2026.02.18
カテゴリ: 新作
ディオール 2026年春夏「メダリオン」ライン、メゾン創設期のチェアから生まれたモダンなアクセント
サロンに並べられたメダリオンチェアの姿は、ディオールという名前と同じくらい記憶に残るシンボルです。その椅子の輪郭と紋章を、2026年春夏のワードローブへと移し替えたのが「メダリオン」ラインです。ルイ16世様式を思わせるクラシカルなムードに、繊細なリボンのあしらいを重ねることで、日常の装いにも寄り添う軽やかさが生まれています。レディ ディオールやディオール ブックトートなどの定番バッグに添えられた刺繍から、ローファーやサンダル、キャップやバケットハットまで、さまざまなアイテムに小さな紋章が点在することで、トータルルックに穏やかな統一感が生まれるのも特徴です。メゾンの原点にあるサロンの空気を、今の気分で身にまとう感覚を楽しめるラインと言えます。

メゾン創設の1947年以来、ディオールのオートクチュールサロンを象徴してきたのが、ゲストを迎えるために並べられた「メダリオンチェア」です。そのクラシカルな椅子から着想を得て、ジョナサン・アンダーソンは2026年春夏コレクションのために「メダリオン」ラインを構想しました。ルイ16世様式を思わせる輪郭と、繊細なリボンが添えられた紋章モチーフは、ボタンや刺繍としてプレタポルテのクリエイションに散りばめられています。さりげないディテールでありながら、着る人の所作や姿勢を引き立てるような気品をまとわせるのが、この紋章の力です。メゾンの原点であるサロンの空気が、ジャケットの前立てやドレスのステッチを通じて、現代のワードローブへと静かにつながっていきます。
この「メダリオン」モチーフは、服の上でひとつのサインとして機能するよう、質感豊かなリボンを組み合わせることで立体的に表現されています。ウエストをマークするベルトのバックルには紋章が大きく配され、ルック全体の焦点となる新たなステートメントピースとして存在感を放ちます。また、ブルーとホワイトで構成されたシルクスカーフにも同じモチーフが描かれ、巻き方によって見える位置が変化するデザインに仕上がっています。一枚のスカーフやベルトを添えるだけで、クラシックなエッセンスと今のムードが共存するスタイリングに引き上げられるのは、ディオールならではの魔法のような効果と言えます。
バッグの世界でも、「メダリオン」の紋章はさまざまな表情を見せています。アイコニックな「レディ ディオール」や「ディオール ブックトート」には、このモチーフを取り入れたディテールが刺繍として施され、従来のシルエットに新たなニュアンスを添えています。トートやトップハンドルバッグの表面やハンドルの付け根に、小さな紋章が丁寧に縫い込まれることで、視線を近づけたときにだけ気づく親密なポイントが生まれます。スモールレザーグッズの領域では、同じモチーフがエッジの効いた彫刻的なアクセントとして立ち上がり、カードケースやウォレットなど、日常的に手にするアイテムにもメゾンのストーリーを宿らせています。バッグと小物を組み合わせることで、スタイル全体の完成度をさりげなく高めてくれる仕掛けになっています。
「メダリオン」ラインは、シューズやアクセサリーのカテゴリーにまで広がり、コレクション全体の空気をつなぐ役割も担っています。ローファーやサンダルのアッパーやトリム部分には紋章があしらわれ、足元からクラシカルなニュアンスを取り入れられるデザインに仕上げられています。さらに、ジュエリーや小物類、「D-プレイヤー」キャップ、「テディ-D」バケットハットなど、ヘッドウェアにもモチーフがアレンジされ、スポーティなピースにもディオールらしい洗練を添えています。ひとつのアイテムとしては控えめなアクセントですが、バッグ、シューズ、ハットと複数を組み合わせたときに立ち上がるのは、メゾンの歴史と今のライフスタイルが交差するストーリーです。日常のカジュアルな装いにも、パリのクチュールハウスの記憶をそっと重ねたい人にふさわしいラインと言えます。
【Editor's View】
2026年春夏の「メダリオン」ラインは、ディオールの長い歴史の中で愛されてきたメダリオンチェアというオブジェを、リアルクローズの中で再び呼吸させる試みとして印象的です。紋章とリボンという一見クラシカルなモチーフを、ベルトのバックルやブルー×ホワイトのシルクスカーフ、レディ ディオールやディオール ブックトート、ローファー、キャップやバケットハットにまで広げることで、ドレスアップにもデイリーにも対応する柔軟な世界観が生まれています。コレクション全体を通して描かれているのは、サロンでの優雅な時間を、そのまま今のストリートや日常のワードローブに溶け込ませるような感覚です。ひとつのシグネチャーを、服から小物までトータルで重ねるスタイリングは、派手なロゴではなく、ささやかな紋章を手掛かりにメゾンの物語を共有する行為にも近いものがあります。ディオールのルーツに共感しながら、自分らしいスタイルを織り上げたい人にとって、「メダリオン」ラインは新しいシーズンを象徴するキーワードになりそうです。
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