2026.09.07
カテゴリ: 新作
ブルガリとヴィアネイ・ハルター、異なる美学をひとつにした「オクト フィニッシモ」が挑んだ世界限定40本

ブルガリが時計製造における新たな対話を形にしました。2026年9月4日まで開催されたジュネーブ・ウォッチ・デイズ 2026で披露された「オクト フィニッシモ ヴィアネイ・ハルター 限定モデル」は、ブルガリと独立時計師ヴィアネイ・ハルター氏による初のムーブメント・コラボレーションです。チタンをはじめとする素材の扱いだけでなく、明確な目的を持った造形と技術を追求してきたブルガリ。その創造性は、2026年に発表された37mmの「オクト フィニッシモ」にも通じています。そこへハルター氏ならではの機械的な美学を重ねることで、両者のウォッチメイキングがひとつのタイムピースに結実しました。時計愛好家のために生み出された限定エディションです。
2つの世界が1つになる「オクト フィニッシモ ヴィアネイ・ハルター 限定モデル」
今回のコラボレーションで向き合ったのは、異なる個性を持つ2つの時計製造の世界です。ジュネーブ・ウォッチ・デイズ 2026で披露された「オクト フィニッシモ」は、ブルガリのアイコニックなデザインを土台に、独立時計師ヴィアネイ・ハルター氏の独創的な機械美学を取り込みました。両者のアイデンティティをどちらか一方に寄せるのではなく、ケースやムーブメントを含む細部にそれぞれのシグネチャーを織り込みながら、ひとつの完成されたデザインへとまとめています。ブルガリのイタリアンデザインとスイスの時計製造技術を融合する「オクト」の精神に、新たな視点が加わった一本です。
ブルガリのプロダクト クリエイション エグゼクティブ ディレクター、ファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニ氏が語るのは、37mmという新しいサイズがもたらす創造の余地です。「オクト フィニッシモ」のケース径を小さくすることで、デザインの密度をさらに高め、新しい表現へつなげられる。その考え方のもとでは、サイズ変更は単なる縮小ではありません。ウォッチメイキングを構成する一つひとつのディテールを見直し、それぞれに新たな可能性を与えるための起点となります。37mmというキャンバスを得た「オクト フィニッシモ」が、今回のコラボレーションを通して別の表情を見せる背景には、こうした創造への姿勢があります。
「オクト フィニッシモ」史上、前例のない形でのコラボレーション
一見すると異なる方向を向いているようにも見えるブルガリとヴィアネイ・ハルター氏。その距離を越えて生まれたのが、今回の「オクト フィニッシモ ヴィアネイ・ハルター 限定モデル」です。ブルガリを象徴する「オクト フィニッシモ」のムーブメントを、ハルター氏のヴィジョンを形にするための基盤として初めて採用。イタリアを代表するラグジュアリーメゾンのデザインと、独立時計師が追求してきた機械的な造形表現が交差することで、既存のコレクションを別の角度から捉える試みとなっています。
両者の共同デザインを方向づけたのは、小説家ジュール・ヴェルヌの世界や精密工学への関心です。そこから導かれたのは、ヴィクトリア朝時代の意匠とSF的な想像力の間に位置する「レトロフューチャー」という領域。「オクト フィニッシモ」は、ここで従来とは異なる機械的な表情へと導かれます。航空、工学、グラフィックノベルに強い情熱を持つヴィアネイ・ハルター氏は、時間を計る道具であると同時に、複雑な機構そのものを楽しめる機械的彫刻のような作品を手がけてきた独立時計師です。工業的なディテール、複数のディスプレイダイアル、立体的で建築的な構成を組み合わせた独自のスタイルが、同氏を独立時計師の世界でも際立つ存在へと押し上げています。
