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ルイ・ヴィトン 日本の美意識と精密機構が織りなす、新作ウォッチ「タンブール ブシドウ・オートマタ」を発表

日本の美意識と精密機構が織りなす、ルイ・ヴィトン新作ウォッチ「タンブール ブシドウ・オートマタ」

©Ulysse Frechelin

ルイ・ヴィトンはこれまでに、受賞作「タンブール カルペ・ディエム・オートマタ」や「タンブール オペラ・オートマタ」を通じて、芸術的なウォッチメイキングに挑戦を続けてきました。今回、その舞台を日本に移し、古代サムライの精神と奥深い世界観に着目した新たなクリエイションを展開します。

2025年、ルイ・ヴィトンは新作「タンブール ブシドウ・オートマタ」を発表します。このモデルは、ハイウォッチメイキングにおける匠の技と芸術的な手作業を融合させたメゾンのアトリエ「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」による三作目のクリエイションです。「タンブール オートマタ」シリーズは、2021年にヨーロッパで発表された「カルペ・ディエム・オートマタ」に始まり、伝統と職人技、芸術的な感性をダイアル上の表情変化を通じて語り継いできました。

ヴァニタスの象徴をテーマに、写実的なスカルとヘビのモチーフで詩的かつ反逆的に表現された「カルペ・ディエム・オートマタ」は、ジュネーブ時計グランプリにて「オーダシティ賞」を受賞しました。これに続き、2年後には四川オペラの「変面」に着想を得て、中国の伝統芸能を描いた「タンブール オペラ・オートマタ」が発表されました。色とりどりの仮面が瞬時に入れ替わる演出を通じて、メゾンの表現力と技術力を再び印象づけました。

日本の美意識と精密機構が織りなす、ルイ・ヴィトン新作ウォッチ「タンブール ブシドウ・オートマタ」
©Piotr Stoklosa

日本の美意識と精密機構が織りなす、ルイ・ヴィトン新作ウォッチ「タンブール ブシドウ・オートマタ」
©Piotr Stoklosa

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©Ulysse Frechelin


今回、ルイ・ヴィトンは日本のサムライ文化に深く迫り、その世界観を精緻に再現しています。近世以前の日本社会において、サムライたちは強さ、忠誠、規律、責務といった価値観を「武士道」という道徳規範に基づいて体現してきました。芸術や美学とも深く結びついた武士道の精神は、社会や文化の根幹をなす存在でした。その中で、サムライの鎧に不可欠な「面」は、威圧感と美しさの両面を併せ持つ象徴的な要素として、表情を通じて勇気と精神力を表現してきました。

日本の美意識と精密機構が織りなす、ルイ・ヴィトン新作ウォッチ「タンブール ブシドウ・オートマタ」
©Piotr Stoklosa


卓越した複雑機構

ルイ・ヴィトンは日本の文化、芸術、歴史への敬意を込め、「タンブール ブシドウ・オートマタ」を通して、16秒間の想像力に満ちたウォッチメイキングの世界を表現します。本モデルには手巻きキャリバーLV 525を搭載し、インハウスのメティエアトリエ「ラ・ファブリク・デ・ザール」による高い技術と芸術性が結集されています。日本の美意識と複雑機構が一体となり、メゾンの真髄を体現するタイムピースとなっています。

426もの部品と2つの特許技術を持ち、180時間をかけて組み立てられるキャリバーLV 525は、「カルペ・ディエム・オートマタ」と同様のベースムーブメントを使用しています。開発は「ラ・ファブリク・デュ・タン」のミシェル・ナバスとエンリコ・バルバシーニが担当。ダイアルに搭載された5つのアニメーションがサムライの面に生命を与え、オンデマンドで時刻を表示します。背景に黄金色が輝く中、無表情なサムライが静かに佇み、ボタン操作により妖怪が現れ、鎧の額にはジャンピングアワーが、刀剣モチーフはレトログラードミニッツを示します。

表示された時刻を保持したまま、機械仕掛けのドラマは続きます。サムライの面は静けさから決意を帯びた表情へと変化し、眼差しは穏やかさを失い、凛とした強さを宿します。アニメーション機構が片方の目を巧みに動かし、モノグラム・フラワーがモノグラム・スターフラワーへと変わります。さらに顎が動いて口が開くと、マザー・オブ・パールで精緻に作られた歯の隙間から、赤く鮮やかな日本語の「武士道」の文字が現れ、その後ふたたび口を閉じ、物語は余韻を残します。

また、ダイアルの背景にも豊かな装飾が施されています。9時位置に描かれた富士山の頂上から昇る赤い太陽は、日本の象徴的なモチーフとしてだけでなく、オートマタの約100時間分のパワーリザーブ残量を示すインジケーターの役割も果たしています。

