2025.10.22
カテゴリ: 新作
ポメラート 「ビザンツィオ」カプセルコレクション誕生、輝きの遺伝子を継ぐ現代ジュエリーの新章
古代の壮麗な装飾と現代の洗練された感性が出会う場所。イタリア・ミラノの名門ジュエリーメゾン、ポメラートが新たに発表したカプセルコレクション「ビザンツィオ」は、ブランドが育んできた色彩哲学とクラフツマンシップの粋を凝縮したシリーズです。アーカイブに眠る遺産を現代的な感覚で蘇らせ、ひとつひとつのピースが異なる時代の記憶を纏うように仕立てられています。強さと優美さを併せ持つデザインは、ジュエリーを単なる装飾ではなく、個の表現として昇華させるポメラートの美学そのもの。今季、ファッションとアートの境界を曖昧にする新しいジュエリーの形が提示されています。
イタリアンジュエリーの名門ポメラートは、メゾンのアーカイブに宿る美意識を現代に再び呼び覚ますシリーズ「MEMORIE D’ARCHIVIO(メモリエ ダルキヴィオ)」の一環として、新たなカプセルコレクション「ビザンツィオ」を発表しました。この限定コレクションでは、熟練の職人による技巧と自然が育んだジェムストーンの表情を融合させ、過去の名作を新たな感性で再構築しています。古代の装飾芸術から着想を得ながらも、現代女性が求める強さと柔らかさを併せ持つ造形が印象的です。伝統を継承しながらも時代を超えて愛されるデザインへの探求が、ポメラートの真髄として息づいています。
今回フォーカスされるのは、1990年代に誕生し大胆なカラーストーンづかいで知られる「ビザンツィオ」。2025年版として生まれ変わったこのコレクションは、メゾンの先進的な精神を象徴する存在です。ボリュームのある造形と艶やかな色彩が見事に調和し、16種類のストーンコンビネーションによるリングとネックレスが展開されます。ひとつひとつの組み合わせが異なる物語を語り、まるで色の詩のように身にまとう人の個性を際立たせます。現代的な解釈を通じて、アーカイブの美学を新たな命で再生させたこの試みは、ファッションとアートの境界を軽やかに越える試みとしても注目されます。
ポメラートのクリエイティブ・ディレクター、ヴィンチェンツォ・カスタルドは「古代の華やかさが時を経て形を変え、ビザンツィオに息づいている」と語ります。カボションストーンの艶めきやボリュームのある造形が放つ存在感は、まるで現代の王族の装飾を思わせます。重厚さの中に潜む繊細な官能美が、手元やデコルテに豊かな奥行きを与えるのです。その語り口からも、ポメラートが単に過去を模倣するのではなく、感情を宿すような作品づくりを志向していることが伝わります。
カボションの芸術
このコレクションの中心にあるのは、ポメラートを象徴するカボションカットの技術です。丸みを帯びたドーム型のフォルムは、メゾンが掲げる「洗練された大胆さ」を体現しています。さらに、クッションスクエア型のカットでは、ストーンが本来持つ色合いや模様が際立ち、古典的な造形美を現代的な感性へと優雅に昇華させます。光の流れが石の表面をやわらかくすべり、重量感やバランス、肌への馴染み方までも計算された仕上がりです。視覚的なボリュームと繊細な着け心地を両立させた構築美が、メゾンの技術力を物語っています。
「ビザンツィオ」を彩るカラーパレットは、ポメラートの色彩美学の集大成ともいえる構成です。パイロープガーネットやオレンジサファイア、ブラウンダイヤモンドが描く炎のような温かさ、アマゾナイトとパライバトルマリンが生む清涼な輝き、ロードクロサイトとデマントイドの繊細な調和、ラピスラズリとタンザナイトが放つ深淵の青、それらをまとめる縞模様のアゲートがホワイトダイヤモンドによって一層引き立ちます。自然界のエネルギーを凝縮したような配色は、見る角度によって異なる光を纏い、装いにアートピースのような個性を与えます。ファッションの一部としてではなく、自己表現の延長として楽しめるジュエリーとしての存在感が際立っています。
見えざる芸術