ヴィアネイ・ハルター氏にとって今回の協業は、自身の創作方法とは異なるプロセスに身を置く経験でもありました。普段はムーブメントとケースを同時に設計するのに対し、今回はブルガリという既存の枠組みに自らのアイデアを適応させることが求められたためです。一方で、独自の美学と高度な技術を備える「オクト フィニッシモ」を出発点としたことで、そこへ自身のメカニカルなアイデアやスタイルを融合するという新鮮な挑戦が生まれました。ブルガリの核心を尊重しながら異なる個性を重ね合わせていく対話そのものが、このコラボレーションを形づくる重要なプロセスとなっています。
ファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニ氏が今回の協業で重視したのは、異なる個性を持つ両者が互いに何を持ち寄り、どこまで新しい表現へ踏み込めるかという対話でした。ヴィアネイ・ハルター氏とは早い段階から技術とクリエイティブの両面で共通する感覚を見いだし、創り上げるべき時計について意見を交わすことができたといいます。その成果として生まれたのが、ひと目で双方の世界観を感じさせながら、ひとつのタイムピースとして調和するモデルです。幾何学性を際立たせた「オクト フィニッシモ」のケースは、ハルター氏の作品に特徴的な複数のダイアルを引き立てる舞台となりました。さらに、評価の高い超薄型ムーブメントの特性を保ちながら、新たな機能を組み込むことで、従来の「オクト フィニッシモ」にはない表情へと導いています。

完璧なバランスで融合された2つの世界の真髄
「オクト フィニッシモ」が持つブルガリらしさは、イタリアンデザインの洗練と高度なウォッチメイキングをひとつの造形にまとめるところにあります。これまで10の世界記録を打ち立て、素材や構造の可能性を追求してきたコレクションに、今回加わったのがヴィアネイ・ハルター氏の機械的な美学です。幾何学的なケースと端正なプロポーションはそのままに、オパーリンホワイトの4つのダイアル、独特な形状のブルーの針、赤い矢印型の秒針を組み合わせました。さらにローターにはハルター氏の名前を刻印。ブルガリのDNAを基礎としながら、色彩や表示構成、ムーブメントのディテールにハルター氏の個性を織り込むことで、2つの世界が均衡するデザインに仕上げられています。
他に類を見ない技術的な卓越性
独創的な外観の内側には、50以上のコンポーネントを直径40.5mmのケースに収めるための高度な設計が施されています。精密に設計された各部品の平滑な仕上げから、一体型リューズガードの構造まで、個々のディテールには美観と機能性を両立させるための工夫が凝縮されています。とりわけ難題となったのは、研ぎ澄まされたケースデザインを崩すことなく防水性を確保することでした。ケースとダイアルの造形、仕上げの美しさ、そして内部の機械構造まで、時計を構成する各領域をブルガリのチームが一貫して統括。異なる専門領域を横断する技術とクラフツマンシップの積み重ねによって、コラボレーションの美学を実際の時計へと落とし込んでいます。
製造を担ったのは、ブルガリが誇るセーニュレジエおよびル・サンティエのオートオルロジュリー工房です。搭載するのはキャリバーBVL138で、今回のコラボレーションのために特別開発されたモジュールによってGMT、日付、デイ/ナイト表示を統合しています。なかでも4つのダイアルを均一なオパーリン仕上げに揃える工程には、芸術性と技術精度の双方が求められました。さらに、各コンポーネントを小型化するため、専用の製造ツールを一から開発。ヴィアネイ・ハルター氏が描いた世界観を細部まで実現するために、ブルガリ自身が新たな製造上の課題を引き受け、妥協のない工程を積み重ねています。
こうした技術的な挑戦を経て完成したのは、直径40.5mm、厚さ9.7mmというケースです。「オクト フィニッシモ」らしいアイコニックな造形を保ちながら、その内部には厚さ5.49mmの新キャリバーBVF 200を収めています。マイクロローターを備えた自動巻きムーブメントで、60時間のパワーリザーブを確保。2026年に発表された37mmの「オクト フィニッシモ」に搭載されるキャリバーBVF 100に続き、このBVF 200もまた、薄型化と複雑な機能を両立させるブルガリの技術的な探求を示す存在です。

エクスクルーシブな2つのバージョン
