2025.11.28
カテゴリ: イベント
ディオールとアズディン・アライア、ラ ギャラリー ディオールで出会う二人の巨匠と600点のアーカイブ展覧会
メゾンのアーカイブは、ときに歴史的資料であると同時に、デザイナーのまなざしそのものを映す鏡のような存在でもあります。ラ ギャラリー ディオールで始まる今回の展覧会は、クリスチャン・ディオールの熱心な崇拝者であり、自身もクチュールを極めたアズディン・アライアが、大切に集め続けたディオール作品に光を当てる試みです。オリジナルのクリスチャン・ディオールから、イヴ・サン=ローラン、ジョン・ガリアーノまで、600点という膨大なコレクションを通して見えてくるのは、一人のデザイナーが別のデザイナーの才能をどう受け止め、どのように自らの創作へつなげていったかという親密な対話です。クチュールの世界に魅力を感じる読者にこそ、訪れてほしいエキシビションと言えます。

ラ ギャラリー ディオールはアズディン・アライア財団と共に、クリスチャン・ディオールの熱心なコレクターであり、深い敬意を寄せていたアズディン・アライア(1935-2017)に光を当てるダブルエキシビションを開催します。ディオールをこよなく愛したクチュールの巨匠の視点を通して、メゾン ディオールの歴史とアライア自身の創作の源泉を見直す試みであり、メゾンとデザイナー、二つの物語が交差する貴重な機会となります。
パリに到着した若き日のアズディン・アライアは、クリスチャン・ディオールのもとで仕事に携わり、黄金期のクチュールメゾンが放つ熱気と洗練された空気を肌で感じました。その体験は終生忘れることのない記憶として彼の中に刻まれます。1960年代後半になると、アライアはディオールの重要なヘリテージピースを本格的に集め始めました。そこにはクリスチャン・ディオール自身のオリジナルはもちろん、イヴ・サン=ローランからジョン・ガリアーノに至る後継デザイナーたちが手掛けた作品まで、約600点ものユニークなクリエイションが含まれています。デザイナーがデザイナーを集めるという行為そのものが、クチュールへの深い敬愛を物語っています。
これまで一般には公開されることのなかった、この稀少なコレクションをもとに構成されるラ ギャラリー ディオールでの展覧会*では、メゾンの創設者でありクチュリエでもあるクリスチャン・ディオールの審美眼と、そのスタイルをかたちづくるコードを丁寧にひもときます。シルエット、刺繍、テキスタイル、アクセサリーに至るまで、アライアが守り抜いてきたピースの数々が一堂に並ぶことで、ディオールの美学がどのように受け継がれ、解釈されてきたのかを、多層的に感じ取ることができる構成です。
同時開催として、アズディン・アライア財団はパリにある自身の施設**において、二人の「クチュールの巨匠」の作品を独自の視点で紹介します。隣り合うように並べられたクリエイションを前にすると、クリスチャン・ディオールとアズディン・アライアの間に通い合う共通点が自然と浮かび上がります。コレクターであったアライアのまなざしを通過することで、メゾンの歴史を新鮮な角度から読み替える二つのオデッセイとして、クチュールの過去と現在をつなぐ展覧会になっています。
*2025年11月20日から2026年5月3日まで開催
**2025年12月15日から2026年5月3日まで開催
@DIOR #Dior #ディオール
【お問合せ先】
クリスチャン ディオール
TEL:0120-02-1947
https://x.gd/DYzir
【Editor's View】
ディオールとアズディン・アライアという二つの名は、時代もスタイルも異なりながら、服づくりへの真摯な姿勢と女性の身体を引き立てる造形感覚において、不思議な親和性を感じさせます。ラ ギャラリー ディオールとアズディン・アライア財団で行われる今回のダブルエキシビションは、その共鳴を「アライアが集めたディオール」というユニークな切り口で浮かび上がらせる試みです。アーカイブドレスを前にしたときに立ち上がるのは、単なる過去の記録ではなく、一人のクリエイターが別のクリエイターの作品から受け取ったインスピレーションの痕跡です。クチュールの歴史を愛する人にとって、この展覧会はパリの街を歩きながら、メゾンの物語とアライアのまなざしを重ねて追体験するような、記憶に残る旅になるはずです。
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