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【ブランド解説】ロレックス編

●高級実用時計として頂点を極める

 今日では世界最高峰の腕時計ブランドとして認知されているロレックスだが、その成功には将来を見据えた先見の明が大きく関わっている。ロレックスが如何に世界のスタンダードとなったのかを歴史を振り返りながら紹介していこう。

 ロレックス社の創業は時計セールスマンだったハンス・ウィルスドルフが1905年にロンドンに「ウィルスドルフ&デイビス社」という時計販売会社を設立したことから始まる。当時はスイスに名門時計ブランドが数多く存在しており、時計自体も宝飾品として位置付けられるものが多く懐中時計が主流となっていた。しかし実用的で利便性の高い腕時計を求める声も多かった。そこでロレックスは時計の将来性を予見し、独自性を打ち出すべく実用性に徹した開発に取り組んでいった。これが後に数々の伝説を残し、名を馳せるロレックスの歴史の始まりとなる。

 ロッレクスの名前を不動のものにしたのは腕時計界の3大発明と言われる「オイスターケース」「パーペチュアル」「デイトジャスト」であり、どれも究極の実用性を実現する機構である。

まず着手したのは、あらゆる環境下で正常に作動するために問題となる埃や湿気への対策。その問題を解決するべく開発されたのがオイスターケースである。これはステンレススチールの塊を削り出したケースにネジ込み式の裏蓋とリューズを組み合わせることで優れた堅牢性を持つ完全防水ケースを完成させる。ちなみにオイスターの名称は、その名の通りオイスター=牡蠣のような形状に似ていることから「牡蠣のように固く閉じる」という意味で言われているが、金属加工業のオイスター社が開発したと言われていることも一因。ただし1926年にロレックス社が同社を買収して特許を取得しており、以降はロレックス製品のほとんどにオイスターケースが採用されている。

 オイスターケースを開発したことにより、巻き上げ効率の良い自動巻き機構を開発する必要性に迫られた。というのも手巻き式ではリューズのネジ込み部の磨耗が早くなり高い堅牢性を維持できなくなるからだ。そしてオイスターケースの開発から5年、1931年に世界で初めて360度全回転式ローターを搭載した自動巻き機構のパーペチュアルを実用化。これは従来の手巻き機構に追加する形で搭載されたためケース裏蓋が膨れ上がった成型となり、その形状が泡のように見えることから「バブルバッグ」という愛称で親しまれた。ちなみにパーペチュアル=永久で他社では永久カレンダーのことを意味する。

 今日では当たり前となった日付表示だが、深夜0時ぴったりに日付表示が瞬時に切り替わるデイトジャスト機構もロレックス社が1945年に独自に開発している。従来のデイト表示は数時間掛けて日付表示の円盤を回転させていたが、デイトジャストではカムとスプリングを高度に組み合わせることで0時に瞬時に切り替わるという画期的でスマートな機構を実現。「毎夜、真夜中の奇跡」という謳い文句が印象的。

 オイスターケース、パーペチュアル、デイトジャストはロレックスの3大発明と言われ、現在もロレックスの各モデルに継承されるとともに腕時計の進化、世界のスタンダードに大きく貢献している。完全自社製造している数少ない腕時計メーカー、マニュファクチュールとして大きな成功を収めトップブランドへと上り詰めた感のあるロレックスだが、今なお技術革新には積極的。今後の更なる活躍、飛躍に大いに期待が持てる。

ロレックス公式サイト https://www.rolex.com/ja

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