2026.08.24
カテゴリ: 新作
グラスヒュッテ・オリジナル「セネタ・クロノグラフ」、80年以上の系譜を受け継ぐ新たな2モデルを発表
クロノグラフは、複雑な機構を搭載する時計であると同時に、その時代に求められた精度や操作性を映し出す存在でもあります。ドイツ・ザクセン州のグラスヒュッテでは、時計職人たちが懐中時計から腕時計へと技術の領域を広げ、1940年代には現代的な腕時計クロノグラフの開発にも取り組みました。その系譜を背景に、グラスヒュッテ・オリジナルが発表したのが「セネタ・クロノグラフ」と「セネタ・クロノグラフ ナビゲーター」です。パイロット向け時計の機能性と、航海用観測時計に通じる端正な造形をそれぞれに取り込みながら、自動巻きキャリバー 37-24やフライバック機能を搭載。1845年以来続くグラスヒュッテの時計製造の歴史を、現代的なクロノグラフとして表現した2モデルです。
グラスヒュッテ・オリジナルが新たに発表した「セネタ・クロノグラフ」は、ドイツ・ザクセン州グラスヒュッテで育まれてきたクロノグラフ製造の系譜を受け継ぐモデルです。80年以上前、この地では短時間計測機能を備えた初の腕時計が開発され、当時の時計製造に新たな基準をもたらしました。その開拓者精神を現代へつなぐ新作は、歴代モデルの技術的な背景を踏まえながら、現代の時計愛好家に向けたタイムピースとして仕上げられています。
受け継がれる革新
ドイツにおける産業革新の重要な地域として発展してきたザクセンには、数多くの歴史的な偉業が刻まれています。ドイツ初の蒸気機関車や世界初の日刊紙も、この地の歴史と深く関わる存在です。エルツ山地に位置する小さな町、グラスヒュッテにも同じような開拓者精神が息づき、時計職人たちは世代を重ねながら新たな技術と表現を追求してきました。
グラスヒュッテの時計職人が懐中時計から腕時計へと軸足を移し始めたのは約100年前のことです。その流れのなか、1940年代初頭にはグラスヒュッテ初の現代的な腕時計クロノグラフ「UROFA キャリバー 59」が誕生しました。当時の水準を超える厳格な技術原則に基づいた設計は、高精度タイムピースの新たなカテゴリーを築く契機となりました。その精神は、今回の「セネタ・クロノグラフ」と「セネタ・クロノグラフ ナビゲーター」にも受け継がれています。
完成された機能性「セネタ・クロノグラフ ナビゲーター」
新作2モデルのデザインには、往年のクロノグラフが持つ機能的な美しさを現代的に読み替える姿勢が見られます。なかでもダークカラーの文字盤を採用した「セネタ・クロノグラフ ナビゲーター」は、1940年代のパイロット向け時計から直接インスピレーションを得たモデルです。過酷な環境でも直感的に操作でき、ひと目で必要な情報を読み取れることが求められたナビゲーションウォッチの思想を背景に、使いやすさと機能性を優先した設計が採用されています。
「セネタ・クロノグラフ ナビゲーター」のマットブラックの文字盤には、夜光素材を用いたアラビア数字を配置しています。時針と分針にはスーパールミノバ®仕上げを施し、センターのクロノグラフ秒針、30 分積算計、スモールセコンド針にはホワイトラッカー仕上げを採用。ブラックを基調とした文字盤との明確なコントラストによって、パイロットウォッチに求められる高い視認性を追求したデザインです。
「セネタ・クロノグラフ ナビゲーター」の操作性を支えるのが、鏡面仕上げの「G」のロゴをあしらった大型リューズです。2時位置と4時位置には、クラシックなマッシュルーム型のプッシュボタンを配置。さらにインナーベゼルにはタキメータースケールを備え、クロノグラフ機能を用いた平均速度の計測にも対応しています。
クラシックなエレガンス「セネタ・クロノグラフ」
一方の「セネタ・クロノグラフ」も、ナビゲーターと同じく41 mm径のステンレススティールケースを採用していますが、非常にスリムな輪郭によって、より控えめで洗練されたドレスウォッチの表情を備えています。その造形の背景にあるのは、19世紀後半から20世紀初頭にかけてグラスヒュッテで製造された歴史的な観測用時計です。耐久性と高精度を備え、主に航海用として使われた懐中時計へのオマージュを、現代的なクロノグラフへと落とし込んでいます。
