2025.11.22
カテゴリ: 新作
ルイ・ヴィトン 新作ウォッチ「エスカル」、ターコイズとマラカイトを纏うリミテッドエディションが彩る特別な時間
ルイ・ヴィトンのウォッチ「エスカル」は、時間を見るための道具であると同時に、旅の記憶を身につけるオブジェのような存在です。ターコイズやマラカイトといった装飾石をケースそのものに用いたリミテッドエディションは、ストーンジュエリーが好きな人にとっても心惹かれる仕上がりで、サフィアーノレザーストラップとの組み合わせが手元全体のムードを整えてくれます。透明なケースバックからのぞくキャリバーLFT023や、裏側にひっそりと配されたサフランカラーのサファイアなど、ディテールを知るほど愛着が深まる構成です。ファッションとして時計を楽しみたい人にとって、「エスカル」は旅先でも日常でも、自分のストーリーを重ねていける一本になりそうです。

ルイ・ヴィトンのウォッチ・コレクション「エスカル」に登場した2つの新しいリミテッドエディションは、装飾石細工という稀少なクラフトを、ウォッチメイキングの世界の中で一段と高い領域へと押し上げる存在です。繊細な鉱物を扱う職人の手仕事と、高度なムーブメントづくりを両立させることで、「エスカル」はメゾンが掲げる卓越性と革新性への揺るぎない姿勢を、視覚的にも技術的にも明快に示しています。時計という実用品にオブジェのような芸術性を持ち込みたい人にとって、この新作はルイ・ヴィトンが腕元の世界でどこまで挑戦しているかを体感できる象徴的なピースになっています。
今回の「エスカル」新作でまず目を奪うのは、ダイアルに採用されたターコイズとマラカイトという2種類の装飾用鉱物です。鮮やかな発色と個性的な表情で珍重されてきたこれらのストーンを用いたモデルは、それぞれ30本のみの限定製作。直径40mmのケースには、ダイアルと同じ鉱物を用いた一体型のケースリングが組み込まれ、石の世界観が文字盤から外側へと流れるようにつながっていきます。ラグ、ベゼル、ケースバック、リューズにはプラチナを採用し、ターコイズやマラカイトの自然な艶を引き立てる構成です。ジュエリー感覚で時計を楽しみたいファッションラバーにとって、ストーンと貴金属のコントラストがはっきりと感じられるこの組み合わせは、ドレスアップにもリゾートスタイルにも合わせやすい魅力があります。色そのものに存在感があるので、一本身につけるだけで手元の印象を更新できる点も、このリミテッドエディションならではの強みになっています。
美の追求:大胆な旅
ルイ・ヴィトンが「エスカル」に託しているテーマは、メゾンの原点とも言える「旅」です。ただ移動することではなく、目の前の世界をじっくりと味わい、異なる文化や風景を理解しようとする感性こそが、旅の真髄であるという考え方が背景にあります。トランクのディテールからインスピレーションを得た「エスカル」のデザインは、その哲学を腕元に落とし込んだものです。トランクを連想させる構造や金属のアクセントが、見知らぬ土地での発見や、道中で出会う景色の記憶を呼び起こしてくれます。
ターコイズやマラカイトといった装飾石が加わることで、「エスカル」の物語はさらに奥行きを増します。自然界からもたらされた鉱物の豊かな色彩と模様が、時計に新たな表情を授けているからです。ユニークな内部構造を持つこれらの石は、古代の時代から身を飾るための素材として重んじられてきました。ターコイズに走る濃い筋は、まるで大河から分かれていく支流のように見え、マラカイトの縞模様は、地殻が幾重にも重なって形成された地層を思わせます。その一つひとつの個性が、美しさと同時に繊細さという側面も石にもたらしています。自然の時間の蓄積を切り取ったような素材を手元に迎えることで、時計が刻む「今」と、石が抱えた「太古の記憶」が静かに交差する感覚を楽しめる点が、ファインストーンを用いた「エスカル」のユニークな魅力です。
「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」でアーティスティック・ディレクターを務めるマチュー・エジは、20世紀後半に生まれたドレスウォッチと、その中で革新的に用いられた装飾石ダイアルに強い影響を受けていて、当時、それらのウォッチがどのようにして時代の象徴となったのかを踏まえながら、「エスカル」の新作にもストーンを取り入れました。エジは、このコレクションにおける調和の鍵は石そのものの選び方にあると語ります。筋の入り方や光の反射の仕方、そして内部構造全体のユニークさが、それぞれの石の個性を形づくり、ひとつひとつに特別な価値を与えているという考えです。自然が生み出した唯一無二の存在を腕時計に取り込むことで、メゾンが追求する「美」がより明確なかたちで現れます。常に美を探し続けながら、大胆な発想を大切にするルイ・ヴィトンのためにクリエイションに携われること自体が特権であり、自然から受け取った美にただ焦点を合わせていくことが自分たちの役割だと強調しています。