日本の美意識と精密機構が織りなす、ルイ・ヴィトン新作ウォッチ「タンブール ブシドウ・オートマタ」
©Piotr Stoklosa

日本の美意識と精密機構が織りなす、ルイ・ヴィトン新作ウォッチ「タンブール ブシドウ・オートマタ」
©Piotr Stoklosa

©Ulysse Frechelin


日本の芸術を讃えるプレシャスな逸品

この作品のダイアルは、日本の歴史と文化に深い敬意を捧げる象徴的なモチーフと芸術性が随所に織り込まれ、動きの中にシンボリズムを宿したデザインがその魅力を高めています。前作同様、「タンブール ブシドウ・オートマタ」は、ルイ・ヴィトンのアトリエ「ラ・ファブリク・デ・ザール」において、ウォッチメイキングの限界を押し広げる挑戦の舞台となりました。特にエナメル装飾では、エングレービングとの組み合わせによって伝統技術の可能性が再解釈され、新たな表現手法が開発されました。

ダイアルの各要素は職人たちの技術力を最大限に引き出す試みとなり、「タンブール ブシドウ・オートマタ」は精緻な芸術表現の場として昇華されました。ディテールの緻密さと立体感、そして見る者の好奇心を刺激する構成によって、サムライの感情と力強さが鮮やかに映し出されています。例えば、兜は頭部の防御を担うだけでなく、個々のサムライの身分や美意識を象徴する存在でもあります。この兜を生き生きと再現したのが、マスター・エングレーバーのディック・スティーンマンとそのチームです。ローズゴールド製の兜は彫金後、カラミン技法により高温焼成され、炭化層が生じた後に手作業で研磨されることで、内側の黄金が輝きを放つ仕様となっています。

このような光と影の巧妙な演出は、サムライが着用した面頬にも見られます。面頬は、顔を防御すると同時に威厳と力を象徴する兜の一部です。ホワイトゴールドを素材とし、浮き彫り技法で丁寧に彫刻された面頬は、本物の防具さながらの質感と立体感を備えています。また、兜中央に配された妖怪も、ローズゴールドを使用して精巧に彫られており、ルビーの目を持つその姿は、緻密な遠近法と立体表現によって生き生きと描き出されています。こうした彫刻は、職人の手からしか生まれ得ない芸術的な存在感を放っています。

さらに、紐の結び目や刀の柄と刀身、オートマタの操作ボタンおよびクラウンに至るまで、彫刻が隅々にまで施されています。ケースバックには、命を吹き込まれたような妖怪が赤漆で描かれ、伝統的な装飾技法であるペルラージュやコート・ド・ジュネーブといった仕上げと共に、ウォッチメイキングの精緻さを物語ります。ダイアルやプッシュピース、クラウンに施された彫刻には、総計140時間もの時間が注がれました。

日本の美意識と精密機構が織りなす、ルイ・ヴィトン新作ウォッチ「タンブール ブシドウ・オートマタ」
©Piotr Stoklosa

日本の美意識と精密機構が織りなす、ルイ・ヴィトン新作ウォッチ「タンブール ブシドウ・オートマタ」
©Piotr Stoklosa


新たな技法の物語

彫刻と並行して進められたのが、革新的なエナメル技法の探求でした。「ラ・ファブリク・デ・ザール」は大胆な発想と試行錯誤を繰り返し、最終的に約120時間にわたる制作工程を経てエナメル装飾を完成させました。職人たちは「タンブール カルペ・ディエム・オートマタ」および「タンブール オペラ・オートマタ」で培った技術を基盤に、より高度な表現力を追求。鮮やかな色彩と立体感を損なわず、極限まで薄く仕上げる超薄型加工技術の確立に成功しました。

たとえば、黄金に輝く背景を演出するためには、まずピンクのエナメル層に銀箔を貼り、その上に透明のエナメルを二層重ねるというパイヨンエナメル技法が採用されています。こうして生まれたダイアルには、特に山のすそ野部分において繊細な色の階調と緻密なディテールが見事に表現されています。最終仕上げとしては、光沢を際立たせるフォンダンエナメルが薄く塗布され、滑らかな輝きを持つ表面に仕上げられています。

富士山の描写には、クロワゾネエナメル技法が用いられています。金線で縁取られたデザインの中に、白いエナメルを何層にも重ねることで、雪化粧を施した山頂に奥行きと迫力を与え、立体感を際立たせる仕上がりとなっています。

ダイアルにおける面の表現もまた、数々の芸術的手仕事と匠の技が結集した象徴的な存在です。ディック・スティーンマンによって彫金された後、扱いが難しいとされるレッドのエナメルが二層にわたり施されました。彫刻的な造形を強調するには、色味と陰影の微細な調整が必要であり、熟練のエナメル職人による高度な知識と経験が求められました。最終的に、特殊な塗装エナメルによって仕上げられた面は、マットな質感を湛えた洗練されたアンティーク調の表情を見せています。

面の目のデザインにおいては、外周部にクロワゾネエナメルを、中央部分には細かな金片を配したパイヨンエナメルを用いることで構成されています。最終的にブルーのエナメルを重ねることで、目には深みのある輝きとともに、内に秘めた感情が力強く表現されています。

