2026.04.26
カテゴリ: 新作
IWC シャフハウゼン 昼夜で変貌する2つの顔、セラリューム(R)技術がもたらすパイロット・ウォッチ全体の発光
時計が時を刻むだけでなく、自ら光を放ち、空間の主役となる瞬間。IWCシャフハウゼンが発表した「ビッグ、パイロット、ウォッチ、パーペチュアル、カレンダー、セラリューム(R)」は、まさにそんな魔法を体現したタイムピースです。ジュネーブのウォッチズ&ワンダーズで披露されたこの新作は、長年培われたセラミック技術と、光を可視化するエナジーが共鳴して誕生しました。40年以上にわたり素材の限界に挑んできたIWCだからこそ到達できた、昼夜で劇的に変貌する「2つの表情」。それは効率を求める現代において、あえて視覚的な愉悦を追求する知的な大人のための遊び心といえるでしょう。最新のエンジニアリングが紡ぎ出す、青く透き通るような光の物語を紐解きます。

世界限定250本という希少性で発表された「ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアル・カレンダー・セラリューム®」が、2026年4月14日のウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブにて鮮烈なデビューを飾りました。IWCシャフハウゼンが独自に開発した「セラリューム(R)」技術を駆使した本作は、蓄電池のような役割を果たすスーパールミノバ(Super-LumiNova(R))を、ケースだけでなく文字盤やラバー、ストラップにまで採用しています。この発光セラミック技術により、暗闇では時計全体が24時間以上も鮮やかなブルーの光を放ち続けるのです。光を吸収し、それを驚異的な輝きへと変換するこのモデルは、機能性と芸術性が高度に融合した、まさに光り輝くイノベーションの結晶といえるでしょう。

IWCシャフハウゼンが1986年に高級時計界へ先駆けて導入して以来、硬質で傷に強いセラミックは、ブランドの素材開発における専門性を象徴する存在となりました。これまでにもブラックの炭化ホウ素やブラウンの窒化ケイ素、さらにはCMC(セラミック、マトリックス、コンポジット)といった先進素材のケースを次々と世に送り出してきた同マニュファクチュール。昨年、初のコンセプト、ウォッチで注目を集めた独自技術「セラリューム(R)」が、ついにブランドの誇る複雑機構と結実しました。40年に及ぶ探求の歴史が、パイロット、ウォッチ、コレクションという象徴的な舞台で、新たな素材革新の扉を押し広げたのです。
「ビッグ、パイロット、ウォッチ、パーペチュアル、カレンダー、セラリューム(R)」(Ref. IW505801)の真価は、環境によって劇的に変化するその「2つの表情」にあります。日中、46.5mmの発光ホワイト、セラミックケースは、質感の異なるホワイトやグレーのインデックス、そしてグレーの針と調和し、マットと光沢の美しいコントラストを奏でます。しかし一度周囲が暗転すれば、スーパールミノバ(R)を纏ったケース、文字盤、ストラップが青白く強烈な輝きを放ち、その中で数字やインデックスが黒く浮かび上がるという幻想的な変貌を遂げるのです。日光の下での洗練と、暗所での圧倒的な視覚効果。この二面性は、ワードローブに唯一無二の刺激を求める方にとって、手元を託す最高の一本となるはずです。


この画期的なセラリューム(R)を誕生させたのは、IWCのエンジニアリング部門であるXPL(IWC エクスペリメンタル)と、発光顔料の世界的権威であるRCトリテック社による長年の共闘です。太陽光や人工光を吸収して蓄え、それを可視光として再放出するこの素材は、そのサイクルを無限に繰り返すことが可能です。数年にわたる開発を経て完成した光蓄電池のような性質を持つこの化合物は、スイスが誇る高度な技術力とエンジニアリング精神が、素材そのものに命を吹き込んだ成果といえるでしょう。
酸化ジルコニウムをベースとする従来のセラミックとは異なり、発光セラミックの製造には、性質や粒子サイズの異なる原材料を完全に均一化するという極めて困難なプロセスが求められました。IWCの技術陣はこの課題に対し、回転するドラム内の小さなボールの衝撃と摩擦を利用して混合物を分解する、専用のボールミル加工プロセスを考案しました。セラミック粉末とスーパールミノバ(R)顔料を、分子レベルで均質にブレンドすることに成功したこの精密なエンジニアリングこそが、ムラのない完璧な発光を可能にしています。ディテールへの執念が、この滑らかで均一な輝きの基盤を支えているのです。


象徴的な 永久カレンダー機構
内蔵されているのは、1980年代にクルト、クラウスが考案した、IWCが誇る伝説的な永久カレンダー機構です。4年ごとの閏日を機械的に認識し、月の長さの違いを自動で修正するこの複雑機構は、日付、曜日、月、そしてムーンフェイズを4つのサブダイアルに美しく表示します。7時と8時の間に刻まれる4桁の年表示、そして南北両半球の月の満ち欠けを同時に示すダブルムーン(R)表示は、ブランドのシグネチャー。精密な減速ホイールの計算により、577.5年という途方もない歳月を経てなお、わずか1日の誤差しか生じさせないその精度は、まさに時代を超えて受け継がれる知の遺産です。
ペラトン巻き上げシステム搭載の高級自動巻きキャリバー
このカレンダーモジュールを駆動させるのは、自社製キャリバー 52616 です。主ゼンマイに168時間、すなわち7日間のロングパワーリザーブを蓄えるこのムーブメントは、摩耗の少ないセラミックパーツを採用したペラトン自動巻き機構によって高い信頼性を確保しています。さらに、サファイアガラスの裏蓋から覗くローターのメダルにまでスーパールミノバ(R)が施されており、暗闇で「Probus Scafusia」の刻印が浮かび上がる趣向が凝らされています。ブルースティールのネジやペルラージュ装飾が施された内部構造は、視覚的な愉悦を約束する仕上げ役として、時計の品格を裏側からも支えています。
耐衝撃性や新素材の研究に特化した精鋭部門、IWC エクスペリメンタル(IWC XPL)の使命は、機械式時計の限界を宇宙のような極限環境にまで拡張することにあります。かつて発表されたSPRIN-g PROTECT(R)ショックアブソーバー、システムに続き、今回のセラリューム(R)という発光技術を世に送り出したことは、彼らのたゆまぬ挑戦の証。基礎研究からプロトタイプの開発、そして製品化へと至るこの強固なエンジニアリングの系譜は、パイロット、ウォッチという過酷な状況を想定したコレクションに、新たな次元の信頼性を授けてくれるに違いありません。
IWCシャフハウゼンは、スーパールミノバ®の商標の所有権 を保持していません。これらの商標は第三者の法的財産と して保護されています。
【Editor's View】
IWCが提示した「セラリューム(R)」は、ラグジュアリーウォッチにおける素材の役割を根本から再定義しました。かつてのセラミックは「傷のつきにくさ」を競うものでしたが、本作では「光そのものを纏う」というエモーショナルな価値へと昇華されています。特に46.5mmという存在感のあるサイズで、ケース全体がブルーに輝く様は、従来の夜光塗料の域を超えたアートに近い感覚を覚えます。パイロット、ウォッチとしての堅牢なルーツを保持しながら、これほどまでに幻想的な表情を持たせたバランス感覚は見事の一言。機能美にモダンなツイストを求める、感度の高い時計ファンにとって、手元を託すに値する唯一無二の伴走者となるに違いありません。
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