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【ブランド解説】カルティエ編

●宝石商のキングに称えられた老舗ジュエラー

 世界トップクラスのジュエラー及び時計ブランドとして名を馳せるカルティエ。その圧倒的なポテンシャル、輝かしい名声など歴史を振り返りながら改めて魅力に迫ってみたい。

 創業は1847年にまで遡り、ルイ・フランソワ・カルティエがパリのモントルグイユ街31番地にあった「アドルフ・ピカール」のアトリエを引き継ぎ、宝飾ブランドとしてスタートを切ることになる。カルティエが生み出す流麗なデザインは注目の的となり、多くの王侯貴族に愛用された。特にイギリス国王エドワード7世からは「宝石商の王であるがゆえに、王の宝石商」と称えられほど御用達にされており、その名声は瞬く間に世界中に広まった。当時の宝飾品といえばシルバーやゴールドが当たり前だった時代にいち早くプラチナを貴金属として採用したことでも話題を集める。カルティエは最高の品のみを扱うジュエラーであり、有能な職人を抱える精巧な技術の集結でもある。イニシャルである「C」の文字をモチーフにした2CやCハートのアイコンも愛されているが、そんな中でもカルティエの代表作と言えるが1924年に発表された“友情を表わすホワイト、忠誠を表わすイエロー、愛情を表わすピンク”の異なる色のゴールドを組み合わせて、土星をモチーフにデザインされた3連のトリニティリング。これは優れた詩人であり芸術家であるジャン・コクトーが愛人であるレイモン・ラディゲに贈るために「この世に存在しない指輪」をカルティエにオーダーしたことにより誕生しており、永遠の愛のシンボルとしてスリーゴールドの3連リング「トリニティリング」は今日にも続く人気シリーズとしてロングセラーを誇っている。また同じく定番モデルとして定着しているのが1970年にカルティエ・ニューヨークの為に作られたビス留めされたデザインの「ラブリング」や「ラブブレスレット」。さらに忘れてはならないのが豹をモチーフにデザインされたパンテール。これはココ・シャネルやバレンシアガらと交流のあった女性デザイナー、ジャンヌ・トゥーサンによって発表されたモデルで“自然回帰”をテーマにデザインされており、今日でもカルティエの永遠のテーマとして伝承されブローチやネックレスなど多くの逸品を生み出す源となっている。ちなみにパンテールの名称は当時では珍しかった毛皮を好んで着ていたジャンヌ・トゥーサンの当時のあだ名が由来と言われている。

 ジュエラーとして世界で高く評価されるカルティエだが、時計ブランドとしての評価も高めていくことになる。アルフレッド・カルティエの息子であるルイ・カルティエが時計部門を設立したことから時計製作にも力を注ぐようになり、1900年代に入るとその勢いはさらに加速する。1904年に大富豪の友人であるサントス・デュモンから「飛行中でも使いやすい腕時計が欲しい」との依頼を受け、当時一般的だった懐中時計とは一線を画す世界で初めての本格的な腕時計を作り上げることに成功。このモデルこそが今日でも定番モデルとして人気を博す“サントス”の原型である。さらに1917年にはスクエアケースの代名詞的存在ともなった戦車の意味を持つ「タンク」を、1943年にはモロッコの太守(パシャ)の注文によって開発された防水時計「パシャ」をリリース。どのシリーズも今日に続く名機であり今後も踏襲していくことだろう。

 宝飾品と時計の一流ブランドとして確固たる地位を築いているが、ライターや香水、サングラスやバッグといったアイテムも展開し更なる成長を遂げている。現在はリシュモングループの傘下となり、より多くのファンを魅了している。

カルティエ公式サイト https://www.cartier.jp/

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