2026.07.04
カテゴリ: 新作
ヴァン クリーフ&アーペル 星々が指先と耳元で輝く新作ジュエリー、「スー レ ゼトワール」が誕生
夜空を見上げるとき、私たちはそこに永遠のロマンと神秘を感じずにはいられません。パリを代表するハイジュエラーであるヴァン クリーフ&アーペルもまた、1906年の創業時から天空の美しさに魅了され続けてきたメゾンのひとつです。このたび、宇宙の壮大な姿をポエティックに描き出したコレクション「スー レ ゼトワール」から、美しい夜空に瞬く星々を賛美するような新作のリングとピアスが発表されました。温かみのあるハンマー仕上げのイエローゴールドと、メゾンが厳格な基準で選び抜いたダイヤモンドが織りなす至高のクリエイション。指先と耳元に小さな宇宙を纏うかのような、比類なきサヴォアフェールの結晶です。

スー レ ゼトワール
天文学とジュエリーの対話
1906年にパリで産声を上げて以来、ヴァン クリーフ&アーペルの歴史は、果てしなく広がる天空の神秘とともに歩んできました。星々が夜空で繰り広げる壮大なバレエや、星座が描く軌道、そして黄道十二宮といった天文学のロマンは、常にメゾンの豊かな想像力の源泉となってきたのです。こうした宇宙への深い愛情が結実し、2021年にはハイジュエリー コレクション「スー レ ゼトワール」が誕生しました。そして今年、夜空へのポエティックなオマージュを再び捧げるべく、ブランドの伝統美を色濃く反映した新作のリングとピアスのセットがコレクションに加わりました。
ゴールドとダイヤモンドがきらめく天体
ひときわ目を引くリングは、1960年代にメゾンが数多く生み出した、ふくよかで立体的なシルエットの伝統を見事に受け継いでいます。主素材となるイエローゴールドには、温もりを感じさせるハンマー仕上げを採用。そこへ職人が手作業で丁寧なポリッシュを施すことで、深みのある眩い光沢を引き出しています。丸みを帯びたドーム型の表面には、エングレービング技術を用いて星のモチーフを描き出し、中心にダイヤモンドをあしらうことで夜空の瞬きを表現しています。
光の角度によってドラマティックに表情を変えるこのリングは、使用される高貴な素材の力も相まって、覗き込むほどに宇宙の深淵を感じさせます。指に触れる内側の部分は、着用時の快適さを追求して滑らかにくぼませており、1920年代から受け継ぐミラーポリッシュ仕上げがゴールドに鮮烈な光の反射をもたらします。さらに、指を優しく包み込むゴールドの構造にはオープンワークが施され、まるで星空が広がっているかのような透かし模様の間から、ダイヤモンドの裏側や立体的なくぼみを垣間見ることができるという、細部まで計算尽くされた美しさを備えています。
このリングと完璧な調和を奏でるアイテムとして、ペアで身に着けられるピアスも同時展開されます。リングと同様にハンマー仕上げが施された球状のゴールドをベースに、スターセッティングと呼ばれる星型の彫り留めでダイヤモンドを散りばめました。あえて左右で星の配置を変えることで、天空の不規則で自然な美しさを新たな解釈として表現しています。こうした繊細なアシンメトリー(非対称性)の美学はヴァン クリーフ&アーペルを象徴するスタイルのひとつであり、そのこだわりは作品の裏側にも及びます。ピアスの裏面にも美しいオープンワークのデザインが施されており、着用する際も美しさを損なわない設計となっています。
輝きを放つゴールド
これらの新作に息づいているのは、エングレービング、オープンワーク、テクスチャード加工、そして研磨といった、ヴァン クリーフ&アーペルが誇る卓越したサヴォアフェール(職人技)の数々です。熟練のアルティザンたちの手によって、無垢なゴールドに多様なフォルムと圧倒的な立体感が吹き込まれています。
作品に特徴的な丸みのあるシェイプや、温かみのあるハンマー仕上げの質感を再現するためには、古代から伝わる「ロストワックス鋳造」という伝統的な技法が用いられています。まずワックス(蝋)のブロックに精緻な彫刻を施して原型を作り、その周りを石膏で固めて型を作成。その後、高温の窯で内部のワックスを溶かし出し、空洞となった部分に溶かした貴金属を流し込むという、非常に手間のかかる工程を経て形作られます。
鋳造後は、職人の手作業による複数回の研磨工程へと移り、作品が持つなめらかな曲線と立体感をさらに際立たせていきます。リングの内側には、1920年代からメゾンを象徴する仕上げとして用いられてきたミラーポリッシュが施され、まるで鏡のようなまばゆい輝きを放ちます。こうした厳格なサヴォアフェールが研磨の全工程で発揮されることで、ゴールド本来の輝きが極限まで高められるのです。その一方で、外側の表面はハンマー仕上げによる独特の質感や浮き彫りのディテールが失われないよう、極めて慎重に磨き上げられます。
