2026.01.27
カテゴリ: コレクション
クリスチャン ルブタン メンズ2026年秋冬、ジェイデン・スミス初コレクションとアヴァン・プルミエール・カプセルの全貌
メゾン クリスチャン ルブタンがジェイデン・スミスを迎えて始動させたメンズの新章は、ランウェイではなく一つの物語世界として立ち上がります。光と影が交錯するスクリーン、赤いプリズムに染まる空間、働く男たちの歴史を重ね合わせたシューズの数々。そこには、クラシックなフォーマル像を更新しながらも、日常の装いへ自然に取り入れたくなるリアリティが息づいています。今回のエキシビションと「アヴァン・プルミエール・カプセル」は、メゾンのDNAとジェイデンの感性が溶け合う瞬間を、観る人の記憶に静かに刻む試みと言えそうです。
メゾン クリスチャン ルブタンは、メンズ クリエイティブ・ディレクターであるジェイデン・スミスによる初のメンズ 2026年秋冬コレクションを披露します。その発表の場として用意されたのは、ファッションとビジュアルアート、音楽、そして歴史的モチーフを重ね合わせた没入型エキシビションです。鑑賞するというよりも世界の中に入り込むような構成が、クリエイションと観客との距離をぐっと近づける試みになっています。
いくつもの空間を順に巡る流れの中で、物語の断片が少しずつ立ち上がり、最終的にコレクションの全貌が明らかになるように構成されているのが、このエキシビションの特徴です。クリスチャン ルブタン メンズが築き上げてきたレガシーを丁寧にたたえながら、その先に続く未来像の序章を描き出す場として機能しており、来場者は歴史と新章の両方を行き来しながらブランドの現在地を感じ取ることができます。

ジェイデン・スミスのクリエイティブ言語の核にあるのは、フォトグラフィとシネマというふたつの表現です。本エキシビションはその視点を入口に、写真と映画が生まれた地であるフランスに根差した世界を立ち上げます。光と動きが人のアイデンティティを形づくり始めた19世紀の実験的な試みを思い起こさせる構成で、空間全体がタイムトラベルの装置のように働きます。世代をまたぐ視点から組み立てられた本コレクションは、過去と現在、そして未来のあいだに絶え間ない対話を生み出し、来場者をジェイデン・スミスの唯一無二のビジョンにじっくり向き合わせる体験へ導きます。
ジェイデン・スミスは今回のメンズコレクションについて次のように語ります。「このコレクションは、何世紀にもわたる“働く男たち”の歴史、石工や書記、医師たちの姿から着想を得ています。失われた時代(エポック)にインスパイアされ、宇宙空間の深淵で計り知れない圧力のもと鍛えられた星から生まれた“手”によって形づくられたコレクションなのです。」仕事に向き合う人々のストーリーを背景に持つことで、装いそのものに物語性を求める現代のムードとも自然に呼応する内容になっています。
来場者の旅路は、まずプロジェクション・ルームからスタートします。メゾンを象徴するレッドがプリズムのように空間に広がり、日常から切り離された静かな思索の時間へと心を誘う場所です。ニエプス、ダゲール、リュミエール兄弟といった映像表現の先駆者たちに着想を得て、ジェイデンは光と動きが初めて捉えられた映画の起源へと視線を向けます。メンズ FW26 コレクションのシューズは、アートワークや多彩なテクスチャーとともに複数のスクリーンに連なって映し出され、初期映像を思わせるざらついた質感で描かれた中世の城のシルエットを背景に、新しいクリスチャン ルブタン メンズの世界観を立ち上げていきます。観客はまるでモノクロ映画の一場面に足を踏み入れたかのような感覚で、シューズと向き合うことになります。

やがてエキシビションの焦点はコレクションそのものへ移り、並ぶ一つ一つのピースが、ジェイデンの視覚的かつ文化的な想像力を受け止める器となります。フロントを飾るのは「Trapman」。1990年代のヒップホップという、彼の世界観を形づくり、音楽とファッションの交差点で世界共通のスタイルコードを定義した時代のプリズムを通して再構築されたシグネチャーシルエットです。ジェイデンは「ヒップホップ・カルチャーは私のデザイン哲学の中心にあり、そこから“未来の男性”のためのフォーマルウェアが生まれます」と語り、ドレスアップの概念そのものを更新しようとしています。クリスチャン ルブタンのメンズラインにおいて、新しいフォーマルのイメージを体現する一足として印象づけられるモデルです。

それに続く「Corteo」は、メゾンの歴史へと通じる扉の役割を担う存在です。2019年秋冬に初登場したこのシューズは、静かな品格と確かな存在感を兼ね備えたアイコンとして位置づけられています。ジェイデンにとって「ビジネスマン、働く男、スーツを着る人々、意図を持って現れ、規律と努力にもとづいて何かを築き上げる人々」を体現する理想的なクラシックであり、日々のビジネスシーンからフォーマルな場面までスタイルの軸になり得る一足として提案されています。

