Brand JOY

バッグは、移動する自分自身の延長線上にある「物語の入れ物」なのかもしれません。ルイ・ヴィトンの新作「エクスプレス」は、そんな旅の情緒と機能美が見事に融合した一作です。鉄道のプラットホームを思わせるノスタルジックな情景から着想を得たこのバッグは、日常のなかに小さな旅の気配を添えてくれます。クラフツマンシップと美意識が響き合うデザインは、ルイ・ヴィトンの真髄を宿しながら、使い手の人生のひとコマを静かに彩ってくれる存在です。

2025-2026年秋冬コレクションでルイ・ヴィトンが打ち出すのは、「旅の真髄」をテーマにした物語性あふれる世界観です。プラットホームを行き交う見知らぬ人々、すれ違いざまの会話、瞬間の出会いと別れ。そんな移動のドラマを想起させる情景が、このコレクション全体に通底しています。鉄道の旅が持つ自由さや詩情が、デザインの奥行きを豊かにしています。

ウィメンズ・コレクションのアーティスティック・ディレクター、ニコラ・ジェスキエールによって生み出された新作シグネチャーバッグ「エクスプレス」は、旅の高揚感と感動を象徴する存在として登場しました。機能性と洗練を両立させたこのバッグは、フェミニンなフォルムに加え、実用性も考慮された設計が印象的です。ラゲージとしての伝統を受け継ぎながらも、軽やかな現代性をまとい、ルイ・ヴィトンのソフトバッグラインに新たな表情を加えています。

バッグ「エクスプレス」の名称は、1930年代に「スピーディ」が登場する前の初期名称に由来しており、偶然ではなく深いオマージュを込めた選択です。ソフトでしなやかなボディバンドは、ルイ・ヴィトンの名作「キーポル」を想起させ、モダンな装いにも映える多彩なスタイルを実現します。グレインレザーやスエードなど、上質なカーフレザーを使用したボディに加え、モノグラム・キャンバスを用いたディテール、ゴールドカラーのパドロック付きジップ、モノグラム・ジャカードの内装といったこだわりが随所に詰まっています。視覚だけでなく、手触りや使い心地にも感性が宿る一品です。