2025.05.31
カテゴリ: 新作
ロエベ パズルバッグ10周年記念、アイコニックな復刻と新作コレクションが集結
ロエベの代表的なクリエイションとして知られるパズルバッグの誕生10周年を祝し、「ロエベ パズル10 コレクション」が発表されます。本コレクションには、過去10年にわたるデザインアーカイブから厳選された19点の復刻モデルと、新たに祝祭を象徴する1点の新作が含まれています。
スペインのアトリエで誕生した本コレクションは、ロエベらしい創造性と遊び心の表れとなっています。アップリケや刺繍、クロスステッチ、そしてレザーマルケトリーといった高度な技術を各バッグに施し、絵画のようなモチーフや詩に着想を得たデザインで彩られています。さらに、記念のメタルプレートと2つのバルーンチャームも添えられ、コレクションに祝祭のムードを加えています。
復刻された19点に加えて登場するのが、アートとカルチャーの象徴として君臨してきた10年を祝う「コンフェッティ バッグ」です。無数のレザー片とメタルスパンコールがあしらわれたこのバッグは、他のパズルバッグ同様、独自のキューブ構造を持ち、手作業で丁寧に仕上げられています。折り紙からインスピレーションを得た構造が特徴で、2015年春夏ウィメンズランウェイでのデビュー以来、様々な素材とデザインによって再構築され、シリーズ全体へと広がりを見せました。また、本コレクションには、各パズルバッグをモチーフにした20種の個性豊かなチャーム「パズ」も登場します。
リエディションのバッグは、ゴールドでアナグラムを箔押しした特別仕様のボックスに納められ、それぞれのバッグに着想を得た限定ジグソーパズルが同梱されています。また、特別版のロエベ マガジンも発行され、パズルバッグの進化と各デザインの物語を紹介します。加えて公開されるデジタルコンテンツでは、スマートフォンを通じてコレクションの歴史や詳細をインタラクティブに楽しむことができます。
「ロエベ パズル10 コレクション」は2025年5月29日(木)より一部店舗にて展開されます。日本国内では松坂屋名古屋店でポップアップイベントを開催し、カサロエベ表参道では期間限定のローンチイベントが行われます。120平方メートルにわたる松坂屋名古屋店の会場は、カサロエベから着想を得たデザインで構成され、ベルベットの壁とニッチを配した静謐な空間にパズル10のバッグが展示されます。会場では映像インスタレーションによる演出も加わり、来場者を迎えます。
ロエベ パズル10 ポップアップ
松坂屋名古屋店 本館8階 ART HUB NAGOYA / open gallery
5月29日(木) - 6月17日(火)
10:00 - 19:00 (最終日のみ16時閉場)
カサロエベ表参道
5月30日(金) - 6月17日(火)
11:00 - 20:00
ロエベ パズル10 コレクション

2015年春夏メンズコレクションで初めて発表されたパズルバッグは、当初ハンドルのないフォルムで登場しました。その複雑な構造と個性的なパターンが、のちにウィメンズコレクションで本格的に具現化され、2015年秋冬にはパリ・ユネスコハウスで開催されたランウェイでの発表に至ります。
幾何学的なパネル構成に、多彩なピンクのグラデーションが施されたこのパズルバッグは、フューシャからコーラル、サーモンまでを取り入れ、柔らかく滑らかなカマイユ スエードで仕立てられています。形状や素材、構造に対する新鮮な視点が反映されたデザインです。

2016年春夏メンズコレクションのインスピレーション源となったのは、日本を巡る旅でした。21世紀の都市が持つハイパーリアリティを初期モデルのパズルに取り入れ、日本のアニメに登場するアクションヒーローの幻想世界を再解釈。若々しい精神とユーモアに満ちた逃避的な世界観が描かれました。

2017年までに、ロエベのパズルバッグはすでに、その際立つ幾何学的フォルムによって、アイコニックな存在として認知されていました。そして、2017年春夏ウィメンズ プレコレクションでは、パズルの特徴的なフォルムに、レッドやイエロー、ブルーを主としたビビッドなカラーと、明るいオレンジや鮮やかなパープルといった補色のコントラストを用いたパッチワークを施すことで、ポップアートを想起させる視覚的なインパクトが表現されました。この配色は、レザーベースの上に縁取りを効かせることによって生まれており、色彩の可能性を探求していた当時のアプローチを象徴する作品に仕上がっています。