技術の極致:繊細な道のり
「エスカル」の新作づくりにおいては、ケースの製造工程の初期段階から長年の経験と高度な専門技術が欠かせません。ターコイズやマラカイトの原石と向き合う際、熟練した職人は、まだ加工されていない石の表情からそのポテンシャルを読み取り、どの部分をどのように活かすかを見極めます。石の真のキャラクターはカットして初めて立ち上がるため、一つひとつのウォッチの制作は、文字通り発見の旅のようなプロセスになります。その旅を正しい方向へ導く鍵となるのが、厳格なストーンセレクションです。ターコイズは、濃い筋がバランス良く分散していること、そして青の色合いが一定のレンジに収まっていることが条件とされました。マラカイトについては、深みのある緑だけを選び出し、「エスカル」のデザインコンセプトに寄り添うよう、鉱物の水平方向に細やかな縞模様が入っていることが必須の要素でした。こうして選び抜かれたストーンが、一本一本の「エスカル」に個性と物語を授けています。
ターコイズやマラカイトといった装飾石そのものからウォッチケースのパーツを削り出すという高いハードルは、「ラ・ファブリク・デュタン ルイ・ヴィトン」のケース製造アトリエ「ラ・ファブリク・デ・ボワティエ」で働くエンジニアと職人たちに託されました。1本の「エスカル」を形にする前段階で、彼らはまず多様な装飾石に対応するために既存のケースづくりのルールを見直し、基準そのものを書き換える必要に迫られます。その過程で、ルイ・ヴィトンのケースメーカーは製図板の前に改めて向き合い、「エスカル」ケースの構造を一から組み直しました。もともと完成されていたフォルムにあえて手を入れる決断は、「素材そのものの美しさを主役にしたい」というメゾンの意思の表れでもあり、ケースのディテールを眺める楽しみが一段と増すポイントになっています。
すでに完成度の高い「エスカル」のデザインに、一体型の石のリングを違和感なく溶け込ませるためには、ケース内部の寸法や形状を根本から見直すことが欠かせませんでした。表からは見えない内部構造を調整することで、目指す仕上がりにぴたりと合うバランスを導き出しています。この作業には、装飾石細工に関する深い理解と、繊細な素材を扱う熟練の手腕、そしてルイ・ヴィトンらしいモダンな美意識が必要とされました。技術と美観の双方を成立させることができるからこそ、ハイエンドなウォッチを求める人の期待に応える一本へと結びついています。
ウォッチメイキングの世界では、装飾石を用いたダイアル自体は決して珍しい存在ではありません。しかし、内部構造が均一でない鉱物を、立体的なケースへと仕上げることは、平面的なダイアルよりもはるかに難易度が高くなります。「エスカル」の新作に携わった職人たちは、この繊細な素材の扱いにあえて挑み、持てる技術を最大限に引き出すことで、ターコイズやマラカイトの壊れやすさを、視覚的に非常に力強い表現へと変えていきました。結果として、ケースそのものがストーンの個性を示すキャンバスのような役割を果たし、腕にのせたときに他のウォッチとは明確に違う存在感を放つようになっています。
続く工程では、装飾石で作られたダイアルとケースを極めて精密な公差で加工し、そこに針やラグ、リューズを取り付けるための接合部を設けていきます。石が非常にデリケートな素材であることを考えると、このプロセスは一つひとつの動作に細心の注意が求められる難関です。その後、職人の手によってパーツを丁寧に磨き上げることで、はじめて本来の美しさが現れます。それまでマットな質感に隠れていた色の深みや模様のコントラストが、ポリッシュによって一気に表情を変える瞬間は、このウォッチづくりならではの醍醐味でもあります。各パーツの内部構造はすべて異なるため、この工程を機械に委ねることはできません。天然の内包物や不規則な部分に即座に対応するためには、石細工師の経験に裏打ちされた目と手の感覚が不可欠なのです。
完成に近づいた段階で、ダイアルとケースをどう組み合わせるかを決める際にも、エキスパートの判断が重要な役割を果たします。それぞれのダイアルとケースはまず単体で評価され、色合いや模様のわずかな違いに目を凝らしながら、最も美しく調和するペアが選ばれます。例えばマラカイトの場合は、縞模様がダイアルを水平に横切るように配置されることが条件となり、ターコイズのケースでは、とりわけ印象的な筋の部分がストラップに隠れたりリューズの影に紛れたりしないよう、ウォッチの左側にくるように設定されます。この慎重なマッチングプロセスがあるからこそ、一点一点に「自分だけの表情」を求める人の心をつかむ仕上がりにつながっています。
