2025.12.10
カテゴリ: コレクション
マックイーン 2026年春夏プレコレクション、若き反逆者のテーラリングとマンタ バッグが登場
都会の喧騒からほんの少し離れて、夜に向けた装いを選ぶ時間は、多くの人にとって密やかな楽しみです。マックイーンの2026年春夏プレコレクションは、そんなひとときを彩るために生まれたようなラインアップです。ウォッシュドデニムにカマーバンドを重ねたテーラリングや、再解釈されたマンタ バッグ、スカルモチーフのジュエリーやシューズなど、伝統と反逆のムードを行き来するピースが揃い、英国らしさとモダンな感性を一度に味わえます。パーティーから週末の旅まで、スタイリングの想像をかき立ててくれるコレクションです。

エルサム宮殿
パーティーの主役 ― 伝統が新しい快楽主義へと委ねられる
都会の喧騒から少し距離を置き、パーティーの主役を狙う若者たちに向けて、マックイーン 2026年春夏プレコレクションは伝統を新しい快楽主義へと解き放ちます。ウォッシュドデニムにカマーバンドを重ねた細身のテーラリングは、ひそやかな逃避行の高揚感をまといながら、奔放さと端正さを同時に表現します。洗練された仕立てが放つ気品の奥に、どこか反逆的なムードが漂い、都会的な夜を楽しむ世代の心情を映し出しているように感じられます。
写真家ダフィド・ジョーンズによる写真集「The Last Hurrah (ザ・ラスト・ハラー)」に見られる、反逆とロマンティシズムのあわいにただよう静かな緊張感を、マックイーンは夜のドレスコードに落とし込んでいます。ブラックシルクに砕かれたシャンデリアを思わせる刺繍をのせ、シャープなシルエットのテーラードフォーマルが身体を包みます。そこに添えられるつややかなメタルのTバーは、ブラックタイの装いと鮮明なコントラストを生み、サヴィル・ロウの緻密な仕立てを思い起こさせます。クラシックな社交界の記憶を今のムードで着こなしたい人に、印象的な選択肢となるスタイルです。
伝統をあえて揺さぶる革新も、今回のマックイーンを語るうえで欠かせません。アーカイブの「MacQueen」タータンと繊細なフローラルモチーフは解体され、自然との調和を感じさせるモダニズムとして再構築されます。生地は軽やかに流れ、レイヤーを重ねながら立体的なドレープを描き、動くたびに異なる表情を見せます。2010年春夏コレクションで初登場したマンタバッグも新たに解釈され、しなやかな質感と研ぎ澄まされたラインを併せ持ち、持ち方によって自由自在にフォルムが変化します。日常から特別なシーンまで、一つのピースでスタイルの振り幅を広げたい人にふさわしい存在です。
英国由来のアウターウェアも、マックイーンの解釈によって再び都会的な顔つきを取り戻します。ワックスドコットンのカントリージャケットやギャバジンカーコート、そしてブラックのスカルプテッドレザーが揃い、それぞれのピースが絞り込まれたラインと再構築されたディテールによって、マックイーンらしい立体的なシルエットを描きます。どこかアウトドアの匂いを残しながらも、街で着たときにこそ映える表情があり、伝統にとらわれない祝祭のためのユニフォームとして、週末のナイトアウトからホリデーの旅まで柔軟に寄り添ってくれそうです。
ACCESSORIES
2010年春夏コレクションで登場した「デ・マンタ」を引き継ぐマンタ バッグが主役に据えられます。柔らかなレザーを用いたボディに、折り返したアッパーエッジと波打つラインが重なり、彫刻のようにドラマティックなフォルムを描きます。そこにキャラクターバッグチャームを添えることで、個性のニュアンスを好みで足すことができ、ドレスアップにもデニムスタイルにも自然になじみます。コーディネートのムードを一瞬で更新したいとき、手元に加えたいバッグです。
SHOES
マックイーンを象徴するスカルモチーフが再び脚もとに登場します。スカルパンプスにはメタル製のスカルヒールチャームがあしらわれ、精密さを物語るシャープなシルエットが特徴です。一方でカントリーサイドブーツは、ジップとバックルのディテールを備えた乗馬風のデザインに仕上げられ、力強さと上品さを共存させています。どちらもワードローブに加えるだけでスタイリングの温度が変わり、シンプルな装いにも物語性をもたらしてくれるシューズです。
JEWELLERY
