2026.08.24
カテゴリ: 新作
パネライ 「ルミノール マリーナ」PAM01707、1960年代の意匠とカーボテックが出会う新作
無骨なケースとリュウズプロテクター、夜光数字、サンドイッチダイヤル。パネライを象徴する「ルミノール」の意匠は、1960年代にイタリア海軍向けの計器として培われた機能美に根ざしています。新作「ルミノール マリーナ」PAM01707では、その歴史的な輪郭を44mmのカーボテック™ケースに収め、素材そのものが持つ軽さと独特の筋目模様をデザインの一部として取り込みました。マットブラックの文字盤にベージュの夜光、ブラウンのカーフレザーを重ねた佇まいは、最新素材を用いながらも時間を経たツールウォッチのような表情を漂わせます。

パネライの「ルミノール マリーナ」に、カーボテック™をケース素材として採用したPAM01707が加わりました。44mmのケースを覆うのは、ブランドが追求してきた先進素材のひとつであるカーボテック™。そこに、1960年代のルミノールを想起させるリュウズプロテクター、夜光アラビア数字、サンドイッチダイヤルといった意匠を組み合わせています。堅牢な外観を保ちながら、素材によって軽量化を図った点も特徴です。過去の機能的なデザインを現代の素材技術で捉え直すことで、PAM01707は「ルミノール マリーナ」の個性を新たな方向へ広げています。パネライ公式でも、1960年代に培われたデザイン言語とカーボテック™の素材研究を組み合わせたモデルとして位置づけられています。
カーボテック™の魅力は、見た目の個性だけにとどまりません。長い炭素繊維のシートをPEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)とともに正確な温度と高圧で圧縮し、強度と耐久性を備えた複合素材へ仕上げています。パネライによれば、カーボテック™はチタンより64%、スティールより80%軽く、耐腐食性にも優れています。PAM01707では44mmのケースにこの素材を採用し、厚さは14.5mm、時計全体の重さは約100グラム。30気圧、約300mの防水性能も備えています。さらに、素材を切り出す工程によって表面に現れる筋目は個体ごとに異なり、マットブラックのケースにそれぞれ異なる表情をもたらします。軽量性と堅牢性、そして一つひとつ異なる外観が同時に成立するところに、この素材ならではの面白さがあります。
ムーブメントには、自動巻きのP.9010キャリバーを搭載しています。厚さ6mm、200個の部品で構成され、31石を備えたこのムーブメントは、2つの香箱を直列につなぐことで3日間のパワーリザーブを確保しています。手首の動きをエネルギーへ変換する自動巻き機構には、2つの逆回転車を採用。さらに、リュウズを引いた際に秒針を止めるストップセコンド機構によって、時刻を正確に合わせる操作にも対応します。9時位置のスモールセコンドとあわせて、時計が動作していることを確認しやすい構成です。こうした視認性と正確な時刻設定への配慮は、イタリア海軍向けの計器として発展してきたパネライの時計づくりともつながります。
P.9010には、日常の時刻合わせを想定した機能も組み込まれています。クイックタイムチェンジ機構を使えば、分針やムーブメントの作動を止めることなく、時針だけを1時間単位で前後に調整できます。海外への移動など、タイムゾーンをまたぐ場面で扱いやすい仕様です。テンプ受けは両側から固定され、安定性にも配慮。さらに、テンプに備えた4つのゴールドスクリューによって慣性を細かく調整でき、長期的な精度を支えます。完全に巻き上げるために必要な操作は42回のリュウズ回転。実用性を中心に据えた各機構が、3日間のパワーリザーブを持つP.9010の設計思想を形づくっています。
文字盤はマットブラックのサンドイッチダイヤルで、ベージュのSuper-LumiNova®を配した数字とインデックスが落ち着いたコントラストをつくります。暗所ではグリーンに発光し、視認性を確保。9時位置にはパネライを象徴するスモールセコンドを置き、日付表示は省くことで、情報量を絞った端正なレイアウトに仕上げています。サンドイッチ構造や小秒針は、かつてのルミノールが持っていた機能性を現代へ受け継ぐディテールです。パネライの公式ヒストリーによれば、1960年代のRef. 6152/1ではサンドイッチダイヤルとリュウズプロテクターがルミノールの進化を特徴づけていました。PAM01707では、その視覚的コードをベージュの夜光とブラックダイヤルによって改めて際立たせています。ねじ込み式のクローズドケースバックと台形バックルには、DLCコーティングを施したチタンを採用しています。
ケースのハイテクな印象に対して、腕元には温もりを感じさせるブラウンのカーフレザーストラップを組み合わせました。使い込んだような風合いのレザーにベージュのステッチを施し、文字盤のSuper-LumiNova®と色調を呼応させることで、カーボテック™のマットブラックにヴィンテージのニュアンスを加えています。さらに、ブラックのラバーストラップも付属。レザーからラバーへ付け替えることで、海辺や水中を含むアクティブなシーンにも対応できます。パネライ公式でも、ブラウンのカーフレザーは1960年代を思わせるヴィンテージ感を担い、ブラックラバーは水辺でのスポーティなスタイルに適した選択肢として紹介されています。素材、カラー、ストラップの組み合わせまで含めて、PAM01707は伝統的なルミノールの表情と現代的な使い勝手を一つの時計にまとめています。
オフィチーネ パネライ
0120-18-7110
http://www.panerai.com/
【Editor's View】
「ルミノール マリーナ」PAM01707で興味深いのは、ヴィンテージ感を意匠だけで演出していない点です。1960年代に由来するサンドイッチダイヤルやスモールセコンドに加え、ブラウンのカーフレザーとベージュの夜光を組み合わせることで、素材のトーンまで含めて過去のルミノールを想起させる一方、ケースにはパネライの先進素材であるカーボテック™を採用。しかも、約100グラムという軽さ、30気圧の防水性能、3日間のパワーリザーブを備えています。ヘリテージを保つことと、現代の道具としての性能を更新すること。その二つを44mmという存在感のあるサイズの中で両立させたところに、この新作の編集的な面白さがあります。
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