2026.09.18
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ベルルッティ 名古屋栄三越がリニューアル、パティーヌと建築美が響き合う新ブティック
ベルルッティにとってレザーは、素材であると同時に、ブランドの歴史そのものです。その美意識を空間へ落とし込むように、名古屋栄三越のブティックが新たな姿へ生まれ変わりました。94㎡の店内には、シューズのシルエットをモチーフに手作業でパティーヌを施したセラミックタイル、エメラルドオニキスの「パティーナバー」、全面をレザーで包んだ中央の「リング」など、ベルルッティならではのディテールが随所に。木材や希少石、レザーを組み合わせた空間は、パリに根差すヘリテージと現代的なラグジュアリーを静かに結び付けています。

名古屋栄三越のベルルッティが、新たなストアコンセプトをまとって生まれ変わりました。94㎡のゆとりあるブティックへ移転し、パリに根差すメゾンのヘリテージと現代的な感性を一つの空間に凝縮しています。ベルルッティは1895年からレザーを追求してきたメゾン。今回の新店舗でも、その歴史を説明するのではなく、素材、建築、家具、ディスプレイそのものを通して、受け継がれてきたクラフツマンシップを感じられる構成としています。
まず目を引くのが、開放感のある二面のファサードです。館内でも存在感を放つ外観には、ベルルッティを象徴するシューズの輪郭をモチーフにした特注のセラミックタイルを採用。一枚ごとに職人が手作業でパティーヌを施すことで、均一な表面にはない色の濃淡と奥行きを生み出しています。ウィンドウには厳選されたコレクションを配し、外から見てもレザーを中心としたメゾンの世界観が伝わる佇まいに。シューズから生まれた造形とパティーヌという技法を、ブティックの入口そのものへ転換しています。

店内へ進むと、アイコニックなクリエーションを印象的に見せる「フォーカスウォール」が視線を引き寄せます。その隣に置かれるのが、エメラルドオニキスを用いた「パティーナバー」です。カウンターにも手作業のパティーヌを施し、ベルルッティが長年磨き上げてきた革の表現を空間へと広げています。靴やバッグを並べるための什器として完結させるのではなく、レザーそのものを鑑賞するような設計にすることで、ブランドが培ってきた技術をインテリアの一部として見せています。
新しいブティックを特徴づけるのは、パリの伝統をそのまま再現するのではなく、現在のラグジュアリーへ置き換えている点です。建築、インテリア、コレクションを別々に見せるのではなく、一つのトーンにまとめることで、店内を歩くこと自体がベルルッティの世界観に触れる時間となっています。長く受け継がれてきたエレガンスに、素材の使い方や空間構成による現代的な軽やかさを重ねた新店舗です。
店内には、特別に製作された家具と端正なディスプレイを配置し、広がりのある空間の中でコレクションをゆっくりと眺められるよう整えています。展示方法にも細かな配慮が施され、シューズやレザーグッズの造形だけでなく、素材の質感まで視線が届く構成に。家具、照明、素材、商品が互いを引き立てることで、商品を選ぶ時間そのものに落ち着きと奥行きを与えています。
カテゴリーごとの構成も明快です。右側にはバッグや財布などのレザーグッズとスモールレザーグッズ、左側にはメゾンの原点であるシューズを配置。その奥には、レディ・トゥ・ウェアをゆったりと見ることのできるエリアを設けました。アイテムをジャンルごとに切り離すのではなく、足元からレザーグッズ、そしてウェアへと視線が自然につながるレイアウトによって、ベルルッティが頭からつま先まで提案するスタイルを一つの空間で感じられるようにしています。
空間を構成する素材にも、ベルルッティの美意識が表れています。温かみのある木材に、エメラルドオニキスやマドレペルラといった希少な石材を組み合わせ、壁面のフィニッシュやテキスタイル、特注家具まで一つひとつ選び抜いています。その中でも中心的な役割を担うのがレザーです。店内の随所に取り入れられたレザーは、装飾として加えられているだけではなく、ベルルッティが長年培ってきたパティーヌや革への知見を静かに語る素材となっています。

ブティックの中央には、全面をレザーで仕上げた象徴的な「リング」を設置しました。空間の中心に円環のような場を置くことで、店内を回遊しながら商品を見ることができると同時に、シューズフィッティングなど、一人ひとりに合わせたサービスを受けるための場所としても機能します。ベルルッティにとって重要な「履くための時間」を、店舗の中心に据えた構成です。
「リング」の周囲に置かれるのは、ベルルッティのために特別にデザインされたクラブチェアです。優雅なフォルムと身体を預けやすい座り心地を両立させ、フィッティングの時間をゆったりと過ごせるようにしています。さらに、レザーで張られたチェアには熟練職人による手作業のパティーヌを施しました。靴やバッグに用いられてきた技法を家具へもつなげることで、店内の小さな要素までベルルッティのクラフツマンシップで統一されています。
新たなベルルッティ 名古屋栄三越は、ショッピングのための空間であると同時に、メゾンが大切にしてきたレザーの文化を体験する場として設計されています。94㎡の中に、パリのヘリテージ、パティーヌという職人技、希少な素材、そして現代的な家具や空間設計を凝縮。公式情報でも、同店ではシューズ、レザーグッズ、アクセサリー、レディ・トゥ・ウェアを扱うほか、パティーヌやビスポークシューズ、スペシャルオーダーなどのサービスが案内されています。アイテムを選ぶことからフィッティング、パーソナライズまで、ベルルッティの美意識を一連の体験として味わえる新しい店舗です。
【Editor's View】
ベルルッティの新店舗を見ていると、メゾンにとってパティーヌが単なる仕上げ技法ではなく、空間や家具まで広がる一種の言語になっていることが分かります。ベルルッティは1895年に創業したブーツメーカーを起点に、現在ではシューズ、レザーグッズ、レディ・トゥ・ウェアまで展開していますが、その中心にあるのは、革を時間とともに表情を変える素材として扱う姿勢です。公式サイトでも、パティーヌによって一足ずつ異なる表情を生み出し、約60色の色調から個性を加えられることが紹介されています。今回の名古屋栄三越店では、その思想が特注タイル、パティーナバー、レザー張りのチェアへと広がりました。商品を置くための背景として店舗を設計するのではなく、店舗そのものをベルルッティのクラフトワークとして仕立てる。そこに、今回のリニューアルの最も大きな意味があります。
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