンナン スカルン モチーフをセット

「ルド」の魅力をさらに引き立てるのが、宝石同士のコントラストと微細な色の移ろいです。使用する貴石やオーナメンタルストーンは、メゾンの宝石鑑定家が厳しい基準で選定。ダイヤモンドはカラーDEF、クラリティIF〜VVS2という高いグレードに限定されています。ラピスラズリはパイライトの斑点がほのかにきらめくミッドナイトブルー、カルセドニーは白い縞を含むラベンダーからパステルブルーの柔らかな色調が特徴です。さらに、鮮やかなグリーンのクリソプレーズと力強い色合いのサンナン スカルンを組み合わせ、色彩そのものをデザインの一部として際立たせています。

今回のコレクションでひときわ目を引く素材が、ジュエリーに使われる例の少ないサンナン スカルンです。スイス宝石学研究所(SSEF)の研究によって2015年に紹介されたこの石は、パキスタン産のグリーンのスカルンで、濃色の斑点を伴う独特の質感を備えています。メゾンでは、そのなかから鮮やかな発色を持つ原石を厳選。磨き上げられた表面に強い輝きを引き出すことで、「ルド」のグラフィカルな造形に深みのある表情を加えています。

クラスプを飾るストーンモチーフにも、ハイジュエリーならではの細密な加工が施されています。まず、それぞれの石をゴールドの構造へ正確に収められるようリカットし、幾何学的なラインが美しく際立つ形へと整えます。その後、職人が一つひとつ手作業で研磨することで、素材が本来持つ光沢を引き出していきます。細部の輪郭まで精密に仕上げる工程が、石とゴールドを一体のデザインとして見せる端正な表情につながっています。

繊細なゴールドメッシュ

ヴァン クリーフ&アーペル ルド ブレスレットのリンクの組み立て
ルド ブレスレットのリンクの組み立て
ヴァン クリーフ&アーペル ルド ブレスレットのパッドによる研磨
ルド ブレスレットのパッドによる研磨

ゴールドで布地のような流動感を表現することも、「ルド」の仕上がりを支える重要な技術です。しなやかに動くメッシュを形づくるため、ブリケットと六角形(ヘキサゴン)のモチーフを一つずつ組み立て、それぞれの可動域を細かく調整。細かなパーツが連なる構造だからこそ、個々の動きを揃えながら全体の柔軟性を保つことが求められます。こうした緻密な手作業によって、リボンのようにしなやかに手首へ沿う着用感が生まれています。

ゴールドの表面に宿る澄んだ輝きには、ヴァン クリーフ&アーペルが1920年代から受け継いできたミラーポリッシュの技法が生かされています。「ルド」の作品では、この工程を一つひとつ手作業で行い、造形を崩さずにゴールドの光沢だけを引き出します。研磨は複数の段階を経て進められ、とりわけ石のセッティング前後には精密な作業が必要です。職人の手で磨き上げられた表面が光を柔らかく受け止め、ジュエリー全体に鮮やかな反射を広げています。

スターセッティングの技術

ヴァン クリーフ&アーペル ルドの六角形リンクに星のモチーフをエングレービング
ルドの六角形リンクに星のモチーフをエングレービング
ヴァン クリーフ&アーペル ルド ブレスレットにストーンをセットするための準備
ルド ブレスレットにストーンをセットするための準備
ヴァン クリーフ&アーペル ルド ブレスレットにエメラルドをセット
ルド ブレスレットにエメラルドをセット


「ルド」におけるスターセッティングの起点は1930年代に遡ります。六角形(ヘキサゴン)のリンクに星形の意匠を刻み、その中心へ宝石を収めることで、幾何学模様の一部として石を見せる独自の表現を確立しました。職人はまず鏨でゴールドに星の輪郭を彫り、続いて石を固定するための穴をあけます。最後にビーズ状の爪を目立たないよう丁寧に折り曲げることで、石の輝きを損なわずに留めています。