質感の探求
こうして完成した新作「エスカル」は、それぞれのターコイズとマラカイトが持つユニークな特徴を強く映し出すウォッチになりました。貴重な鉱物とじっくり向き合う今回のアプローチは、質感や仕上げの妙を重視する「エスカル」というコレクションと特に相性が良いと感じられます。装飾石で形づくられたケースは、視覚的な美しさだけでなく、手首にのせたときの触感まで体験の一部として機能し、自然の贈り物により近い距離で向き合っているような感覚をもたらします。ハイジュエリーのような華やかさと、クラフツマンシップに裏打ちされた物語性を併せ持つこのリミテッドエディションは、所有する喜びを深く味わえる1本になりそうです。
ターコイズとマラカイトという個性豊かな石を主役に据えた今回の「エスカル」では、その世界観をさらに深めるために、ストラップにも新たなアプローチが採用されています。選ばれたのは、上品な光沢と豊かな質感が特徴のサフィアーノレザー。これまでの「エスカル」にはなかったタイプのレザーストラップが初めて組み合わされました。ターコイズダイアルとケースのモデルには、柔らかいニュアンスを持つアロヨグレーのサフィアーノレザーストラップが添えられ、爽やかなブルーのトーンを静かに引き立てています。一方でマラカイトモデルには、深い緑を受け止めるレインフォレストグリーンのサフィアーノレザーを合わせ、ストーンの濃淡を堪能できる構成に。どちらのストラップにも同系色のハンドステッチが施されており、さりげない仕事が全体の印象を落ち着いたものにまとめています。
きめ細かなグレインを持つサフィアーノレザーは、見た目にも触れ心地にも豊かな表情を宿す素材であり、「エスカル」が大切にしてきたディテールと質感へのこだわりと共鳴しています。旅が人生に立体感と奥行きを与えてくれるものであるように、質感豊かなストラップはウォッチそのものにストーリーを添える存在です。旅のパートナーとして考えられたウォッチには、堅牢さや耐久性、そしてさまざまなシーンに溶け込む汎用性が求められます。今回の新作「エスカル」は直径40mmに設定され、手首のサイズを問わずフィットしやすいバランスに。2024年の既存モデルから直径をわずか1mmの差に抑えることで、クラシックなプロポーションを重んじる「エスカル」らしいシルエットを保ちながら、現代のライフスタイルにも寄り添うサイズ感を実現しています。
ケースに用いられた素材がとても繊細であることを踏まえ、装着した際の快適さを守るための工夫もさりげなく施されています。外観からはほとんど分からないレベルの差ではありますが、プラチナ製のベゼルとケースバックは、装飾石の曲線よりもごくわずかに外側へと張り出した形状になっています。このわずかな段差が、日常の着用時に石そのものが直接外側の衝撃を受けにくくする役割を果たし、耐久性と安心感の両立につながっています。繊細な素材を日常使いに取り入れたいとき、こうした見えない配慮は、長く付き合ううえで大きな意味を持ってくるはずです。
ウォッチを裏返すと、透明なケースバック越しに、2年前に初めて搭載された自動巻きキャリバーLFT023の姿を堪能できます。このキャリバーはクロノメーター認定を受けており、精度と信頼性の高さが裏付けられたムーブメントです。高慣性の22Kローズゴールド製マイクロローターが組み込まれており、たっぷり50時間のパワーリザーブを確保。サンドブラスト加工を施したマットな面と、ポリッシュされた面取り部分が交互に配置された仕上げは、「エスカル」全体に通じるテクスチャーへのこだわりを反映しています。ムーブメントの一部にはシグネチャーの透明な石があしらわれ、メカニカルな構造とストーンのエレメントが調和したエレガントな表情を生み出しています。
「エスカル」のディテールの中でも、控えめながら印象的なのが、ウォッチの裏側にだけ現れる小さなサインです。ファインウォッチメイキングの伝統に倣い、ごく小さなジェムストーンが、このウォッチがプラチナを用いた特別な一本であることを静かに示しています。新作「エスカル」では、ルイ・ヴィトンを象徴するサフランカラーを帯びたサファイアが選ばれ、ケースバックの一角でさりげない輝きを放ちます。腕にのせている本人にだけ分かるような密やかなディテールは、所有するよろこびをそっと高めてくれる要素として心をくすぐります。
