2026.10.08
カテゴリ: 新作
ポメラート「モネータ オリエンターレ」、1997年のアーカイブを現代へつなぐ新たなタリスマン
ひとつの円の中に、もうひとつの象徴が潜んでいます。ポメラートの年次プロジェクト「MEMORIE D'ARCHIVIO(メモリエ ダルキヴィオ)」が2026年に取り上げるのは、1997年に生まれた「モネータ オリエンターレ」。当時のミニマルなコインモチーフを受け継ぎながら、ローズゴールド、色鮮やかなハードストーン、そしてポメラートを象徴するイレギュラーパヴェを組み合わせ、現代のタリスマンへと姿を変えました。ブラックジェイドやアマゾナイト、ラブラドライト、ロードクロサイトなど、石が秘める個性を前面に押し出した33通りのバリエーションも魅力。円と四角、光沢と不透明感、規則性と自由な配置が交差する新作です。
ポメラートが毎年ひとつのアーカイブデザインを現代的に読み替える「MEMORIE D'ARCHIVIO(メモリエ ダルキヴィオ)」に、新たな章が加わります。2026年の主役となるのは「モネータ オリエンターレ」。過去の象徴的なクリエイションをそのまま復刻するのではなく、現代の感性から新しい造形と色彩を与えることで、アーカイブに宿る魅力を再び引き出しています。今回は、時をかけて形成された鉱物の色や質感にも焦点を当て、ジュエリーの中心にハードストーンを据えた構成に。記憶を受け継ぎながら、現在のポメラートらしい色彩感覚へつなげています。
「モネータ オリエンターレ」の原点は、1997年に制作されたアーカイブピースです。マットなイエローゴールドによるミニマルなコインとして誕生したデザインを、今回は現代のタリスマンへと再構築。円の中心に四角を置いた特徴的なモチーフは、古くから天と地、繁栄と安定の調和を示す象徴として捉えられています。今回のコレクションでは、その普遍的な形を33通りのストーンとパヴェの組み合わせへ展開。石の色や輝きによって印象が変わるため、同じモチーフでありながら、それぞれ異なる意味と表情を持つ仕上がりです。身につける人のそばで静かに輝く、守護のためのジュエリーとして再び息を吹き込まれました。
造形の面でも、オリジナルの記憶を細やかに残しています。中心に置かれるコインモチーフは、あえて均整の取れすぎない有機的な輪郭に仕上げ、その周囲を丸みを帯びたスクエアフレームが取り囲みます。この構成は、1997年のアーカイブに見られたディスク中央の四角い空洞を想起させるもの。円と四角という異なる幾何学を一つの造形に収めることで、グラフィカルでありながら硬さだけに寄らない印象を生み出しています。さらに、フレームの面や角度が動きに応じて光を受けるため、石の不透明な表情とメタルの反射が重なり、身につけるたびに異なる輝きが生まれます。
「モネータ オリエンターレ」は、サイズによって二つの方向性を楽しめます。ラージモデルでは、中央のストーンを囲むフレーム全体へパヴェを広げ、同系色でまとめた穏やかな組み合わせから、石との色差を効かせた大胆なコンビネーションまで展開。最も華やかなバリエーションでは、パヴェがプロングセッティングのグリフにまで及び、フレームそのものが光を放つような仕上がりです。一方のスモールモデルは、より軽快な佇まい。艶やかなローズゴールドのフレームを主役にしながら、ダイヤモンドはグリフに絞って配置することで、石とゴールドの質感をバランスよく引き立てています。
色彩の中心を担うのは、ローズゴールドの温かな色調と組み合わせた多彩なハードストーンです。ブラックジェイドとトルマリンクォーツは深い色合いを描き、アマゾナイトとソーダライトでは海や空を思わせるブルーが前面に。キウイジェイドとライオライトは鮮やかなグリーンで生命力を感じさせ、ルチルクォーツとラブラドライトは内部に光を抱えたような表情を見せます。さらに、ロードクロサイトとレッドアゲートは赤やピンクの温もりを添え、ひとつのカラーパレットの中にも幅広いニュアンスを生み出しています。石それぞれの個性を活かすことが、「モネータ オリエンターレ」の色彩表現の核です。
中央のジェムストーンを際立たせるのが、ポメラートを象徴するイレギュラーパヴェです。ホワイト、ブラック、ブラウンのダイヤモンドに加え、ブルーサファイヤ、ルビー、デマントイドガーネット、オレンジサファイヤなどを組み合わせ、フレームやグリフ、あるいはその双方へ不規則にセッティング。石の大きさや間隔をあえて均一に揃えず、有機的に散りばめることで、整然とした幾何学とは異なる躍動感を生み出しています。不透明なハードストーンの表面と、細かな宝石が返す光を同じ造形の中で共存させることによって、マットと輝き、静けさと動きが思いがけないバランスで重なります。
「メモリエ ダルキヴィオ」:ミラノに受け継がれる伝統
ポメラートが色鮮やかなハードストーンの魅力を掘り下げてきた歩みは、2017年の「リトラット」「アルモニエミネラーリ」「スカラベオ」などに始まり、2024年に「メモリエ ダルキヴィオ」へとつながりました。これまで「モラ」「モザイコ」、そして「ビザンツィオ」と、毎年異なるアーカイブデザインに新たな解釈を加えてきた流れを受け、今回は「モネータ オリエンターレ」がその役割を担います。1997年のミニマルなコインを起点に、色彩、光、石の個性を加えた現代的なジュエリーへ更新された本コレクションは、2026年10月末にニューヨークで正式発表予定。日本では11月15日からオーダーを開始し、すべての作品がミラノのカーサ・ポメラートで熟練した職人の手によって一つひとつ仕上げられます。

【Editor's View】
ポメラートの「モネータ オリエンターレ」で際立つのは、アーカイブを「過去の記憶」として閉じるのではなく、石の選び方によって現在の表現へ開いていることです。ポメラートは1967年にミラノで創業し、当初から洗練された金細工と大胆なカラージェムストーンを組み合わせ、日常に取り入れられる現代的なジュエリーを追求してきました。そのブランドらしさが、今回のコレクションではハードストーンの扱いに端的に表れています。ダイヤモンドのような強い輝きだけを中心に置くのではなく、石それぞれが持つ不透明感や色の揺らぎを主役として、そこへイレギュラーパヴェを重ねる。さらに、円と四角というシンプルな形に「繁栄」「安定」「守護」という意味を与えることで、装飾性だけではない物語を成立させています。ミラノの職人技を背景に、素材の個性を自由に引き出す。その姿勢が、ポメラートのジュエリーを現代的に見せる理由のひとつです。
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