3. ルド ブレスレット:時を超えたメゾンの象徴

ヴァン クリーフ&アーペル ルド ブレスレット、1937年(イエローゴールド、サファイア、ダイヤモンド)ヴァン クリーフ&アーペル コレクション
ルド ブレスレット、1937年(イエローゴールド、サファイア、ダイヤモンド)ヴァン クリーフ&アーペル コレクション
ヴァン クリーフ&アーペル ルド パンピーユ ブレスレットのデッサン、1946年頃 ヴァン クリーフ&アーペル アーカイブス
ルド パンピーユ ブレスレットのデッサン、1946年頃 ヴァン クリーフ&アーペル アーカイブス

ベルトから着想を得た「ルド」は、1930年代の女性たちに支持されたアクセサリーという背景も含め、ヴァン クリーフ&アーペルが長く向き合ってきたクチュールとの結びつきを象徴する存在です。メゾンは創業以来、リボンやパスマントリー、レースなど、衣服を形づくる繊細な要素をジュエリーへと置き換えてきました。「ルド」においても、布地を思わせるしなやかな動きと洗練された造形が融合し、時代の変化を越えて受け継がれる美学へと昇華されています。

「ルド」の歴史を辿ると、異なるメッシュ表現が生まれてきたことがわかります。1934年に登場したのが、“ブリケット”と呼ばれるモデル。その翌年には、六角形(ヘキサゴン)のリンクをつなぎ合わせた“ハニカム”モデルが加わりました。レンガ状のモチーフと幾何学的な六角形という異なる構造を持ちながら、いずれもゴールドを柔軟に連ねることで、ベルトのように手首へ沿う「ルド」特有のしなやかさを形づくっています。

その後も「ルド」は、ひとつの造形にとどまることなく多彩な姿へ展開されました。花や優美な螺旋状のライン、ミステリーセットのモチーフが取り入れられ、ブレスレットだけでなくリングやウォッチ、ジャケットや襟元を飾るラペルクリップにもその意匠が広がっています。1945年にはスネークチェーンとペンダントモチーフを組み合わせたルド パンピーユ ブレスレットが登場。さらに2003年には、象徴的なデザインを受け継ぐルド スワン ウォッチも誕生し、コレクションの美学は時を示すジュエリーへも展開していきました。

ヴァン クリーフ&アーペル ルド シークレットウォッチ、2020年(イエローゴールド、サファイア、エメラルド、クリソプレーズ、 ダイヤモンド、スイス製クォーツムーブメント)
ルド シークレットウォッチ、2020年(イエローゴールド、サファイア、エメラルド、クリソプレーズ、 ダイヤモンド、スイス製クォーツムーブメント)


2019年には、ハイジュエリー シグネチャー コレクションや時を告げるジュエリーを通して「ルド」の不朽のデザインが改めて取り上げられ、その存在感を現代へとつなぎました。今回加わる5つのカラーバリエーションもまた、長く受け継がれてきた造形を新たな色彩の組み合わせで更新するものです。1930年代に生まれた幾何学的な美しさとクチュールへの憧れは、素材や技法、色彩の選択によって現在も姿を変え続けています。「ルド」は、歴史を重ねるほどに新しい表情を見せる、ヴァン クリーフ&アーペルを象徴するクリエーションです。

#VCAHighJewelry #VCALudo #VanCleefArpels

@vancleefarpels



【Editor's View】
「ルド」の魅力を理解するうえで重要なのは、1934年という誕生年そのものだけではなく、ひとつの構造を繰り返し更新してきた時間にあります。ブリケットやハニカムといった幾何学的なメッシュ、ベルトを思わせるバックル、クチュールに通じる柔らかな動きは、時代ごとの素材や技法を受け入れながらも、その核を失っていません。さらに、スターセッティングや精密な研磨といった職人技が造形を支えることで、アーカイブの意匠が過去の再現に終わらず、現在のハイジュエリーとして成立しています。長い歴史と新しい創造性が同じデザインの中で共存している点に、「ルド」の強さがあります。

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