こうして完成した新作「エスカル」は、ターコイズやマラカイトそれぞれの個性を前面に出しながら、ウォッチとしての完成度を一段上へと引き上げる存在になりました。貴重な装飾石の魅力を丁寧に掘り下げるアプローチは、質感や仕上げを重視する「エスカル」というコレクションらしい選択でもあります。石で形作られたケースは、目で見る美しさに加え、手首に触れたときのひんやりとした感覚も体験の一部として働き、自然からの贈り物とより近い距離で向き合っているような印象を与えます。ファッションの延長線上で時計を楽しみながらも、本格的なウォッチメイキングに支えられた、このリミテッドエディションは日々のスタイルと価値観の両方を映し出す心強い存在になるはずです。
「エスカル オトマティック プラチナ マラカイト」
W3PTC1
価格:9,878,000円(税込)
ケース:
• プラチナ製のポリッシュ仕上げのベゼル、ブラッシュ仕上げとポリッシュ仕上げを組み合わせたラグ、マラカイト製のミドルケース
• 直径:40 mm
• 厚さ:8.97 mm(風防含まず) 10.34 mm(風防含む)
• サフランカラーのサファイア(~0.04 ct)をセットしたスケルトンケースバック、 “1 of 30”を刻印したプラチナ製のプレート
• 反射防止コーティングを施したサファイアクリスタル
• 防水:30 mm
ダイアル:
• マラカイトダイアル、傾斜を付けたシルバーカラーフランジ
• 18Kホワイトゴールド製の時・分針、PVDコーティングを施したチタン製の秒針
• 18Kホワイトゴールド製のインデックス
ムーブメント:
• キャリバー LFT023:自動巻き機械式ムーブメント
• 機能:時、分、秒
• 22ローズゴールド製のマイクロローター
• 部品数:147
• パワーリザーブ:50時間
• 振動数:28,800 回 / 時
• 石数:32
• ジュネーブのクロノメーター検定機関クロノメーター認定
ストラップ:
• レインフォレストグリーンのサフィアーノカーフレザー、
ブラックカーフレザーライニング
バックル:
• LOUIS VUITTONのシグネチャーが刻印されたプラチナ製のピンバックル
「エスカル オトマティック プラチナ ターコイズ」
W3PTB1
価格:9,878,000円(税込)
ケース:
• プラチナ製のポリッシュ仕上げのベゼル、ブラッシュ仕上げとポリッシュ仕上げを組み合わせたラグ、ターコイズ製のミドルケース
• 直径:40 mm
• 厚さ:8.97 mm(風防含まず) 10.34 mm(風防含む)
• サフランカラーのサファイア(~0.04 ct)をセットしたスケルトンケースバック、 “1 of 30”を刻印したプラチナ製のプレート
• 反射防止コーティングを施したサファイアクリスタル
• 防水:30 mm
ダイアル:
• ターコイズダイアル、傾斜を付けたシルバーカラーフランジ
• 18Kホワイトゴールド製の時・分針、PVDコーティングを施したチタン製の秒針
• 18Kホワイトゴールド製のインデックス
ムーブメント:
• キャリバー LFT023:自動巻き機械式ムーブメント
• 機能:時、分、秒
• 22ローズゴールド製のマイクロローター
• 部品数:147
• パワーリザーブ:50時間
• 振動数:28,800 回 / 時
• 石数:32
• ジュネーブのクロノメーター検定機関クロノメーター認定
ストラップ:
• アロヨグレーのサフィアーノカーフレザー、ベージュカーフレザーライニング
バックル:
• LOUIS VUITTONのシグネチャーが刻印されたプラチナ製のピンバックル
詳細は、ルイ·ヴィトン 公式サイトhttps://www.louisvuitton.com をご覧ください。
【Editor's View】
ルイ・ヴィトンの「エスカル」リミテッドエディションは、ウォッチとしての機能性と、ジュエリーのような存在感をどちらも手放したくない人の欲張りな気分に応えてくれるコレクションです。ターコイズとマラカイトを大胆にケースに用い、サフィアーノレザーストラップやプラチナベゼル、自動巻きキャリバーLFT023、ケースバックのサフランカラーのサファイアに至るまで、すべてのディテールが「旅」と「質感」をキーワードにゆるやかにつながっています。一本ごとに石の表情が異なる「エスカル」は、時間を知るたびに自分の選んだ色や模様と向き合う感覚を与えてくれます。装いを完成させるラグジュアリーウォッチでありながら、日常のシーンにそっと寄り添い、ふとした瞬間に旅の高揚感や自然へのまなざしを思い出させてくれる存在として、腕元に新しい物語を生み出してくれそうです。
BRAND SEARCH
CATEGORY
ABOUT
「BRANDJOY.JP」はラグジュアリーブランドなどの最新動向に関連するニュースをセレクトしてお届けしています。新作やコレクションを中心に、新規オープン、ビジネス・業界情報をまとめてチェック。