きらめくフリンジ付きカットクリスタルのシャンデリアジュエリーと、スカルモチーフを取り入れたスカル&パールジュエリーがラインアップされます。光を受けて揺れるクリスタルの輝きと、スカルというアイコニックなモチーフとの出会いにより、マックイーンらしい対比の美しさが際立ちます。華やかな席ではもちろん、あえてシンプルなニットやシャツに合わせても、顔まわりに強さとロマンを添えてくれるアクセサリーです。
FABRICS
ウール テーラリング & コルセット
ウール テーラリング & コルセットは、英国の工場で丁寧に織り上げられた伝統的なウールを前面に押し出しています。ブラックのウール グレイン・ド・プードル、サテンのダブルラペルとウエストバンドをあしらったウールモヘア、フローラルプリントを施したウールギャバジン、グレーのメランジウールフェルトコート、グレーのグレンチェック ウールテーラリングがそろい、クラシックな柄と構築的なラインのバランスが際立ちます。質感の違いを重ねることで、テーラリングの奥行きを日常の装いにさりげなく取り入れられる内容になっています。
シルク
ジェッソ加工されたシルクジョーゼットラッフルをはじめ、マックイーン スカルプリントのシルクツイル フォーラルが登場します。アイボリーのスパイダーウェブフローラルプリントシルクシフォンは、繊細な透け感とグラフィカルなモチーフの組み合わせが新鮮です。さらに、スカル刺繍を施したオックスブラッドとファイアレッドのマックイーン スカルプリントシルクシフォンホルタートップが加わり、柔らかな素材に鮮烈な色とモチーフを掛け合わせた提案となっています。シルクのなめらかさに、ブランドが受け継いできたダークロマンの感性が宿るラインアップです。
コットン
アイボリーのコットンポプリンやジェッソのコットンポプリンが、シャツやドレスのベースとして登場します。さらに、オリーブとカーキのエンデュランスワックスドコットンアウターウェアや、キャメルのコットンエンデュランスギャバジンアウターウェアがラインに加わり、耐久性と快適さを兼ね備えた表情を見せます。デイリーに着られる素材でありながら、色調と仕立てによってマックイーンらしい緊張感を帯びたスタイルへと導く構成になっており、週末のアウトドアからシティユースまでシームレスに使えるバリエーションです。



Creative Director: Seán McGirr
Art Director: SJ Todd
Photographer: Sammy Khoury
Stylist: Sarah Richardson
Casting Director: Julia Lange
Hair: Gary Gill
Make-up: Daniel Sallstrom
Nails: Ama Quashie
Production: Farago Projects
Models: Serkan Deniz, Lily McMenamy, Apolline Roco Fohrer, Tsion Teferi, Haojie Qi, Athiec Geng, Cirillo, Libby Bennett, Jum Kuochnin, Liu Qinzheng
@AlexanderMcQueen
【お問合せ先】
マックイーン クライアントサービス
0120-992-297
https://www.alexandermcqueen.com
【Editor's View】
マックイーン 2026年春夏プレコレクションは、アーカイブや英国的なコードを深く踏まえながらも、今を生きる若い世代のリアルな気分へと軽やかに接続しているように映ります。ウォッシュドデニムやワックスドコットン、エンデュランスギャバジンといった実用性のある素材と、精緻なテーラリングやスカルモチーフ、シャンデリアジュエリーの華やかさが交差し、日常と非日常を自由に行き来できるワードローブ像を描いています。なかでもマンタ バッグやスカルパンプスは、ひとつ取り入れるだけでコーディネート全体のトーンを更新してくれるアイコンピースです。ドレスアップを楽しみたい夜も、シンプルなデニムやニットで過ごす昼間も、自分らしい強さとロマンをさりげなく添えたいと考える読者に、今季のマックイーンは心強い選択肢になりそうです。
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