2026.09.07
カテゴリ: 新作
ゼニス ZENITH 「クロノマスター ソロ スポーツ」誕生、エル・プリメロの5Hz高振動を日常へ
時計の精度は、数字だけで語られるものではありません。機械が刻むリズムや、その鼓動を腕元で感じる感覚もまた、高振動ムーブメントが生み出す大きな魅力です。ゼニスが新たに発表した「クロノマスター ソロ スポーツ」は、1969年に誕生したエル・プリメロの象徴である5Hzの高振動を、クロノグラフではなく3針という端正な構成で捉え直したモデル。40 mmのステンレススチールケースにセラミックのベゼルを組み合わせ、文字盤には高振動を視覚化した独自の「Z」モチーフを刻みます。歴史あるムーブメントの個性を、現代の日常へと引き寄せた新しいクロノマスターです。

1969年、ゼニスが発表したエル・プリメロは、時計製造の歴史において大きな転換点となったムーブメントです。世界初の自動巻一体型高振動クロノグラフ キャリバーとして誕生し、毎時36,000振動、すなわち5Hzで作動する調速機構によって、それまでとは異なる技術的基準を示しました。その名を今日まで知らしめているのはクロノグラフとしての機能だけではありません。高い振動数が生み出す独特のリズムと精度、そしてその動きを腕元で感じる感覚こそ、エル・プリメロを語るうえで欠かせない要素です。
今回ゼニスがその本質に焦点を当てたのが、「クロノマスター ソロ スポーツ」です。「クロノマスター」では初となる3針時計として、50年以上にわたりエル・プリメロを特徴づけてきた高振動を受け継ぎながら、日常での使いやすさを重視しています。クロノグラフの積算表示をあえて持たないことで、時刻を測る機能だけでは捉えきれないエル・プリメロの魅力を前面へ。5Hzという高振動が刻むリズムや精度、その存在感を、特定の用途に限定されない時計として仕立てています。

「クロノマスター ソロ スポーツ」の造形は、スポーティさに寄りすぎず、かといってドレスウォッチのようにかしこまることもありません。40 mmのステンレススチールケースはコンパクトなサイズ感を保ちながら、腕元では建築的な輪郭を描きます。そこに組み合わせたのがセラミック製の逆回転防止ベゼル。異なる素材のコントラストによって、シルエットに機能的な緊張感を加えています。都市の日常からアクティブなシーンまで自然に馴染む、現代的なプロポーションです。
セラミックベゼルは、この時計の実用性を視覚的に示すだけのパーツではありません。日常のさまざまな環境に対応する機能性を備えながら、ケース全体のモダンな印象を形づくっています。さらに、ダイナミックなリューズガードがねじ込み式リューズを保護し、堅牢な構造を支えています。防水性能は20気圧。高振動というエル・プリメロの技術的な個性を核にしながら、日々の着用を想定した実用性まで一つのケースにまとめています。
搭載するのは、エル・プリメロ 3600 クロノグラフ ムーブメントをベースに設計されたキャリバー エル・プリメロ 3620です。毎時36,000振動、5Hzという高振動を維持し、1969年から続くエル・プリメロの個性を3針モデルへ引き継ぎました。シリコン製脱進機、ストップセコンド機能、星型ローターを備えた両方向巻き上げ機構を採用し、約60時間のパワーリザーブを確保。クロノグラフを取り払ったことで、ムーブメントそのものが持つ高振動の魅力がより端的に表現されています。