サムライの首元を保護する「しころ」と呼ばれる兜の一部には、ルイ・ヴィトンを象徴するモノグラム・フラワーモチーフが散りばめられています。この装飾には漆黒と深紅のエナメルという独自の配色が用いられ、ブランドの美意識とサムライ文化の調和が図られています。このエナメルの技法と色彩は、サムライの口内表現にも反映されています。

「タンブール ブシドウ・オートマタ」のダイアルに施された装飾は、細部に至るまで綿密に設計され、偶然に委ねられる要素は一切ありません。たとえば、紐の結び目ひとつにも、ディック・スティーンマンのチームによる精緻な彫金が施され、その後、ミニアチュール・エナメル技術と複数回の焼成を組み合わせた工程により、最終的にベルベットのような質感へと仕上げられています。立体感を生む多層構造が魅力を高めるこのダイアルは、「カルペ・ディエム」や「オペラ・オートマタ」で培われたメティエダールの経験を基に、「ラ・ファブリク・デ・ザール」が時計製造の限界を超えようとした証でもあります。

日本の美意識と精密機構が織りなす、ルイ・ヴィトン新作ウォッチ「タンブール ブシドウ・オートマタ」
©Ulysse Frechelin

日本の美意識と精密機構が織りなす、ルイ・ヴィトン新作ウォッチ「タンブール ブシドウ・オートマタ」
©Piotr Stoklosa


ケースを囲む芸術作品

「タンブール」のケースは、「ラ・ファブリク・デ・ザール」による技術の粋を結集し、ルイ・ヴィトンの時計製造の歴史において初めて、ケースとベゼルの両方に全面的な彫刻とエナメル装飾が施されています。そこには、日本を旅するサムライや富士山の背後に沈むモノグラム・フラワーの赤い太陽が描かれており、全体は赤いエナメルの背景で包み込まれています。まず、ケースには数百の極小刻みが施され、その上に半透明の赤いエナメルを塗布。高温焼成によりエナメルが細かな刻みに浸透し、美しいグレイン効果を生み出します。このプロセスには200時間もの制作時間を要し、割れのリスクとも常に隣り合わせです。

この壮麗なケースを囲むのが、ピンクゴールドで繊細に彫刻されたベゼルです。「LOUIS VUITTON」のアルファベットを優しく包み込むように刻まれた線や雲のモチーフが、光を受けて繊細にきらめき、全体の印象を一層引き立てます。

ダイアルを手がけた同じエングレービングとエナメルの職人たちによって、このベゼルもまた一つ一つ手作業で仕上げられています。人の手でしか表現できない繊細なニュアンスと芸術的な質感が込められたこのベゼルこそが、「タンブール ブシドウ・オートマタ」の物語を締めくくる重要なパーツとして、その存在感を放ちます。

「タンブール ブシドウ・オートマタ」は、ウォッチメイキングと美的表現における真の偉業を体現するマスターピースです。豊かな想像力と情感、そしてルイ・ヴィトンならではの唯一無二の表現が余すところなく詰め込まれたこの作品は、「タンブール オートマタ」シリーズにおけるメゾンの挑戦と創造の精神をさらに鮮やかに示すものとなっています。

日本の美意識と精密機構が織りなす、ルイ・ヴィトン新作ウォッチ「タンブール ブシドウ・オートマタ」
©Ulysse Frechelin

日本の美意識と精密機構が織りなす、ルイ・ヴィトン新作ウォッチ「タンブール ブシドウ・オートマタ」
©LOUIS VUITTON


「タンブール ブシドウ·オートマタ」

W1PG31
ムーブメント
・キャリバーLV 525:ウォッチメイキングアトリエ「ラ·ファブリク·デュ·タン ルイ·ヴィトン」にて開発·組み立てられた手巻きの機械式ムーブメント
・5つの仕掛けを備えたオートマタ機構、ジャンピングアワー、レトログラード
 ミニッツ針、パワーリザーブインディケーター
・部品数:426
・パワーリザーブ:100時間 
・振動数:21,600回 / 時
・石数:50

ケース
・18Kピンクゴールド製のケースとラグ
・18Kピンクゴールド製の手彫りのリューズとプッシュボタン、プッシュボタンにはルビー2個を
 セット
・直径:46.8 mm
・厚み:14.4 mm
・反射防止加工済みドーム型サファイアクリスタルガラス
・防水:30 m

ダイアル
・パイヨン、クロワゾネ、ミニアチュールエナメルを用いた手作業によるエナメルダイアル
・ハンドエングレービング(面、兜、刀、妖怪、弓)
・ダイアルにルビー2個をセット

ストラップ
・レッドのカーフレザー

バックル
・18Kピンクゴールド製のダブルフォールディングバックル

ストーン
・4個のカボションカットのルビー(~0.02カラット)



詳細は、ルイ·ヴィトン 公式サイトhttps://www.louisvuitton.com をご覧ください。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
           

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