ビザンツィオの技術的革新の核心を担うのは、見えない構造の妙にあります。フラッシュセッティングという高度な技法によって、ジェムストーンを支える枠が姿を消し、まるでストーンがローズゴールドの地金に溶け込んだかのような錯覚を生み出します。クロスペンダントはこのコレクションの象徴的存在であり、重厚さと静謐さを兼ね備えた造形が印象的です。古代の象徴を現代の造形感覚で再構築し、選び抜かれたジェムが直線的なゴールドのフォルム上で鮮烈なコントラストを描き出します。リングは彫刻作品のように手元を際立たせ、楕円リンクのチェーンに揺れるペンダントは、職人技と色彩の詩情を体現する象徴的なピースとなっています。
色彩という言語
ポメラートが長年培ってきた色彩哲学は、透明と不透明という異なる質感の対話から生まれます。クリスタルの鮮やかさとハードストーンの艶めきが、繊細なパヴェによって層を成し、立体的な輝きを放ちます。その意外性のある組み合わせは、ミラノの美意識に根差した創造の自由を示すもの。洗練された構成の中に軽やかな遊び心が宿り、整然としながらも生き生きとした表情を見せます。この知的なバランス感覚こそが、ポメラートが世界中のジュエリーラバーを惹きつけ続ける理由と言えるでしょう。
「ビザンツィオ」では、この色彩の言語が現代的なビザンティンの幻想へと昇華されています。堂々とした美しさとモダンな魅力を併せ持ち、身にまとう人に力強い印象を与えます。ポメラートが掲げる「フリージェム」の哲学は、宝石そのものの個性を尊重し、固定概念に縛られない選択やカットを追求してきました。その結果として生まれたのが、唯一無二の色彩辞典ともいえるコレクションです。大胆さの中に品格を宿し、個性を際立たせながらも全体の調和を崩さない。この絶妙な均衡が、ポメラートの創作に息づく美学を象徴しています。
受け継がれるレガシー
⑨2017年、創業50周年を記念して発表された「リトラット」では、ハードストーンをオートクチュールの精緻さで主役へと昇華しました。昨年は、歴史的な「モラ」と「モザイコ」が再解釈され、メゾンの色彩のバリエーションをさらに豊かにし、ミラノの金細工技術の伝統を強調しました。「ビザンツィオ」は、1990年代にポメラートがカラーのジェムストーンを真のラグジュアリーへと昇華させ、ファインジュエリーの概念を刷新したことを象徴しています。このカプセルコレクションは、メゾンの歴史を現代の鑑賞者のために新たな宝物として再解釈し、すべての作品がミラノのカーサ・ポメラートで丁寧にハンドクラフトされています。
創業50周年を祝して2017年に発表された「リトラット」では、ハードストーンが主役として再解釈され、オートクチュールさながらの精緻な仕立てが注目を集めました。その後も「モラ」や「モザイコ」など歴史的コレクションが次々と再編され、ミラノの金細工文化の伝統を現代に継承しています。「ビザンツィオ」は、1990年代にポメラートがカラージェムをラグジュアリーの領域へと押し上げ、ファインジュエリーの概念を刷新したことの象徴といえる存在です。この新たなカプセルコレクションは、メゾンの歩みを現代的な審美眼で再読し、ミラノのカーサ・ポメラートでひとつひとつ丁寧にハンドクラフトされています。時を超えて愛されるジュエリーを創出する、その精神の結晶といえるでしょう。
【Editor's View】
「ビザンツィオ」は、古代と現代が呼応するように生まれた“時間のアート”として完成されたコレクションです。ボリューム感のある造形とカラーストーンの調和、そして職人の緻密な技が共に息づき、ジュエリーを装いを超えた表現へと導いています。ポメラートが培ってきた「自由な色彩の哲学」は、今季さらに深化し、身に着ける人の感性をやわらかく照らす存在へと昇華されています。ファッションを楽しむ人々にとって、「ビザンツィオ」は自己表現の可能性を広げる新しいスタイルの象徴といえるでしょう。
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