Brand JOY

ダンヒルのブレザー、ウールやカシミヤからスエードまで素材の個性で広がる英国スタイル

ダンヒルが2026年秋冬に改めて光を当てるのは、英国紳士服の象徴ともいえるブレザーです。サイモン・ホロウェイが視線を向けたのは、サヴィル・ロウの仕立てとキングス・ロード周辺の自由な感性が交差した1960年代のロンドン。グレーから深いブラウン、ミッドナイトトーンへと移ろう抑制された色彩のなかで、テーラリングはより軽やかに、素材はより豊かな表情を見せます。ガンクラブチェックやダブルフェイスのウールとシルク、カーフスキンスエードといった異なる素材を駆使し、ブレザーをフォーマルとインフォーマルの境界を越えて着られる存在へ。英国の伝統を守りながら、その着こなしを自由にする。そんなダンヒルの現在形が、ひとつひとつの服に刻まれています。

ダンヒル 2026秋冬キャンペーン、英国テーラリングと現代の素材使いで描くブレザーの新章

ダンヒルの2026年秋冬キャンペーンは、メゾンを象徴するブレザーを起点に、英国テーラリングの現在形を描き出します。軸となるのは、英国の仕立て、素材、そして職人の手仕事。クラシックなルールを守ることだけを目的とせず、その背景にある技術と美意識を現代のワードローブへと移し替えることで、ブレザーが持つ可能性を広げています。テーラリングを中心に据えながら、レザーやモータリングに由来する要素も重ねることで、ダンヒルらしい英国スタイルを一面的ではないものとして提示しています。

今季の着想源となったのは、1960年代のロンドンです。サヴィル・ロウが培ってきた正統派のテーラリングと、キングス・ロード周辺に芽生えた個性的なスタイル。その二つの文化が交差した時代の空気を、クリエイティブ・ディレクターのサイモン・ホロウェイが現代へ引き寄せました。色彩はグレーのレイヤードから冬のブラウン、そしてミッドナイトトーンへと移り、あえて彩度を抑えたパレットを採用。そこに豊かな素材感と静かな緊張感を重ねることで、英国らしい端正さのなかに、映画のワンシーンのような陰影を与えています。

今季のブレザーは、柔らかな仕立ての「キャベンディッシュ」と、より構築的な輪郭を持つ「ボードン」という二つの方向から展開されます。いずれも伝統的な英国テーラリングをベースにしながら、着姿を硬く固定しない軽やかさを備えているのが特徴です。素材にも強いこだわりが込められており、ウールとカシミヤをブレンドしたガンクラブチェックは、125年以上の歴史を持つ英国のミルで織り上げられたもの。独自のハウンドトゥースと軽量なウィンドウペンのフランネルには、ヨークシャーの生地製造の伝統が息づいています。さらに、アーカイブに着想を得たポケット配置やボタンの間隔、シルク糸による手縫いのボタンホールを組み合わせ、細部まで英国仕立ての文脈を貫いています。公式の現行商品でも「キャベンディッシュ」はダンヒルのテーラリングを代表する構造のひとつとして展開されています。

ダンヒルの2026秋冬、1960年代ロンドンを着想にブレザーの美学を現代へ再構築
ダンヒル 2026秋冬、キャベンディッシュとボードンが示す英国テーラリングの新たな輪郭
今季の表現をさらに豊かにしているのが、素材によって変化するブレザーの表情です。インディゴのウールとシルクを組み合わせたダブルフェイス生地は、2枚の織り生地を一体化させる高度な構造を採用し、完成までに24時間を超える専門的な職人作業を要します。カーフスキンスエードは「ドライビングブレザー」に取り入れ、ブレザーによりスポーティな性格を与えました。革本来の質感を際立たせるため身頃と袖には裏地を設けず、ボンディング構造と手作業によるエッジペイントで輪郭を整えています。さらに、モータリングウェアから着想を得たアクションバックが動きやすさを高め、テーラリングとレザー、ダンヒルが長く培ってきた高度なクラフツマンシップが一着のなかで交差します。ダブルフェイス仕様のキャベンディッシュは、2面それぞれに異なる表情を持たせることで素材の可能性を引き出しています。
ダンヒルのブレザー、ウールやカシミヤからスエードまで素材の個性で広がる英国スタイル
ダンヒル 2026秋冬キャンペーン、サイモン・ホロウェイが描く静謐で映画的な英国のエレガンス

キャンペーン全体を手がけたのは、写真家で映像作家のイーサン・ジェームス・グリーンです。起用されたのは、ヘンリー・キッチャー、ダイスケ・ウエダ、RJ・ロジェンスキー、コリン・オットー、ハミッド・オニファデ。スタジオポートレートでは、柔らかな仕立てのブレザーだけでなく、ドライビングジャケットやスコティッシュウールのトレンチコートまで幅広いシルエットを捉えています。一方、スエードやボンディングレザー、ステッチ、メタルワークへ寄ったクローズアップでは、完成した服の印象だけでは見えにくい素材の質感や職人の手仕事に焦点を移します。人物、衣服、そしてそれを形にするクラフツマンシップを往復する構成によって、今季のダンヒルが目指す個性の探求を視覚的に表現しています。ダンヒル公式の2026年秋冬コレクションにおいても、イーサン・ジェームス・グリーンによるビジュアルと英国的なシネマティック感覚がコレクションの物語を補完しています。

ダンヒル / dunhill
お問い合わせ先: 0800-000-0835

dunhill.com


【Editor's View】
今季のダンヒルを読むうえで重要なのは、「英国らしさ」を記号として並べるのではなく、仕立ての構造と素材の選択そのものから現代化している点です。キャベンディッシュのような柔らかな仕立ては、ブレザーをフォーマルな場だけの服から解放し、ボードンの構築的なシルエットは伝統的なテーラリングに輪郭の強さを与えます。そこへウールとカシミヤ、シルク、スエード、ボンディングレザーといった異なる素材を重ねることで、同じ「英国テーラリング」という言葉の中にも幅が生まれています。特にダブルフェイスのウールとシルクは、2枚の生地を一体に織り上げる高度な技術によって、表裏それぞれに異なる表情を持たせるもの。手間をかけること自体を目的にするのではなく、素材の性質をデザインへ変換しているところに、ダンヒルのクラフツマンシップがあります。1960年代ロンドンに見られた正統と反骨の共存を、現代の服として成立させる。その視点こそ、今回のブレザーに宿る美学です。

BRAND SEARCH

CATEGORY

ABOUT

「BRANDJOY.JP」はラグジュアリーブランドなどの最新動向に関連するニュースをセレクトしてお届けしています。新作やコレクションを中心に、新規オープン、ビジネス・業界情報をまとめてチェック。

ARCHIVES



月間 TOP 10 ARTICLES

TOP