2026.04.21
カテゴリ: 新作
IWC シャフハウゼン「IWCプロセット」で、永久カレンダーの常識を覆すシームレスな前後調整を実現
時計愛好家にとって、永久カレンダーは知性の象徴でありながら、その繊細な設定には常に細心の注意が求められてきました。しかし、IWCシャフハウゼンが新たに提示した「IWCプロセット」は、そんな複雑機構との付き合い方を劇的に変えてしまいます。リューズ一つで日付を自由自在に前後させることができる快挙は、まさに時計製造における革命。伝統的な職人技と最先端のLIGAプロセスが交差する場所で生まれたこの機構は、複雑な天体のリズムを、私たちの指先に驚くほど身近なものとして引き寄せてくれました。堅牢なエンジニアリングの中に、サン=テグジュペリの物語のようなロマンティシズムを宿した新作。それは、技術の粋を尽くしながらも、常に使う人の心に寄り添うIWCらしい哲学の結晶です。

ジュネーブで開幕したウォッチ&ワンダーズにて、IWCシャフハウゼンは永久カレンダーの次代を担う「 パーペチュアル・カレンダー・IWC-ProSet(IWCプロセット)」を初公開しました。特筆すべきは、ホイールによる完全同期設計により、複雑機構では類を見ないシームレスな前後調整が可能になった点です。設定のストレスから解放されるこの革新は、1040年でわずか1日の誤差という驚異的な精度のムーンフェイズと共に、18Kレッドゴールドやホワイトセラミックなどの3つの洗練された装いで登場しました。

1985年にクルト・クラウスが「ダ・ヴィンチ」で打ち立てた金字塔を、次世代の技術者たちが「IWCプロセット」で見事に進化させました。この新機構は、CEOクリストフ・グランジェ・ヘアが語るように、蓄積された専門技術の集大成であり、時刻合わせと同じ感覚でカレンダー操作を再定義するものです。複数の特許に守られた独自のホイールシステムは、高級時計製造の難題を克服し、伝統の継承と未来へのビジョンを、比類なき操作性という形で具現化しています。



パーペチュアル・カレンダー・プロセットには3種類のバージ ョンがあります。
ホワイトの酸化ジルコニウム・セラミックケースが目を引く「ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアル・カレンダー・プロセット “プティ・プランス”」は、43mmの存在感あるサイズで登場。深みのあるブルーの文字盤に、ロジウムメッキの針とスーパールミノバが夜空のような輝きを添えます。EasX-CHANGEシステムを搭載したホワイトのラバー・ストラップとの組み合わせは、スポーティでありながらも、洗練された大人のワードローブに相応しい気品を漂わせます。


直径42mmのステンレススティールモデル「ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアル・カレン ダー・プロセット “プティ・プランス”」(Ref. IW329601)は、精悍な5列ブレスレットとディープブルーの文字盤が調和する、日常の装いを支える要となる一本です。裏蓋には「星の王子さま」の刻印が施され、ゴールドメッキのローターメダルが物語の世界観を優雅に演出。EasX-CHANGEシステムにより、付属のブルーラバーストラップへ工具なしで瞬時に交換できる利便性も魅力です。実用性と詩的な美学が共存するこのタイムピースは、アクティブな日々を豊かに彩るパートナーとなります。
18Kレッドゴールドの温かみのある輝きに、ダークオリーブグリーンの文字盤を合わせたモデル(Ref. IW329602)は、まさに上質なスタイルを知る人のための選択肢です。ゴールドのアプライド・インデックスと針が放つ重厚な煌めきは、同色のバッファローレザー・ストラップと相まって、手元に唯一無二の洗練をもたらします。42mmの端正なケースに収められたこの色彩のコントラストは、落ち着きの中に確かな個性を宿し、知的な装いの核として静かに主張します。

「IWCプロセット」の真骨頂は、ホイールのみで構築された独創的な多層構造により、リューズ一つで日付を両方向に調整できる簡便さにあります。従来の複雑な操作メニューやコレクターボタンを排除し、1日単位で正確に修正できる特許取得の機能は、使い手の所作をよりスマートに整えてくれるでしょう。さらに、計算し直された減速ホイールが導き出すムーンフェイズは、月の軌道との誤差が1040年でわずか1日という、天文学的な精度を誇るまでに高められています。

7時位置に配された4桁の年表示は、IWCの永久カレンダーを象徴するアイデンティティです。内部では「月の長さホイール」に刻まれた複雑な幾何学形状が、31日未満の月を賢く判断し、月末には柔軟なフィンガーが伸長して翌月1日へと一気にカレンダーを進めます。北半球と南半球の両方の月相を示すダブルムーン表示と相まって、機械式プログラムが刻む正確なリズムは、壮大な宇宙の営みを小さなケースの中に凝縮させたような、知的な驚きを感じさせてくれます。
この入り組んだ形状の極微細な部品を実現したのは、最先端のLIGAプロセスによるマイクロエンジニアリングです。リソグラフィーと電気メッキを組み合わせたこの技術が、従来の加工では不可能だった精度と機能の統合を可能にしました。心臓部には自立したエネルギーを生むペラトン自動巻き機構を備えたキャリバー82665を搭載。摩耗に強いセラミック部品を採用したこの高精度ムーブメントの精緻な装飾は、シースルー裏蓋から心ゆくまで鑑賞することが可能です。
【Editor's View】
IWCシャフハウゼンが今回の「IWCプロセット」で成し遂げたのは、単なるスペックの向上ではなく、複雑機構に対する「心理的なハードル」の撤廃です。これまで永久カレンダーといえば、操作ミスによる故障を恐れながら扱う繊細な存在でしたが、リューズ一つで、しかも前後双方向に調整可能としたことで、時計は再び使い手の自由な手に取り戻されました。特に「プティ・プランス」モデルに見られる、ホワイトセラミックの潔いモダンさと、18Kレッドゴールドのクラシックな優雅さの対比は、どのようなライフスタイルにも寄り添う多様性を提示しています。LIGAプロセスというハイテクを駆使しながらも、ローターに「星の王子さま」を宿す遊び心を忘れない。そんなエンジニアリングとロマンティシズムの融合こそが、私たちがIWCというブランドを信頼し、そのタイムピースを人生の伴走者として選びたくなる最大の理由なのだと再確認させてくれます。
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