ローファー・ディスプレイのセクションでは、まずメゾンを象徴する存在のひとつであるペニーローファーが主役に据えられます。クラシックなシェイプに加え、より軽やかなムードをまとったスリングバック、肌との距離が近いサンダルという三つのアプローチでそのスタイルを提示し、ローファーというスタイルコードの可能性を拡張します。続く「TCT I」(TCT=Tacticalの略)のディスプレイでは、ジェイデンがテクニカルな発想をさらに前進させ、タクティカルな防水ジャケットを足元のプロダクトとして読み替えたデザインに挑戦します。コレクションの中で最も機能性にフォーカスした一足であり、クリスチャン ルブタンの世界観にアウトドア感覚をほどよく掛け合わせたい人にとって、心強い選択肢となるモデルです。
コレクションの展示エリアからさらに奥へ進むと、エキシビションは「イメージ」と「歴史」そのものへの考察へとスケールを広げていきます。ヴィンテージ・テレビを用いた360度の映像インスタレーションでは、人類史を形づくってきた異なる時代の断片がスクリーンの上で交差し合います。世界を揺るがした出来事から、ごく個人的な日常の一瞬までを映し出す過去と現在のフレームが重なり合うことで、イメージがどのように繰り返し共有され、長い時間をかけて人々のあいだに共通の記憶として定着していくのかが浮かび上がります。この視覚的な対話は、世代を超えて受け継がれてきた知恵とクラフツマンシップを思い起こさせる「折れた柱の上で涙する聖母」の寓意に着想を得て、アンティークの柱の上に配されたセレクトスタイルへと引き継がれます。ファッションアイテムがまるで小さな記憶装置のように見えてくる構成です。


クリスチャン・ルブタンとジェイデン・スミスの関係性を象徴する存在として、エキシビションの中にそっと登場するのがエンジェルの彫刻です。これはクリスチャン・ルブタン本人のパーソナル・コレクションから選び抜かれたもので、ジェイデン・スミスとの初めてのシューティングの際にも用いられた特別なピースです。互いへの敬意と称賛、そして共に創作することへのよろこびによって結ばれた二人のパートナーシップを守護する存在として、その彫刻は静かに佇みます。物語性のあるオブジェが空間に置かれることで、シューズだけでなく、クリスチャン ルブタンというメゾンの関係性や価値観までが可視化される演出になっています。
その流れを受けて続くフォト・インスタレーションでは、ジェイデン・スミスが手がけた写真作品がクローズアップされます。その一部は初期の写真技法を用いて撮影されており、カメラマンが布の下に身をかがめてシャッターを切り、銀と化学溶液を用いた手作業の現像によって少しずつフォルムが浮かび上がるプロセスを経ています。選び抜かれた写真は、メゾンのシグネチャーを思わせる赤い光に照らされたネガとしてプリントされ、空間に配置されます。デジタル全盛の時代にあえてアナログな手法を用いることで、クリスチャン ルブタン メンズのコレクションに通じる職人技への敬意や、時間をかけてものを仕上げる行為の尊さが視覚的に表現されています。

エキシビションの終盤、来場者は赤のアナモルフォーズ(歪像)のインスタレーションを通過します。クリスチャン ルブタンを象徴するカラーであるレッドにオマージュを捧げつつ、見る位置によって像が変化するこの仕掛けは、「立ち位置が変われば視点も変わる」というテーマへと観る人の意識を導きます。その場に立つ一人一人の体験や解釈がどれほど繊細な相対性を帯びているのかをそっと喚起する場面です。旅のフィナーレでは、空間全体を圧倒するほどのスケールで「分解された赤い頭部」が現れ、コレクションの最終章を示す没入型ディスプレイとして展開されます。ジェイデンが描くユニバースの中心にふれるような感覚で、クリスチャン ルブタンの象徴的なレッドが記憶に刻まれる構成です。

ジェイデン・スミスは、2026年6月に発表と店頭展開が予定されているメンズ 2026年秋冬コレクションに先立ち、自身のユニバースの第一章となる「アヴァン・プルミエール・カプセル」を用意します。本カプセルは、デビュー・プレゼンテーション翌日の1月22日より、伊勢丹新宿メンズ館およびクリスチャン ルブタン公式サイト christianlouboutin.com にて展開しています。メゾンのシグネチャー・シルエットを現代的な感覚で再解釈し、レッド、ブラック、ホワイトというクロマティック・トリロジーで構成されたアヴァンギャルドなピースが並ぶ内容です。クリスチャン ルブタンの新しいメンズ像をいち早く取り入れたい人に向けて、日常のワードローブに強いアクセントを添えるカプセルとして位置づけられています。
LOOK BOOK
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【Editor's View】
今回のクリスチャン ルブタン メンズ 2026年秋冬コレクションは、単に新作シューズを見せるための場ではなく、イメージと記憶、歴史と個人の体験が出会う「思考するエキシビション」として構成されている点が印象的です。ペニーローファーや「Corteo」といったクラシックなスタイルに、TCT Iのような機能性の高いピース、さらにアヴァン・プルミエール・カプセルの鮮烈なレッドの世界が重なり合うことで、フォーマルからデイリーまで横断するメンズスタイルの新しい像が立ち上がります。フォトグラフィやシネマへのオマージュ、エンジェルの彫刻に託されたストーリーなど、空間全体に散りばめられたモチーフは、シューズを選ぶ行為そのものに物語を求める現代の感覚とよく共鳴しています。日常の装いに少しだけドラマを忍ばせたい人にとって、今回のコレクションは、足元から自分のストーリーを紡ぎ直すきっかけを与えてくれる存在になりそうです。
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