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バーバリーが2026年サマーコレクションを発表 、英国音楽のエネルギーをまとう最新ルック

今季のバーバリーは、着る歓びを音の振動に重ね合わせるように提示しました。ダニエル・リーは、英国の夏に息づくフェスやスタジアムの高揚を服へと翻訳し、チェーンメイルのチェックやクロシェ、ワックスドコットンなど、多彩なテクスチャーでテンポを刻みます。テーラリングは律動の土台として機能し、バッグやブーツの新作がビートのアクセントになります。Perks Fieldに戻ったショー空間は、都市とカントリーの往復を感じさせ、ブラック・サバスのアーカイブが音像を支えました。ファッション誌の読者にとって、音楽カルチャーを背景に日常の装いへ落とし込むヒントが随所に見つかる内容です。

バーバリーが示す音楽とファッションの交差点 2026年サマーコレクション詳報

© Courtesy of Burberry

バーバリーは2026年サマーコレクションで、ファッションと音楽という二つの創造力の結びつきに改めて光を当てました。文化をかたちづくり、既成概念を越え、共通言語としてのスタイルを育んできた両者の関係を、今季は主題として据えたのです。音を聴く体験の高揚を装いに移し替える視点は、ライブの躍動を日常着へ橋渡しする提案としても有効だと感じます。


チーフ・クリエイティブ・オフィサーのダニエル・リーは、音楽を自己表現、独自性、そして帰属意識の象徴として位置づけます。英国の夏を彩るフェスティバルや野外コンサートの空気感が、今季の企画意図の土台になりました。ライブの精神と英国音楽シーンの多層的なエネルギーを映し出すことで、現代のアーティストが体現する自由さを称えています。ミュージシャンが先駆者として装いとサウンドを恐れず更新してきた歴史は、キャスティングやスタイリングの細部にも丁寧に宿っています。

英国的バックグラウンドは、鋭いシルエットと豊かなテクスチャー、鮮やかな色で視覚的にリミックスされました。ビーズのみで構成したトップスやスカート、レースを思わせるカットワークレザー、フリンジレザーの縁取りといった技巧は、緻密な研究と熟練の手仕事に裏打ちされています。さらにクロシェを配したトップスやトラウザーがニット表現を拡張し、伝統技術と革新が一着の中で共存します。素材の物語性を重ねる手法は、スタイリングの質感レイヤーを増やしたい読者にも実用的です。

リーは複数の音楽ジャンルをシャッフルする発想で、装いの引き出しを増やしました。チェック柄のチェーンメイルによるミニドレスはカラーブロックで更新され、スリップドレスやシャツドレスが装いの振れ幅を担います。ブーツカットトラウザーはチェックやレザーでクロップド丈に仕立てられ、歩くたびにリズムを刻むようなラインを描きます。異なるジャンルを組み合わせる着方は、ワードローブの再編集にも役立ちます。

アーカイブ要素は新たな視点で再登場します。トレンチコートは繊細なマクラメと組み合わされ、コットンやラフィアのレインコートには鮮やかなバーバリーチェックが織り込まれました。テーラリングは再注目の核となり、ウールやデニムの三つボタン、ダブルのジャケットを中心に、スリムトラウザー、ストライプのコットンポプリンシャツ、シルクツイルのチェックタイで端正にまとめています。クラシックと現代性の緊張感が、デイリーからオケージョンまで幅広い場面で活きます。

シューズには「Baez」サンダル、レースアップの「Tone」、乗馬の所作に学んだ「Ledger」ブーツが加わりました。バッグはやわらかく構築を抑えたシルエットへ進化し、レザーの「ハムステッド」にはジップが配され、新しいフォルムには馬上の騎士のクロージャーが用いられています。さらにブライドルバッグは馬具由来のハンドルを備えたしなやかなトートとして提案され、実用性と気品の両立を目指しています。

今季の色設計は力強く、ベージュ、ブラウン、インディゴを軸に鮮烈な差し色を効かせました。チェーンメイルのメッシュで表現した新しいバーバリーチェックは、光に触れて揺らぎ、屈折するような視覚効果を生みます。コーテッドデニムやワックスドコットンといったモダンな仕上げは、素材に動きと軽さをもたらし、凝縮された風景や広がる空模様を背景とする今季のムードと共鳴します。色と素材でリズムを構築する設計は、ワントーンの着こなしを更新したい人にも取り入れやすいです。

ショー空間はSummer 2026に再びケンジントンのPerks Fieldへ。都市とカントリーの二面性をつなぐステージとして、ランウェイとシーティングは大地の色を基調に設えられ、アウトドアの感覚を室内に取り込む演出が行われました。音楽面では、長年のコラボレーターであるベンジー・Bが選曲を担当し、伝説的英国バンドのブラック・サバスのアーカイブを用いて空間全体のテンポを整えています。音と場の一体感が、コレクションの主題を明確に伝える結果につながりました。

【Youtube:バーバリー・ジャパンの投稿が表示されます】


〈お問合せ先〉
バーバリー・ジャパン
0066-33-812819

https://burberry.com


【Editor's View】
今季のバーバリーは、音楽の自由さを服の言語に移すことで、既存のワードローブを再編集する視点を示しました。テーラリングの核、素材の実験、チェックの再構成、そしてしなやかなバッグとブーツの機能美が、日常の装いに躍動を加えます。カルチャーの熱量をほどよく取り込みたい読者にとって、実用と高揚のバランスがとれた提案です。















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