2017年春夏ウィメンズコレクションに登場したクラウド パズルバッグは、リアルな雲のプリントを大胆に採用したデザインで注目を集めました。クラシックカーフを素材に使用し、バッグ全体のパネルをまたいで施されたプリントは、各パーツの縫い目を超えて一体化したビジュアルを描き出しており、その軽やかで幻想的な印象は、現実と非現実が溶け合うようなシュールな表現へと昇華されています。

イビサ島旧市街にかつて存在した伝説的ブティック「パウラズ」は、1972年から2000年代初頭にかけて、その小さな規模にもかかわらず、社会や文化、そしてスタイルの変革を象徴する重要な場として知られていました。アーミン・ハイネマンとスチュアート・ラドニックの手によって創設されたこのブティックは、独自の感性が息づく空間で、即興性に富んだ華やかなファッションショーを展開し、自由で祝祭的なイビサのスピリットを鮮やかに映し出していたのです。
2016年、ロエベはアーミン・ハイネマンとスチュアート・ラドニックから「パウラズ」のアーカイブを訪れる機会を得ました。これを契機として、翌年には初の「パウラズイビザ コレクション」が実現します。その中で発表されたパズルバッグでは、ハイネマンによるプリントのアーカイブから引用されたモチーフが幾何学的に再構成され、パズルバッグの折り紙のような立体的構造と巧みに融合し、視覚的な複雑性と奥行きを持ったデザインが完成しています。

自然主義と反骨精神の象徴とも言えるウィリアム・モリスによるバッグは、植物を中心とした繊細なイラストレーションと、パンクスタイルを想起させる装飾との対比によって際立っています。「役に立たないもの、美しくないものを家に置くべきではない」という彼のアーツ・アンド・クラフツ運動の有名な格言は、19世紀の理念でありながらも、今なお現代に通じる普遍性を持っています。ロエベにおける建築やインテリア、クラフトへのこだわりにも、その思想が深く根づいています。
このバッグでは、ウィリアム・モリスの自然観と、パンク的要素が一つの造形の中に共存しています。ハンドペイントで描かれたイチゴの花や野ウサギのプリントは、かつてレザージャケットにも展開されたモチーフです。一方で、シルバーカラーのアイレットを配したベルトや、スタッズがアクセントとなったショルダーフラップは、バイカージャケットを思わせるパンクの要素を加えています。このように、相反する美学が共に存在することで、独自のビジュアルを構築しています。

2018年春夏メンズ プレコレクションで登場したラージサイズのパズルバッグでは、素材のコントラストが創出する視覚と触覚の豊かさが表現の中心に据えられています。まるで衣服に刻まれた記憶が重なり合う旅の記録のように、異なる質感の素材が断片的に集積され、バッグの表面を構成しています。ストライプのキャンバス、スエード、そして多様なレザーが、パネルごとに異なる表情を持ち、ウェアのキーピースとリンクするディテールが全体にちりばめられています。

同年の2018年春夏ウィメンズ ランウェイショーでは、パズルバッグに施された豪華な刺繍が注目を集めました。滑らかでベルベットのような手触りのスエード地には、ポーカーテーブルを想起させるグリーンのベーズ生地の質感が宿り、その上にはトランプのカードを大胆に配置したモチーフが展開されています。キングやクイーン、そしてロエベを象徴するスペードのエースが、金糸の縁取りとともに刺繍で描かれ、さらにサイコロ、馬蹄、四つ葉のクローバーといった幸運のシンボルが加わることで、遊び心と物語性にあふれたデザインが完成しました。

2018年秋冬メンズ プレコレクションで発表されたこのパズルバッグは、直前のウィメンズランウェイで登場した、つま先がくるりとカールしたユニークなハイトップスニーカーから着想を得ています。エメラルドグリーンのスエードとカーフレザーで構成されたこのバッグは、クラシカルなスポーツシューズのエッセンスを、ユーモアを感じさせる視点で再構築したものです。バッグの前面に大きく配された2枚のパネルには厚手の平紐がシューレースのように通され、結び目を作らずに底の角で垂らされています。さらに、スエード地に施されたコントラストの強いステッチがグラフィカルな印象を際立たせ、白糸で描かれたデコラティブなステッチと、隅にあしらわれた「L」のバーシティ風ワッペンが、スポーツモチーフであることを明確に伝えています。

