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タグ・ホイヤー TH-チタンが拓く時計デザインの未来、最新作「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ」の真価

タグ・ホイヤーの新たな挑戦、極限の軽量化と精緻な技術が結実したモナコ新作

タグ・ホイヤーがスイスの高級時計界において新たなページを刻むように、「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ」の2025年エディションを発表しました。今回のモデルは、ブランドが得意とする素材革新への探求を象徴しており、社内で一貫して開発されたチタン素材によって、見る者に強い印象を与える仕上がりを実現しています。このチタンは「TH-チタン」と名付けられ、その独特な質感と生命感を宿すような存在感によって、タグ・ホイヤーの新たなビジュアルアイデンティティを明確に主張しています。

タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ イノベーションのかたち

イノベーションのかたち

1969年に誕生して以来、「モナコ」はタグ・ホイヤーの象徴的なコレクションのひとつとして知られ、挑戦的なデザインで知られてきました。独特な角型ケース、左側に配置されたリューズ、そして特徴的なブルーダイヤルを備えた「ホイヤー モナコ」は、時計のデザインにおける常識を覆したモデルです。特に注目すべきは、防水性能を有した世界初の自動巻角型クロノグラフとして登場した点であり、この特性が「モナコ」を時計史上の金字塔へと押し上げました。その先進的な美学は、サミー・デイヴィスJr.、スタンリー・キューブリック、スティーブ・マックイーンら、芸術性と先見性を兼ね備えた人物たちからの支持を集めました。

スプリットセコンド機構

タグ・ホイヤーがスプリットセコンド クロノグラフに注力するようになったのは、今から1世紀以上も前に遡ります。1900年代初頭には、メゾンが制作したストップウォッチやダッシュボードタイマーといった多彩なモデルを通じて、この複雑機構に対する深い研究と開発が進められてきました。1916年には、1/100秒単位で2つの時間を個別に計測できるストップウォッチ「マイクロスプリット」が誕生し、メゾンの技術的挑戦が明確に現れた転機となりました。

タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ スプリットセコンド機構

20世紀初頭のオリンピック競技大会に使用されたストップウォッチや、モータースポーツに活用されたダッシュボードタイマーなど、タグ・ホイヤーの計時機器は高精度を追求する中で確固たる信頼を獲得していきました。こうした流れの中でスプリットセコンド機構の進化は自然な成り行きであり、数十年にわたる精度の追求と技術の蓄積が、新しいスプリットセコンド搭載モデルの登場へとつながっていきました。タグ・ホイヤーにとって、この機構は単なる技術ではなく、ブランドの哲学を体現する存在となっています。

時計製造の限界を超える、スプリットセコンド搭載モナコの進化と挑戦

1960年代に入ると、ホイヤーのストップウォッチはモータースポーツ界で不可欠な存在となり、特にスプリットセコンド クロノグラフ「Ref. 11.402」は、1/10秒単位の計測精度を実現し、伝説的なモデルとして知られるようになりました。この時計を使用していたのが、F1の名門スクーデリア・フェラーリのタイムキーパーであったジャン・カンピチェです。さらに1989年には、タグ・ホイヤーがクォーツ式のスプリットセコンド クロノグラフを発表し、アイルトン・セナ、ゲルハルト・ベルガー、ミハエル・シューマッハといったモータースポーツ界の巨星たちから高い支持を受けることとなりました。

2024年、タグ・ホイヤーはこの複雑機構を新たに復活させ、「タグ・ホイヤー モナコ」コレクションに2つの新モデルを加えました。ひとつはブランドの伝統色であるオリジナルブルー、もうひとつはエネルギーに満ちたレーシングレッドで構成されており、熟練した職人技術と、デザインおよび素材に対する大胆な姿勢が融合したタイムピースとして登場しています。この2モデルは、クラフツマンシップと革新的な設計精神が出会う場を象徴しています。

タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ ムーブメントの奥行き感

ムーブメントの奥行き感

本モデルでは、ケースからムーブメントに至るすべての構成部品にチタンを用いることで、極限の軽量化が追求されています。サファイアクリスタルを組み合わせた設計によって、構造に奥行きがもたらされ、時計全体の立体感が際立つよう工夫されています。このモデルは、ヴォーシェ・マニュファクチュール・フルリエ社と協業で開発されたキャリバー「TH81-00」を搭載しており、こちらもチタン製で、重さはわずか30グラムという驚異的な軽さを実現しています。

通称「ラトラパンテ」とも呼ばれるスプリットセコンド機構は、2つの異なる時間を同時に測定可能な高度な複雑機構であり、精密な作業を要するため高い時計技術が求められます。一般的なクロノグラフをはるかに凌ぐ精度と機能性を提供するこの機能は、サーキットでのラップタイムの計測や、複数競技の時間管理に対応し、計測における圧倒的な性能を発揮します。さらに、このムーブメントにストラップとバックルを加えた総重量は86グラムに留まり、着用時にも驚くべき軽快さを提供します。

タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ TH-チタン誕生

TH-チタン誕生

タグ・ホイヤーが今回の新作タイムピースにおいてさらなる高みを目指した象徴として挙げられるのが、金属の構造そのものを根本的に変えた革新的なチタン素材「TH-チタン」で削り出されたケースです。この素材は、開発に4年以上の歳月を要した末に完成したものであり、素材技術における新たな段階への到達を意味しています。この開発を主導したのは、ラ・ショードフォンにある社内の研究開発施設「タグ・ホイヤー ラボ」。最先端の設備が整うこのラボには、多様な分野の専門知識を持つ科学者やエンジニアが結集し、時計製造の限界を超える取り組みに日々挑戦し続けています。

この特別な金属の真価は、タグ・ホイヤー独自の熱処理プロセスによって原子レベルで構造が変化する点にあります。熱処理を施すことで、素材の内部に秘められていた構造が顕在化し、表面には光の反射によって変化する自然で不規則な模様が浮かび上がります。この模様は人の手ではなく、素材自体が生み出す唯一無二のデザインであり、それぞれのピースがアートとしての個性を持っています。さらにこのTH-チタンは、極めて過酷な条件下での使用を想定して航空宇宙部品や高性能車両のコンポーネントに採用されてきた、高い強度と耐食性、エネルギー保持特性を備えたチタン合金です。

この素材の魅力を最大限に引き出すため、タグ・ホイヤー ラボは合金の原子構造を再構築する特別な熱処理工程を開発しました。この工程によって、TH-チタンに独特の視覚的効果が加えられ、表情豊かで洗練された質感がケース表面に現れます。そこに浮かぶ模様は、変化の瞬間をそのまま閉じ込めたかのように定着し、視覚的な美しさだけでなく、素材が持つ優れた耐久性をも象徴しています。時計という枠を超えた存在感を、外装そのものが語っています。

露わになる精密さ

こうした独自素材による奥行きあるケースに呼応するかのように、「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ」では、引き続き印象的なサファイアクリスタルのベゼルとダイヤルを採用しています。透明性に優れたサファイアクリスタルが、造形と機能が交差する精緻なメカニズムの構造美を、視覚的に楽しめる設計として引き立てています。

ダイヤルの内部では、ブラックオパーリンのクロノグラフカウンターが鮮明な視覚的コントラストを演出し、スプリットセコンド針には鮮やかなライムグリーンが配されています。このカラーは、チタン製のスプリットセコンド プッシュボタンやカウンター針にも用いられており、レーシングの世界において速度と精密さを象徴する色彩と同調しています。さらに、ダークトーンで構成されたブリッジと、熟練職人の手で磨き上げられたポリッシュ面との間で生まれる光と影のバランスが、ムーブメント内部の劇的な美しさを際立たせています。

タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ 側面

この視覚的演出を完成させているのが、ケースバックに全面的に採用されたサファイアクリスタルです。透明な裏蓋からは、「キャリバーTH81-00」の複雑な構造が遮るものなく確認でき、ローターにはタグ・ホイヤーの象徴であるシールド形状が施されています。浮遊しているかのような視覚効果と、サテン仕上げで強調された輪郭、そして手作業によって刻まれたチェッカーフラッグパターンが、構造内部にさらなる奥行きとディテールを与えています。これらの意匠が一体となり、卓越したムーブメントの存在感を際立たせています。

このタイムピースの個性をさらに明確にするディテールとして、レーシングカーへのオマージュを込めたストライプが手描きで施されています。テンプブリッジの隣接部分には、サテン仕上げと職人によるポリッシュ面取りが共存しており、精密な設計とクラフツマンシップとの対話が、表面の細部から静かに伝わってきます。技術と美意識の緻密なバランスが、ダイナミズムと静けさを同時に体現しています。

このタイムピースは、各個体に刻印されたシリアルナンバーを有しており、組み合わせとしては、チタン製のバックルを備えたブラックカーフレザーストラップが選ばれています。ストラップには、テキスタイルパターンとハンドステッチが施されており、素材の質感と手仕事による仕上げの繊細さが共鳴する構成となっています。

「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ」の最終的な完成形には、ブランドが掲げてきたアヴァンギャルドな精神が余すところなく込められています。慣習にとらわれず、自らの価値観で未来を切り拓くという姿勢が、このタイムピース全体に宿っており、環境や時代の変化に応じて自在に表現を進化させる力強さと柔軟さが見て取れます。この作品は、タグ・ホイヤーが目指すビジョンと創造性、そして時計製造における未来志向の姿勢を、明確に象徴する存在です。

<タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ>

タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ 正面





タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ 裏スケルトン



https://www.tagheuer.com/CBW2185.FC8350.html

CBW2185.FC8350 /2084万5000円(税込予価)/ 2025年5月発売

TH81-00 / 自動巻 / サファイアクリスタルダイヤル / TH-チタン製ケース / ケース径 41 mm / 30m防水 / ブラックカーフストラップ

www.tagheuer.com
X:@TAGHeuerJapan ‏, Facebook:@TAGHeuer , LINE:@tagheuer
#TAGHeuer #タグホイヤー

お問い合わせ
LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー 
TEL : 03-5635-7030

 

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