2025.08.07
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ブルガリ 宝石に命を宿す瞬間を巡る、プリヤンカー・チョープラーとルチア・シルヴェストリの色彩と情熱のジュエリー制作記
ジュエリーに宿る輝きの裏側には、目に見えない物語が存在します。ブルガリのハイジュエリーは、ただ美しく仕上げられるのではなく、選び抜かれた宝石と向き合い、そこに息を吹き込むことで生まれます。今回のプロジェクトでは、クリエイティブ ディレクター ルチア・シルヴェストリが俳優プリヤンカー・チョープラーとともにインドを訪れ、素材と文化が交差する瞬間を体感。色彩への深い洞察と職人たちとの対話を通じて、ファッションに感性を求める人々へと響く、創造のリアルが描かれました。
ブルガリのハイジュエリーにおける創作の出発点は、いつもひとつの宝石から始まります。その石が内包する光、色彩、そして自然が宿した力強さが、無限の創造の扉を開くのです。今回紹介するプロジェクトも、ジュエリーが形を成すはるか以前、宝石が採取され、選定される段階からすでに物語は動き出していました。舞台は、豊かな色と職人の手技が今も息づく、インド・ジャイプール。この地において、ブルガリの創造はすでに芽吹いていたのです。
ブルガリのジュエリー クリエイティブ ディレクターであるルチア・シルヴェストリは、5月に発表されたハイエンド コレクション「ポリクロマ」の中心となるジェムストーンを求め、再びジャイプールの地を訪れました。今回の旅には、ブランドのグローバルアンバサダーであり、世界的に活躍する俳優プリヤンカー・チョープラー・ジョナスが同行。自身の故郷であるこの地で、彼女はブルガリが追求する創造性と情熱、そして職人の技術に直に触れる経験を通じて、ブランドとの関係をより深く結び直していきました。
ジャイプールは「ピンクシティ」とも呼ばれ、世界中のジュエラーが注目するカラーストーンの一大拠点です。ルチアにとって、40回以上も足を運んでいるこの場所は、素材の調達先という枠を超え、自然と人間の芸術性が交差する聖域のような存在。街の路地裏には、代々受け継がれてきた宝石カットや研磨の職人たちがひしめき、トルマリンやルベライト、サファイア、エメラルドといった色とりどりの宝石が、文化とともに息づいています。ブルガリが描くビジョンの根底には、こうしたローカルの美意識との深い対話があるのです。
インド出身のプリヤンカーにとっても、今回の旅は非常に個人的な意味を持っていました。グローバルなキャリアを築いてきた彼女が、あらためて自身の文化的ルーツと向き合うこの時間は、まさに原点回帰ともいえるもの。ルチアとともに宝石職人の工房を訪れ、伝統的な技法を間近で体感した彼女は、その技術の精緻さに驚きと敬意を抱きました。この瞬間は、ブランドの未来と伝統が交差する場であり、同時に多様な文化背景を持つ女性たちが自己のルーツをファッションに重ね合わせるヒントにもなり得ます。
ブルガリの世界観において「色」は、見た目を彩る以上の存在です。ブランドのアイデンティティそのものであり、喜びや情熱、個性といった目には見えない感情を伝えるメッセージでもあります。ルチア・シルヴェストリが宝石を選ぶプロセスは、感覚と直感に導かれた深いコミュニケーションそのものであり、それぞれの石に込められた“物語”を見出す作業ともいえます。だからこそ彼女にとって宝石選びは、ロジカルな判断ではなく、愛と共鳴によって導かれるもの。ファッションに感情や個性を求める現代の女性たちにとって、このようなプロセスは大きな共感を呼び起こすのではないでしょうか。
「理想の石に出会った瞬間から、私の中ではすでにデザインが動き始めているのです」。そう語るルチア・シルヴェストリにとって、色彩は単なる視覚的要素ではなく、記憶や感情を呼び起こし、コンセプトを具現化する鍵となる存在。デザインが紙に描かれる前から、宝石の色合いは彼女の想像を形作り、コレクション全体のムードや語り口を方向付けていきます。
長年ジャイプールに通い続けてきたルチアは、地元の宝石商たちと確かな信頼関係を築き上げてきました。これにより、外部からは見ることのできない希少な原石や研磨工程、職人との密接なやりとりといった、ハイジュエリー制作の舞台裏が彼女には開かれています。今回の訪問でも、歴史ある宮殿や市場を巡りながら、ルチアはプリヤンカーをこの親密な世界へと導きました。宝石に指を添える職人の集中した眼差し、瞬間の閃きから生まれる創造の連鎖。その一瞬一瞬が、ブランドの根幹を成す“感動の起点”であることが明らかになります。
この旅は、ブルガリのジュエリーがどのように形づくられていくかを追体験する中で、色彩、文化、職人技が交差する創造の構造を明らかにしました。選び抜かれた宝石たちは、やがてローマのアトリエへと運ばれ、ルチア・シルヴェストリのデスクの上で新たなステージへと進みます。幾通りもの配置を試行錯誤しながら、最適なバランスと調和を見出すことで、石は単なる素材から“語り手”へと変わっていきます。ここには、素材と作り手の間にある濃密な対話が存在し、プロダクトではなく芸術が育まれているのです。
一つひとつの宝石に宿る可能性を見極め、その内に秘めた美しさが確信に変わったとき、ルチアはその石を選び取ります。そこからは、彼女とデザインチームとの緻密なコラボレーションが始まり、スケッチという形でヴィジョンが具現化されます。そして、熟練の職人たちがこの構想を受け継ぎ、素材に命を吹き込むプロセスへと移行。紙の上で描かれた構想が、三次元の造形として立ち上がるまでには、技術・情熱・審美眼すべてが響き合う緊張感のある工程が広がります。その結果生まれるジュエリーは、観る者の心をとらえるだけでなく、装う人の内面にも静かに語りかける力を秘めているのです。
お問い合わせ先:ブルガリ・ジャパン
0120-030-142
https://www.bulgari.com/ja-jp/
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