ロエベのランウェイでは、常識にとらわれないフォルムやシルエットの探求が繰り返されていますが、2018年秋冬ウィメンズコレクションではその対比として、ロマンティックで遊び心のあるポルカドット柄が登場しました。このシーズンに発表されたパズルバッグには、インターシャ技法を用いて一つひとつ丁寧に仕上げられた幾何学的な水玉模様が施されています。パズルの立体的な構造に対して、まるみを帯びたドットが明確な対照をなしており、その造形美の強調と、視覚的なアクセントを兼ね備えたデザインとなっています。

スコットランドの建築家チャールズ・レニー・マッキントッシュが20世紀初頭に手掛けた建築には、スコットランドの伝統的なバロニアル様式に加え、日本の美意識や構成を反映させた表現が見られます。彼は、アーツ・アンド・クラフツ運動を牽引した他のデザイナーたちと同様、建築だけでなくインテリアや家具、装飾までも一貫した美学で統一し、調和のとれた空間を築き上げてきました。その特徴的なスタイルは、垂直性を強調する大胆なラインと、バラを思わせる装飾的で有機的なグラフィックモチーフに表れています。
2019年春夏プレコレクションに登場したこのパズルバッグは、マッキントッシュの芸術的世界へのオマージュとしてデザインされました。バッグのボディには、ホワイトとタンのレザーパネルが組み合わされ、それらをブラックの太いレザーで縁取る構成によって、ステンドグラスの細やかなパーツを区切る鉛の線を連想させる造形が表現されています。花を中心としたモチーフが主題となり、彼の建築思想を体現したビジュアルに仕上がっています。

アメリカにおける初のカサロエベ開設と同時期に、2019年秋冬プレコレクションとして発表されたパズルバッグは、アメリカの伝統文化に敬意を表しています。ホワイト、ブラック、そしてデニムブルーのレザーをレイヤー状に重ねたデザインは、ウエスタンブーツ特有の装飾的要素である抽象的なリーフ模様や渦巻き模様を彷彿とさせる構成となっています。また、各レザーパネルに施されたコントラストの効いたステッチが、ディテールを引き立て、視覚的なリズムを作り出しています。日常に定着したカウボーイカルチャーを、幾何学的構造とスケールの再構成によって捉え直し、独自の解釈として落とし込んだデザインです。

ロエベは、世界最大級の家具見本市として知られるミラノサローネにおいて、2015年以降、伝統的なクラフトの再発見と再構築をテーマに毎年展示を行っています。このプロジェクトは、特定の技法やテーマに焦点を当てながら、世界中のアーティストや職人と連携し、新たな視点から工芸の価値を問い直しています。2019年のエキシビションでは、ハワイに拠点を置くジョン・セラオ、シシー・セラオ、パトリシア・ゴアラングトンによるキルト作品が紹介され、その背景には、いまなお継承される地域コミュニティの文化が照らし出されました。
この年に登場したパズルバッグでは、ハワイアンキルトの特徴である花や植物の大ぶりで象徴的なモチーフが、2色によるコントラストで表現されています。バッグの表面を舞うように繰り返されるのは、5枚の花びらを持つプルメリアの図案であり、キルト本来の構成美をバッグに転写するかのようなデザインが施されています。そのビジュアルは、面としての美しさと、自然を感じさせる有機的なリズムを融合させています。

ウィリアム・ド・モーガンは、アーツ・アンド・クラフツ運動において重要な位置を占めた芸術家であり、彼の作品には、中東の芸術に由来する動植物モチーフが多く描かれています。鮮烈な色彩と繊細な描写が特徴の彼の作風は、タイルや陶器といったメディアに命を与えてきました。2019年に発表された2020年春夏プレコレクションでは、ド・モーガンの装飾性豊かなフローラルモチーフを取り入れたアイテムが数多く登場し、本パズルバッグにもその影響が色濃く現れています。

2020年秋冬ウィメンズ プレコレクションで登場した本作において、テキスタイルはこれまで以上に中心的な役割を担っています。これまでのパズルバッグにおいても重要な要素であったファブリックですが、今回はスコットランド製ジャカードウールのしなやかなタータン生地をバッグ全体に用いることで、立体的なキューブ型フォルムに柔らかな印象を与えています。チェック柄にフリンジ、レザーパイピングといった要素が幾何学的に構成され、レッド、イエロー、ネイビーブルー、カーキ、さらにアクセントのラスティオレンジが加わることで、隣接するパネルごとに異なる表情が生まれ、コントラストと折衷的な魅力を持つデザインへと昇華されています。