ダイヤモンドの選別
また、ヴァン クリーフ&アーペルは、ダイヤモンドの選定において時計宝飾界でもトップクラスの厳しい基準を設けていることで知られています。カラー、クラリティ、カット、カラットという「4C」の基準をベースに、カラーは無色透明の最高ランクであるDEFのみ、クラリティ(透明度)は内包物が極めて少ないIFからVVSのグレードのみを採用。さらに、パヴェセッティングされる極小のダイヤモンドであっても、メゾン独自の二重の検証プロセスに基づき、10倍ルーペを使用して一石ずつ徹底的に検査することで、比類なき輝きを保証しています。
歴史あるインスピレーション源
夜空の天体を観察しジュエリーへと昇華させることは、創業当初からメゾンを魅了してやまない重要なテーマです。その歴史は古く、初期の販売記録には、1906年にサファイアとブリリアントカットのダイヤモンドをあしらった三日月形のジュエリーが、翌1907年にはパールとダイヤモンドを用いたスター ブローチが販売されたことが記されています。その後も、1929年には月の満ち欠け(ムーンフェイズ)を表示する懐中時計が誕生し、1930年代後半には流星のように高く伸びるラインが特徴的な「ピロン」ジュエリーが発表されるなど、時代ごとに多彩なアプローチで宇宙を描いてきました。
メゾンのクリエイションは、流れるような美しい曲線と豊かなボリューム感、そして鮮やかなジェムストーンの色彩感覚によって支えられています。1954年に発表されたクリップでは、深みのあるサファイア、情熱的なルビー、そして純白のダイヤモンドを組み合わせることで、星の瞬きと光の輪を当時としては極めてモダンな感覚で表現しました。
宇宙への探求心が頂点に達した1969年、人類が初めて月面着陸を果たした際、メゾンはアポロ11号の宇宙飛行士の妻たちへ特別なペンダントを贈呈しています。その作品に施されたテクスチャード加工のゴールドは、月の表面のクレーターを思わせる質感で仕上げられていました。時代が2000年代に入ると、メゾンはこの天文学のテーマを時計製造の分野でも深く探求し、「レディ アーペル ジュール ニュイ」や「レディ アーペル プラネタリウム」といったポエティック コンプリケーション ウォッチの名作を次々と世に送り出しています。
そして2021年、満を持して発表されたハイジュエリー コレクション「スー レ ゼトワール」では、実に150点にも及ぶ壮大なピースで星々の姿を再解釈しました。ゴールドとダイヤモンドで土星の環を描いた「サチュルヌ クリップ」や、ハンマー仕上げのゴールドにサファイアとダイヤモンドが輝く球体、そして夜空を象徴するラピスラズリの球体をダイナミックに組み合わせた「ガリレー リング」など、息をのむような傑作群が誕生しています。
これらの尽きることのないクリエイションの源泉には、デザイナーたちのあくなき探求心があります。彼らはデザインのインスピレーションを得るため、神話や伝説、古典的な版画や絵画、天体写真まで幅広い資料を紐解いています。特に、ヨハネス・ケプラーの『夢』(1634年)や、カミーユ・フラマリオンの『通俗天文学』(1880年)といった初期の科学的著作物にも深く入り込み、天文学の歴史とポエジーを融合させることで、メゾンの拡大するレパートリーに豊かな命を吹き込んでいるのです。
「スーレゼトワールリング」(イエローゴールド、ダイヤモンド)¥2,890,000(税込)
「スーレゼトワールピアス」(イエローゴールド、ダイヤモンド)¥4,342,800(税込)
(2026年7月1日発売)
【Editor's View】
ヴァン クリーフ&アーペルのジュエリーが世界中の人々を魅了してやまない理由は、単に希少な宝石を使っているからだけではありません。そこには常に、自然や宇宙といった人間を超越した存在に対する深い敬意と、それをポエティックな物語として紡ぎ出す圧倒的な感性が存在しています。今回発表された「スー レ ゼトワール」の新作リングとピアスは、一見すると愛らしく丸みを帯びたフォルムですが、その裏側には古代から伝わるロストワックス鋳造や、極めて厳格な石の選定基準、そしてアシンメトリーな配置といった、メゾンが100年以上かけて培ってきた高度な技術力(サヴォアフェール)が静かに脈打っています。科学と芸術、そしてロマンが手のひらの上で完璧に融合したこのジュエリーは、私たちに夜空を見上げるピュアな喜びを再び思い出させてくれる特別なマスターピースと言えるでしょう。
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