文字盤には、シルバーホワイトのグレイン仕上げを採用。ブルーのコーティングを施したソリッドゴールドのアプライドローマ数字が浮かび上がり、ブルースティール針が全体の印象を引き締めます。30 分積算計とスモールセコンド表示は左右対称に配置し、視認性と均整の取れたデザインを両立。6時位置には、ブランドを象徴するパノラマデイトを配し、ホワイトゴールドのフレームが表示部をエレガントに縁取っています。
専用設計の機構、自社製キャリバー 37-24
2つのモデルを駆動するのは、自動巻きキャリバー 37-24です。従来の同シリーズのキャリバーよりもスリムかつフラットに設計され、当初から現代的な一体型クロノグラフムーブメントとして開発されました。直径 34.2 mm、厚さわずか 8 mmというコンパクトな構造のなかに、センターのクロノグラフ秒針、30 分積算計、スモールセコンド表示、そしてブランドを象徴するパノラマデイトを搭載。薄型化と多機能性を両立させた、両モデルの心臓部です。
クロノグラフにはフライバック機能も搭載されています。プッシュボタンを1回押す操作だけで、進行中の計測を停止し、リセットしたうえで即座に再スタートすることが可能です。複数の操作を続けて行う必要がなく、経過時間をよりスムーズかつ直感的に計測できる機構として、クロノグラフの実用性を支えています。
ムーブメントの性能を支えるのは、毎時28,800振動、最大70時間の作動時間です。シリコン製ヒゲゼンマイを採用することで、磁界や温度変化への耐性にも配慮しています。さらに、てん輪リムに配したゴールドの調整ネジと、グラスヒュッテ・オリジナルを象徴するスワンネック緩急微調整システムを組み合わせ、精密な調整を可能にしています。
グラスヒュッテ・オリジナルならではの入念な仕上げ
サファイアクリスタルケースバックからは、自動巻きムーブメントに施された細やかな仕上げを鑑賞できます。面取りされたエッジ、ポリッシュ仕上げのスティールパーツ、青焼きネジ、そしてグラスヒュッテリブ仕上げを施した特徴的な3/4プレートなど、グラスヒュッテの伝統的な時計製造を物語るディテールが並びます。21Kゴールドのスケルトンローターにも、グラスヒュッテ・オリジナルを象徴する鏡面仕上げの「G」のロゴをあしらい、機構そのものに装飾的な表情を与えています。
ストラップは、ブラックまたはブルーのルイジアナ産アリゲーターレザーストラップ、サンドカラーのシンセティックストラップ、ステンレススティールブレスから選択可能です。両モデルには、工具を使わずにストラップを交換できるクイックチェンジシステムを採用。さらに今回、グラスヒュッテ・オリジナルはフォールディングバックルにも初めて同システムを取り入れ、異なるストラップ間での付け替えを容易にしました。着用シーンやスタイルに応じて表情を変えられる仕様も、新作クロノグラフの進化を示す要素です。
「セネタ・クロノグラフ」と「セネタ・クロノグラフ ナビゲーター」は、2026年8月より、世界各国のグラスヒュッテ・オリジナル ブティックおよび正規販売店で発売されます。
Glashütte Original - German Watchmaking Art
【Editor's View】
グラスヒュッテ・オリジナルを理解するうえで重要なのは、新作の意匠だけでなく、それを生み出す製造体制にもあります。ブランドの公式情報によれば、そのルーツは1845年にグラスヒュッテへ時計職人が移り住んだことに始まり、現在も伝統的な手仕事と近代的な製造技術を同じマニュファクチュールに統合しています。ムーブメントを構成する部品の最大95%に加え、精巧な文字盤まで自社で製造する体制は、今回の「セネタ・クロノグラフ」に見られる3/4プレートやスワンネック緩急微調整システムといったディテールを理解する背景にもなります。新作2モデルは、1940年代のクロノグラフから意匠を引用するだけでなく、グラスヒュッテで積み重ねられてきた時計製造の技術と設計思想を、現代の着用感や操作性へつなげた存在です。
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