今回のコラボレーションは、素材と色彩の異なる2つの限定バージョンで展開されます。ひとつはブラッシュ仕上げのチタンを用いたモデルで、4つのオパーリンホワイトダイアルを際立たせる落ち着いた質感が特徴。ブラッシュ仕上げのチタン製ブレスレットとフォールディングバックルを組み合わせ、世界30本限定で製作されます。もうひとつは、ポリッシュおよびサテン仕上げのピンクゴールド製モデル。オパーリンのダイアルとブラウンのアリゲーターストラップがピンクゴールドの温かな色調と調和し、異なる素材感を引き立て合います。ブルガリの幾何学的な造形と、ヴィアネイ・ハルター氏が追求する機械的な美学。その2つをひとつの時計に凝縮した特別なモデルは、世界10本限定で展開されます。

製品概要
「オクト フィニッシモ ヴィアネイ・ハルター 限定モデル」
価格:要問合せ
ムーブメント:BVF200自社製自動巻きムーブメント、ヴィアネイ・ホルターの名前が刻印されたプラチナ製マイクロローター搭載、手作業によるコート・ド・ジュネーブおよびペルラージュ加工、厚さ5.49mm、毎時21,600振動、時/分/秒表示、GMT、日付及びデイ/ナイト表示、60時間パワーリザーブ
ケース/ダイアル:径40.5㎜、サンドブラスト加工チタン製ケース、厚さ9.70mm(ベースのベゼルまでの厚さは7.70mm)、サテンポリッシュ加工ポートホールベゼル、ブラックセラミックをインサートしたポリッシュ加工チタン製リューズ、シースルーケースバック、30m防水、サンドブラストおよびサテンブラッシュ加工を施した時/分/秒およびGMT表示オパーリン加工ロジウムプレートダイアル、日付及びデイ/ナイト表示オパーリン加工ロジウムプレートインジケーター、ブルーのヴィアネイ・ハルター針、レッドの秒針
ブレスレット: サンドブラスト加工チタン製ブレスレット、一体型フォールディングバックル
価格:要問合せ
ムーブメント:BVF200自社製自動巻きムーブメント、ヴィアネイ・ホルターの名前が刻印されたピンクゴールドカラーのプラチナ製マイクロローター搭載、コート・ド・ジュネーブおよびペルラージュ加工、厚さ5.49mm、毎時21,600振動、時/分/秒表示、GMT、日付及びデイ/ナイト表示、60時間パワーリザーブ
ケース/ダイアル:径40.5㎜、サンドブラスト加工ピンクゴールド製ケース、厚さ9.70mm(ベースのベゼルまでの厚さは7.70mm)、サテンポリッシュ加工ポートホールベゼル、ブラックセラミックをインサートしたポリッシュ加工ピンクゴールド製リューズ、シースルーケースバック、30m防水、サンドブラストおよびサテンブラッシュ加工を施した時/分/秒およびGMT表示オパーリン加工ロジウムプレートダイアル、日付及びデイ/ナイト表示オパーリン加工ロジウムプレートインジケーター、ブルーのヴィアネイ・ハルター針、レッドの秒針
ブレスレット:ブラウンアリゲーターストラップ、ピンクゴールド製ピンバックル
【Editor's View】
今回の「オクト フィニッシモ ヴィアネイ・ハルター 限定モデル」で注目したいのは、コラボレーションを単なる意匠の掛け合わせで終わらせていない点です。ブルガリにとって「オクト フィニッシモ」は、薄さという明快なテーマを軸に、素材やムーブメントの開発を積み重ねてきたコレクション。一方のヴィアネイ・ハルター氏は、複数の表示や工業的なディテールを組み合わせ、機械を鑑賞対象へと変えてきた時計師です。今回のモデルでは、その2つの方向性が37mmの「オクト フィニッシモ」という新しいサイズを起点に、40.5mmのケースと4つのダイアル、そして新キャリバーBVF 200へと展開されています。とりわけ、超薄型というブルガリの技術的な個性を保ちながら、ハルター氏らしい色彩と表示構成を受け入れたことが、この時計を単なる限定カラーとは異なる存在にしています。異なる世界観を消し合うのではなく、それぞれの輪郭を残したまま一つの機械へまとめる。そのバランス感覚こそ、今回の協業を象徴する部分です。
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