文字盤では、エル・プリメロの高振動を視覚的なリズムへと置き換えています。セラミック製の文字盤に刻まれるのは、45度の角度をつけて連続する「Z」モチーフ。ムーブメントのリズムや振動を想起させるグラフィカルなパターンが、文字盤全体に構築的な表情を与えます。サンレイ仕上げのホワイトセラミック、ポリッシュ仕上げのブラック、同じくポリッシュ仕上げのブラウンという3つの表情を用意しながら、共通するパターンによってコレクションとしての統一感を保っています。
この45度の「Z」パターンは、単なる装飾として加えられたものではありません。高振動という目に見えない機械的な現象を、文字盤上で感じ取れるデザインへ変換するために考案されたものです。「クロノマスター ソロ スポーツ」のために新たに構築されたグラフィックは、リズムと精度というエル・プリメロの個性を視覚的に表現。従来の技術仕様だけでは伝えにくかった高振動の感覚を、新しいデザインコードとして「クロノマスター」へ加えています。
「Z」のグラフィックは秒針のカウンターウェイトにも取り入れられ、文字盤の細部まで同じデザイン言語で統一されています。さらに外周には、ゼニスの歴史的なリファレンスから着想を得た「シャークトゥース」のミニッツトラックを配置。時刻を読み取るための明快な目盛りとして機能しながら、ヴィンテージの文脈を現代の文字盤へ取り込んでいます。「Z」モチーフ、秒針のカウンターウェイト、シャークトゥースの目盛りが連動することで、エル・プリメロの過去と現在をつなぐ表情が完成しています。
ブレスレットには、3連構造のステンレススチールブレスレットとZENCLASP™フォールディングバックルを組み合わせています。ゼニスが開発したZENCLASP™は、工具を使わずにブレスレットのサイズを微調整できる機構を内蔵。時計を腕に装着した状態でも調整できるため、一日のなかで変化する手首へのフィット感にも対応しやすい仕様です。高振動ムーブメントという機械的な魅力だけでなく、日常的に身につける際の快適性にも目を向けた設計となっています。

「クロノマスター ソロ スポーツ」は、セラミック製の文字盤とベゼルを組み合わせ、ブラック、ホワイト、ブラウンの3色で展開されます。いずれも時、分、秒、日付表示を備えた仕様を用意。さらにブラックには日付表示を省いたモデルも設定され、よりすっきりとした文字盤構成を選ぶことができます。高振動というエル・プリメロの核心を3針へ凝縮し、色と表示の選択肢によって異なる個性を持たせた新作です。
Geneva Watch Days 2026で発表された「クロノマスター ソロ スポーツ」は、2026年9月2日より、世界中のゼニス ブティックおよびオンラインブティック、正規販売店にて販売。
クロノマスター ソロ スポーツ
03.5000.3620/69.M5000 / エル・プリメロ 3620 自動巻 / パワーリザーブ 約60時間 / ステンレススチール・ブラックセラミックベゼル / ケース径 40 mm / ホワイトセラミック文字盤 / 20気圧防水 / 1,458,600円(税込予価)
03.5000.3620/22.M5000 / エル・プリメロ 3620 自動巻 / パワーリザーブ 約60時間 / ステンレススチール・ブラックセラミックベゼル / ケース径 40 mm / ブラックセラミック文字盤 / 20気圧防水 / 1,458,600円(税込予価)
03.5001.3620/72.M5000 / エル・プリメロ 3620 自動巻 / パワーリザーブ 約60時間 / ステンレススチール・ブラウンセラミックベゼル / ケース径 40 mm / ブラウンセラミック文字盤 / 20気圧防水 / 1,458,600円(税込予価)
03.5000.3620/21.M5000 / エル・プリメロ 3620 自動巻 / パワーリザーブ 約60時間 / ステンレススチール・ブラックセラミックベゼル / ケース径 40 mm / ブラックセラミック文字盤 / 20気圧防水 / 1,340,900円(税込予価)/ ブティックモデル
【Editor's View】
「クロノマスター ソロ スポーツ」で興味深いのは、ゼニスがエル・プリメロをあえてクロノグラフから切り離したことです。1969年から続く5Hzの高振動は、クロノグラフの機構を動かすためだけの技術ではなく、時計そのもののリズムや精度を形づくる個性でもあります。それを3針という最小限に近い表示へ置き換えたことで、これまでクロノグラフの陰にあったエル・プリメロの別の表情が浮かび上がります。特に、45度の「Z」モチーフを文字盤へ刻んだアプローチは、高振動という目に見えない性能をデザインとして可視化する試み。歴史的なムーブメントを保存するのではなく、その核心を現代の日常へ翻訳したところに、この新作ならではの意味があります。
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