2025.12.09
カテゴリ: 新作
ハンティングワールド「LEATHER LUX」現代に復刻、軽量化でよみがえるクラシックバッグの原点
バッグのトレンドが目まぐるしく移り変わる時代にあっても、「長く連れ添える相棒を選びたい」という感覚は変わらないままです。ハンティングワールドが2025年、ブランド60周年の節目に復刻させた「LEATHER LUX」は、その思いに静かに応えるシリーズです。バチュー・クロス以前のアイコンとして愛されてきたクラシックラインを、軽量化と素材の見直しによって今の旅スタイルに合うかたちへとアップデート。PVCコーティング素材「レザー・ラックス」とイタリアンレザーのコントラストは、現代のトラベラーにとっても心強い旅のパートナーになりそうです。ブランドが掲げる「A CLASSIC IS FOREVER」の言葉を、そのまま手元で確かめたくなる復刻です。
ハンティングワールドは1965年にニューヨークで誕生し、2025年に節目となる60周年を迎えました。このタイミングで掲げた新たなコンセプトが「HUNTING NEW WORLD(未知なる世界に出かけよう)」です。そのメッセージと呼応するように、昨年にはブランドとして初めてハードシェルスーツケースをローンチし、旅にまつわるプロダクトの開発に力を入れてきました。そうした旅志向の流れの先に位置づけられているのが、今シーズン復刻を果たしたブランド創設当時のアイコニックなシリーズ「LEATHER LUX(レザーラックス)」です。「A CLASSIC IS FOREVER(伝統は永遠に)」という言葉を掲げた創設者ロバート・M・リー(ボブ・リー)が生み出したクラシックスタイルの代表作であり、ハンティングワールドの原点にもう一度光を当てるプロジェクトになっています。


ハンティングワールドと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、オリジナル機能素材「バチュー・クロス」ではないでしょうか。このバチューシリーズが登場したのはブランド創設から7年後の1972年で、それ以前のアイコンとして存在していたのが「LEATHER LUX」でした。キャリーオールやダッフルバッグといった型は、現在もバチューシリーズのアイテムとして継続して展開されているものが多く、その源流が「LEATHER LUX」にあります。1980年代には、バチューシリーズと肩を並べる存在感を持つラインとして位置づけられ、ハンティングワールドのクラシックイメージを支えてきました。今回の復刻は、その歴史的背景を踏まえながら、あらためてブランドの二大柱を見直す動きとも言えます。


シリーズ名にもなっている独自素材「レザー・ラックス」は、「LEATHER LUX」コレクションの核となる存在です。耐久性に優れ、お手入れもしやすいPVC素材に、本革のようなシボを施してコーティングしたマテリアルで構成されています。かつてはこのPVCを、重厚感のあるコットンの基布にのせていたため、タフさと引き換えにバッグ自体の重量感も際立つ仕様でした。復刻にあたってはこの構造を見直し、基布を薄く軽やかなスエード調の起毛素材へシフト。コーティングに使うPVCの厚みもできる限り抑え、全体として重量を削ぎ落としています。そのうえで、伝統的なイタリアンレザーをトリムに用いることで、往年の雰囲気を受け継いだクラシックな表情をキープ。ラインアップはブランドを象徴するキャリーオールM・S、そしてダッフルバッグの3型で構成され、カラーはクラシックなブラウンと、都会的なスタイルにも合わせやすいブラックの2色展開です。シーンを問わず使いやすい構成でありながら、ひと目でハンティングワールドと分かる存在感が、旅好きな大人のワードローブを支えるシリーズになりそうです。![]()

価格:148,500円(税込)
サイズ:W29×H20×D9㎝
カラー:ブラウン、ブラック

アバディーン
価格:165,000円(税込)
サイズ:W37×H26×D14㎝
カラー:ブラウン、ブラック

クラシックダッフル
価格:170,500円(税込)
サイズ:W47×H29×D24㎝
カラー:ブラウン、ブラック
ボブ・リーがバッグに求めた条件は、実用と信頼感のバランスにありました。カメラ機材や機内持ち込み品を安心して収納できることを重視し、ブランド創設初期にはテントメーカーが手がけたキャンバス地をバッグに採用していましたが、ほこりを吸い込みやすいという特性があり、過酷なサファリの現場では十分に機能しなかったといいます。そこでヨーロッパに、コーティング加工を施したキャンバスを生産する工場があることを知り、新しい素材開発に着手した結果として生まれたのが「レザー・ラックス」でした。今回の復刻では、その誕生ストーリーを受け継ぎながら、現代の旅スタイルにフィットさせるため、基布を薄くしなやかなスエード調の起毛素材に変更。その上から施すPVCコーティングの厚さも極力抑え、総重量をコントロールしています。仕上げに革の質感に近いシボを丁寧に刻むことで、機能素材でありながらレザーライクな風合いと深みのある表情を実現し、「LEATHER LUX」らしい品格を宿したバッグに仕上げています。
【Editor's View】
「A CLASSIC IS FOREVER」を掲げるハンティングワールドがこのタイミングで「LEATHER LUX」を復刻したことは、単にアーカイブをなぞるのではなく、原点の考え方を今の旅に引き寄せる試みのように感じられます。バチュー・クロスの陰に隠れがちだった前身のシリーズを、素材の軽量化や基布の見直しという技術的なアップデートとともに再構築したことで、60年代のクラシックと現代的な快適さを両立するコレクションへと進化させています。キャリーオールやダッフルバッグという普遍的なフォルムに、ブラウンとブラックの2色をのせたシンプルな構成は、スタイリングのテイストを選ばず、長く付き合えるバッグを探している人にとって心強い選択肢になりそうです。旅先はもちろん、日常の移動にも頼れる「LEATHER LUX」は、ハンティングワールドが考える“新しい世界へ出かける”ためのクラシックというメッセージを、静かに物語るシリーズと言えます。
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