2025.10.05
カテゴリ: イベント
LVMH フランスの至宝ショーメが、大阪・関西万博で特別展を開催中
華やかなジュエリーの世界に、自然の息吹が織り込まれたら。そんな詩的な問いに応えるような展示が、2025年の大阪・関西万博フランス館で幕を開けています。LVMHグループに属するハイジュエリーメゾン、ショーメが手がけるエキシビション「Chaumet, an Ode to Living Nature」では、歴史と現代が美しく交錯。職人の技巧とメゾンの詩情が、麦穂や花々、そして翼といった自然を象徴するモチーフのなかに息づいています。精緻でいて豊かな物語性を宿すこれらの作品は、観る者に時代を超えた美のあり方を問いかけます。
LVMHグループに名を連ねるショーメは、2025年開催の大阪・関西万博において、フランス館で特別展「Chaumet, an Ode to Living Nature(ショーメ、自然美への賛歌)」を10月13日(月・祝)まで実施しています。
本展を手がけるショーメは、パリ・ヴァンドーム広場12番地に本店を構えるハイジュエリーメゾンです。大胆さと洗練を併せ持つそのジュエリーは、熟練の職人たちによる手仕事によって生み出され、伝統的な技巧と現代的な感性が見事に調和しています。軽やかな動きと繊細な造形を追求するその姿勢は、ショーメの美学を色濃く映し出しています。
今回の展示は、フランス館が掲げるテーマ「愛への賛歌」と響き合う構成となっています。メゾンの創業者マリ=エティエンヌ・ニトが245年前に確立した哲学に基づき、自然の多様性、サヴォアフェール(職人技)、そしてフランスと日本の深い関係性を称える内容となっています。

1811年に制作された麦のティアラは、ゴールド、シルバー、ダイヤモンドを使用した作品で、ナポレオン1世の依頼によって生まれました。各麦穂は取り外しが可能で、ドレスやヘアスタイルに自由に装着することができます。このティアラはショーメのコレクションの中でも最古の一つにあたり、風にそよぐ麦の自然な美しさを繊細に表現しています。
1850年に制作されたパンジーのティアラは、ショーメの二代目アトリエマスター、フォッサンによる作品です。ロマン主義を象徴するこのティアラは、生花を髪に飾った当時の女性たちのスタイルに着想を得たもので、立体的な三輪の花は取り外してブローチやヘアアクセサリーとしても使用できます。パンジーはフランス語で「パンセ(pensée)」と呼ばれ、「思い出す」という意味を持つ象徴的なモチーフとして、現代のジュエリーにも取り入れられています。
1908年に制作された翼のティアラは、ヴァンダービルト家の令嬢ガートルード・ペイン・ホイットニーが所有していた作品です。ゴールド、プラチナ、ダイヤモンド、エナメルを用いたこのティアラは、色彩と透明感のバランスが美しく、ジョセフ・ショーメの技術力と美的感覚が結晶した逸品です。
ショーメは1890年から1920年頃にかけて、ワーグナーの楽劇『ワルキューレ』に登場する翼の兜にインスピレーションを得て、翼のティアラを多数制作しました。当時のパリやロンドンでは、ワーグナーの音楽会に翼のティアラをまとって出席することが上流階級の間で定着していたのです。ベル・エポック期に高く評価されたこのモチーフは、今日でも象徴的な意味合いとともに多くの人を魅了し続けています。
『Chaumet, an Ode to Living Nature- ショーメ、自然美への賛歌 -』
期間:2025年10月13日(月・祝)まで
会場:大阪・関西万博2025 フランス館
時間:9:00-21:00
https://www.chaumet.com/jp_ja/world-expo-osaka-kansai
※ご入場には大阪・関西万博2025のチケットが別途必要となります
【Editor's View】
ジュエリーが伝えるのは、美しさだけではありません。それは文化や歴史、そして自然との対話でもあります。今回のショーメによる展覧会は、LVMHグループが持つメゾンの伝統と革新を体感できるまたとない機会となっています。フランスと日本という異なる文化が交差する大阪・関西万博という舞台において、ショーメは自然を起点とした美の物語を、静謐でありながらも深い余韻を残すかたちで紡いでいます。ファッションやアートに感度の高い読者にとって、この展示は「観る」ことを超え、「感じる」体験となるでしょう。
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