1935年にロサンゼルスで生まれたケン・プライスは、1960年代のカウンターカルチャーに呼応して芸術活動を本格化させました。素材として粘土を用い、アクリル塗料を重ねた彫刻は有機的でユニークな形態を持ち、マーブル模様や多彩なブロックカラーによって彩られています。彼の作品には、芸術性と実用性が共存しており、1980年代にはニューポートビーチのレストラン「ラ・パルム」のために制作した全20点のセラミックプレートが2021年春夏プレコレクションの着想源となりました。このコレクションでは、彼に敬意を表し、テーブルマットやコースターなどが展開され、いずれもインターシャ技法が用いられています。

ジョー・ブレイナードは、20世紀中盤のマンハッタンにおいて活動したアメリカ人アーティストであり、詩人や芸術家が集う「ニューヨーク・スクール」と呼ばれる文化圏の中心的存在でもありました。このコミュニティでは、抽象表現主義やアクション・ペインティング、即興的な演劇や詩といった多様な表現が試みられ、ブレイナード自身もその精神に共鳴しながら創作を続けていました。
1960年代のニューヨーク、特にロウアー・イースト・サイドにおいて、ブレイナードは街角や歩道で拾い集めた小物やチラシを素材に、アサンブラージュと呼ばれる独自のコラージュ作品を数多く制作しました。2021年秋冬プレコレクションでは、彼のドローイングや言葉、そして作品のモチーフが、ウェアやアクセサリー、そしてバッグにも表現されました。中でも1967年に制作された代表作《Untitled (Pansies)》は、ダイナミックなプリントやジャカード織のデザインの着想源となり、パンジーのモチーフは、この限定版パズルバッグにおいても象徴的にあしらわれています。

2021年には、パウラズイビザ コレクションはすでに、メンズ・ウィメンズのウェア、バッグ、アクセサリーを網羅するトータルラインへと進化していました。コレクションの根底には、オリジナルのパウラズのアーカイブプリントからインスピレーションを得た、自由で陽気な精神が流れています。その年のパズルバッグでは、鮮やかでグラフィカルなトロピカルフルーツがテーマとなり、純色とグリーンのグラデーションで平面的に描かれたキウイフルーツに、黒い種のモチーフがアクセントとして加わる構成となっています。

2023年春夏ウィメンズ ランウェイショーにおいては、デジタルカルチャーに由来するレトログラフィックやゲーム的表現が追求されました。四角形のパターンがパズルバッグの縫い目に沿って配され、視覚的にはピクセルの拡大が現実世界と仮想空間との境界を曖昧にし、グリッチ的効果を生み出しています。ホワイトを基調とする本モデルでは、精緻なプリントによってグレー、ブルー、ブラックの「ピクセル」が丁寧に調整され、幾何学的なラインに歪みを加えることで未来的なデザインが完成しました。エイサップ・ロッキーを含む多くの支持を集め、瞬く間に話題となりました。

記念日には祝祭の意が込められます。パズルバッグの10周年を祝うにあたり、2023年秋冬ウィメンズ ランウェイショーにおいて登場した「サプライズ エディション」は、バッグ全体に何千ものコンフェッティを手作業であしらった華やかなモデルです。この記念モデルは、イタリア人アーティスト、ララ・ファヴァレットとコラボレーションしたインスタレーション《Midsommar》にインスパイアされており、約10トンのコンフェッティで構成された21個のキューブが会場を彩りました。人の動きによって徐々に形を変えるこのインスタレーションは、風景がゆっくりと変化していくような詩的な体験を創出しています。
この記念バッグには、紙の代わりに、キャンディーカラーのレザーとラミネートレザーの小片が無数に配されています。パステルブルー、ピンク、クリーム、フューシャ、エレクトリックブルーといった色調の丸型やダイヤ型のモチーフに加え、シルバーやアクアのスパンコールも装飾に用いられています。これらすべてのパーツは、手作業によって丁寧に施され、バッグ全体に祝祭の空気を纏わせています。
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< お問合せ先 >
ロエベ ジャパン クライアントサービス
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