2026.08.31
カテゴリ: キャンペーン
ジバンシィ by サラ・バートン 2026年秋冬ウィメンズキャンペーン
ジバンシィ by サラ・バートンが2026年秋冬に描くのは、ひとつの理想像に集約されない女性たちの姿です。クロアチアの鋼のように硬質な花崗岩を背景に、ユルゲン・テラーがカメラを向けたのは、エヴァ・ハーツィゴヴァ、カイア・ガーバー、ニャデュオラ・ガブリエル、リウ・ウェン、コンスタンス・ドブレ。異なる年齢や個性、経歴を持つ5人の存在が、サラ・バートンの描くジバンシィの新しい輪郭を浮かび上がらせます。精密なテーラリング、レザーのホワイトシャツ、豊かなドレープのイブニングドレス、遊び心を宿したアクセサリー。強さとセンシュアリティ、緊張感と華やかさが同居するコレクションは、女性を一つのイメージに当てはめるのではなく、それぞれの個性を照らすための衣服として姿を現します。

サラ・バートンが2026年秋冬のジバンシィで掲げるのは、女性を一つの理想像へ当てはめるのではなく、それぞれが持つ個性と内なる強さを見つめる姿勢です。今回のキャンペーンに登場する女性たちについて、バートン自身も、その率直な空気や個性を純粋に映し出したかったと語っています。彼女がジバンシィで手がけるデザインの核にあるのも、あらゆる女性のありのままの姿と輝きを捉え、讃えること。衣服を通して誰かを別の人物へ変えるのではなく、その人自身の存在感を際立たせるという考えが、今季のビジュアル全体を貫いています。
その考えを視覚化したのが、ユルゲン・テラーによる2026年秋冬キャンペーンです。舞台として選ばれたのはクロアチア。硬質な花崗岩が広がる風景の中へコレクションを置くことで、都市のスタジオでは得られない強いコントラストをつくり出しています。モデルたちの存在と自然の荒々しさが向き合うことで、サラ・バートンが今季描くジバンシィの輪郭がより鮮明に。背景が装飾になるのではなく、人物と衣服の強さを引き出す要素として機能しています。
今回登場するのは、エヴァ・ハーツィゴヴァ、カイア・ガーバー、ニャデュオラ・ガブリエル、リウ・ウェン、そしてフランス人作家で元弁護士のコンスタンス・ドブレです。5人は単なるキャンペーンのキャストではなく、サラ・バートンがジバンシィのスタジオでフィッティングを行う際にも関わる、メゾンにとっての「ファミリー」の一員。2026年秋冬のランウェイショーに流れていた熱狂的でエレクトリックな空気を、ともにつくり上げた存在でもあります。異なるキャリアや個性を持つ女性たちを一つの場に集めることで、今季のジバンシィが考える女性像に広がりを与えています。
テラーの写真では、ひとりひとりの女性が持つ「個」が強く前面へ出ています。鋭い花崗岩の景観に対して、ポーズや視線、表情は過度に演出されず、それぞれの人物そのものが画面を成立させます。そこには、アイデンティティ、年齢、センシュアリティ、フェミニニティといった要素を単一の価値観で定義しない、サラ・バートンの視点があります。公式の2026年秋冬コレクションでも、厳格なテーラリングから自由なドレープまでを一つの世界に共存させ、女性の複雑さを映す多面的な表現が打ち出されています。キャンペーンの一枚一枚は、そうしたコレクションの考え方を人物の存在感へ移し替えたものです。
服そのものに目を向けると、今季のジバンシィはメゾンを象徴する要素を、明確な輪郭で捉え直しています。精緻なカッティングと強いアティテュードを備えたテーラリングに加え、レザーで仕立てたホワイトシャツ、深いドレープと豊かなテクスチャーを持つイブニングドレス、そしてアクセサリーから立ち上がる遊び心がラインナップ。厳密な仕立てと自由な造形を同居させることで、フェミニニティを一つのスタイルに固定せず、着る人によって異なる表情を引き出します。サラ・バートンが今季掲げるのは、強さを硬質なものだけで表現しないアプローチです。シャープなカッティングの隣に柔らかなドレープを置くことで、ひとりの女性の中にある複数の側面をそのまま服へ映しています。
Direction: Sarah Burton
Photographer: Juergen Teller
Styling: Camilla Nickerson
Casting: Jess Hallett
Make up: Daniel Sällström
Hair: Kei Terada
Nails: Ama Quashie
Talents/THE WOMEN
Eva Herizgova, Constance Debré, Kaia Gerber, Liu Wen, Nyaduola Gabriel
Campaign Creative Director: M/M
【Editor's View】
今回のキャンペーンで興味深いのは、サラ・バートンが「女性の強さ」を服の装飾ではなく、人物との関係性から表現していることです。ユルゲン・テラーは、クロアチアの荒々しい花崗岩を背景に選びながら、人物を風景の一部へ埋没させるのではなく、それぞれの存在感を明確に残しました。これは、バートンが2026年秋冬コレクションで示している、個人のアイデンティティを外へ映し出すという考えともつながります。テーラリングの厳密さと、身体に沿って流れるドレープ。レザーの硬質さと、イブニングドレスの豊かな質感。異なる性質を対立させず、一人の女性の中に同時に存在するものとして扱うことで、ジバンシィの表現に奥行きが生まれています。キャンペーンに登場する5名も、それぞれ異なる背景を持つからこそ、一つの理想化された女性像ではなく、現在のジバンシィが向き合う多様な女性像そのものを形成しています。これはサラ・バートンによるジバンシィの方向性を、コレクションだけでなく人物と風景の関係から伝えるキャンペーンです。
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