2026.02.04
カテゴリ: コレクション
ジョルジオ アルマーニ プリヴェ 2026 春夏オートクチュールコレクション、シルヴァーナ・アルマーニの初陣
ミラノのランウェイに立ちのぼる空気が、少しだけ柔らかく変わったように感じられる瞬間があります。ジョルジオ アルマーニ プリヴェの2026年春夏オートクチュールは、シルヴァーナ・アルマーニにとってのデビューコレクションです。創始者ジョルジオ・アルマーニの哲学を土台にしつつ、現代の視点でクチュールを着る人のリアリティへそっと歩み寄るような姿勢が見えてきます。翡翠の石を思わせるニュアンスカラーや、身体と共に呼吸するテーラリング、静かな輝きを湛えた刺繍の余白。それらはレッドカーペットだけでなく、自分の人生の節目のシーンにも思いを巡らせたくなるようなピースです。メゾンの遺伝子と新しい感性が交差する今季は、クチュールを「遠い世界の服」とせず、自分ごととして眺めてみたくなるコレクションになっています。
ジョルジオ アルマーニ プリヴェの2026年春夏オートクチュールは、シルヴァーナ・アルマーニがメゾンのクチュールラインで初めて全面的に手掛けたコレクションです。長年受け継がれてきたジョルジオ アルマーニの価値観を軸に据えながら、彼女自身のまなざしが丁寧に重ねられています。その結果、生まれたルックは、メゾン特有の一貫した世界観を保ちつつも、世代の違いを感じさせる新鮮なニュアンスをまといます。理想を追い求める夢のような側面と、現実の生活を送る人の身体に確かに寄り添う感覚が同時に立ち上がり、ジョルジオ アルマーニ プリヴェが次の章へ進み始めたことを、静かなトーンで物語っているように感じられます。
ランウェイに最初に印象づけられるのは、翡翠(ジェイド)の石から着想を得たような色彩です。淡いグリーンやソフトなピンク、やわらかなホワイトが、肌の上に透ける光の層のように重なり合い、その上にブラックのグラフィカルなラインが置かれることで、全体の輪郭がくっきりと浮かび上がります。サテンやシルクが描き出す縦方向の流れがシルエットと共鳴し、歩くたびに生地が細やかに揺れることで、ジョルジオ アルマーニ プリヴェらしい軽快さと研ぎ澄まされた印象が生まれています。控えめな色調でありながら奥行きのあるカラーパレットは、日常のワードローブにクチュールの要素を取り入れたいと考える人にとっても、イメージをふくらませやすい構成に感じられます。
コレクションに並ぶピースはどれも、身体のラインを尊重しながらフィットすることを前提に構成されています。わずかに構築的なエッセンスを取り入れたテーラリングは、かっちりしすぎない余白を残しつつ、着る人の姿勢を美しく見せるジャケットへと昇華されています。装飾を削ぎ落としたミニマルなジャケットや、繊細な刺繍をまとったビスチェにトラウザーズを組み合わせたスタイルは、クチュールでありながら軽やかなマニッシュさも感じられるバランスです。巧みなカッティングとドレーピングによって形づくられたコラムドレス、スリットからトラウザーがのぞくミディ丈のチュニック、細やかなフリンジをまとったプルオーバーなどが続き、静かな佇まいの中に潜む躍動感をそれぞれ異なる方法で表現しています。こうしたラインアップは、特別な夜だけでなく、節目の一日にそっと寄り添うクチュールとしてイメージしやすい仕上がりです。
今季の刺繍は、ただ服を飾る要素としてだけではなく、ガーメントそのものの余白を演出する役割も担っています。ドレスやトップスに散りばめられた繊細なステッチは、光を柔らかく受け止める控えめな装飾として機能し、一方でジャケットにはトロンプルイユのポケットチーフという意外性のあるディテールがそっと忍ばせられています。視線を引き寄せるのではなく、気づいた人だけが楽しめるような仕掛けが潜んでいる点に、メゾンが長年培ってきたクチュールの美学があらわれています。過剰さを避けながらも存在感を失わない抑制の効いた表現こそが、ジョルジオ アルマーニ プリヴェが世界に示してきたクチュールの神髄であり、今季もその姿勢が揺るぎなく貫かれていると感じられます。
![]()
All photos courtesy of Giorgio Armani
ジョルジオ アルマーニ プリヴェ特設サイト:
https://www.armani.com/ja-jp/giorgio-armani/experience/fashion-show-spring-summer-prive/
お問い合わせ先:
ジョルジオ アルマーニ ジャパン
03-6274-7070
【Editor's View】
ジョルジオ アルマーニは1975年にミラノで創設され、ソフトな仕立てのアンコンストラクテッド・ジャケットによってクラシックなテーラリングの概念を更新してきたメゾンです。余分な装飾をそぎ落とし、本質的なスタイルとモダンな感性を軸にしたスーツやドレスは、今や世界中のセレブリティがレッドカーペットで選ぶ存在となりました。そうした背景の上に立ち上がるジョルジオ アルマーニ プリヴェ 2026年春夏コレクションは、シルヴァーナ・アルマーニが次世代の視点でクチュールを更新していく出発点として読むことができます。身体に寄り添うテーラリング、翡翠を思わせる穏やかな色彩、控えめでいて印象に残る刺繍の扱い方などは、華やかな場だけでなく、自分の物語を大切にしたい人のセレモニーシーンとも自然に重ねられるディテールです。メゾンの歴史と現代のライフスタイルを橋渡しするような今回のコレクションは、クチュールの世界を少し身近なものとして捉え直すきっかけになりそうです。
BRAND SEARCH
CATEGORY
ABOUT
「BRANDJOY.JP」はラグジュアリーブランドなどの最新動向に関連するニュースをセレクトしてお届けしています。新作やコレクションを中心に、新規オープン、ビジネス・業界情報をまとめてチェック。


