2025.07.09
カテゴリ: キャンペーン
ルイ・ヴィトン 中国の未踏の美を巡る、新トラベルキャンペーンが始動
旅において、目的地よりもその過程にこそ深い意味が宿る。そんな思索的な問いを投げかけるのが、ルイ・ヴィトンの最新トラベルキャンペーンです。舞台は中国の美しい風景。アメリカ人フォトグラファー、アレック・ソスのレンズがとらえるのは、単なる観光地ではなく、旅人のまなざしが映す「見落とされがちな本質」。空を舞う鳥の視点や湖面に浮かぶスーツケースは、旅とラグジュアリー、そして静寂が交錯する世界を詩情豊かに映し出す。ブランドの伝統を携えながら、内面の旅へと誘うこのキャンペーンは、新しい旅の価値観を体現しています。
ルイ・ヴィトンが最新トラベルキャンペーンの舞台として選んだのは、中国に広がる雄大で静謐な自然風景。その世界観は、ただの旅行風景とは異なり、旅そのものを詩的な思索の旅路へと昇華させる構成となっています。空を舞う鳥の視線から見下ろしたような構図と、ラゲージが静かに佇む情景が繰り返し登場するビジュアル群は、移動という概念を超え、時間や空間を味わう“内面の旅”を表現しています。これはブランドが長年掲げてきた「旅は自己の拡張である」という哲学の、新たな表現形とも言えるでしょう。旅をラグジュアリーな装飾ではなく、精神的体験として位置づけたアプローチは、忙しさの中に静けさを求める現代のグローバルトラベラーに強く響くはずです。
このキャンペーンを象徴的に映し出すのは、アメリカ人フォトグラファーのアレック・ソス(Alec Soth)。これまでに『Sleeping by the Mississippi』や『A Pound of Pictures』など30冊以上の写真集を通じて、アメリカの風景と人々の内面を静かに掬い上げてきた彼は、グッゲンハイム・フェローシップをはじめとする数々の国際的な賞を受けてきた実力派。今回のプロジェクトでは、中国という文化的な十字路を舞台に、ドキュメンタリー性と詩的感性を巧みに交錯させながら、表面的な風景描写を超えた情緒的な旅を写し出しています。特に注目すべきは、欧米のメディアにありがちな紋切り型のアジア描写から脱却し、未だ紹介されていない中国の“静かなる美”を掘り下げた点。これは、グローバルブランドとしてのルイ・ヴィトンが、文化への敬意を持ってローカルな感性に寄り添おうとする、誠実な姿勢の表れでもあります。本キャンペーンの物語は、中国・桂林を象徴する漓江(りこう)から始まります。山々の稜線が湖面に映る幻想的なパノラマの中、ルイ・ヴィトンのモノグラムスーツケース「ホライゾン」や、旅の定番として知られるソフトラゲージ「キーポル」が、まるで風景の一部かのように自然に存在しています。これらのプロダクトは、単なる“荷物を運ぶ道具”ではなく、旅そのものを豊かにするための“パートナー”として機能しています。特に、ホライゾンの洗練されたシルエットや、キーポルの柔軟性のあるデザインは、旅の動きに寄り添いながら、風景や空気感と調和するよう意図されており、モノとしてのラグジュアリーを超えた“体験の質”を物語っています。この視覚的な演出は、旅をすることの価値を再定義しようとするブランドのメッセージとして、見る者に強く印象を残します。
さらに、キャンペーン後半では、自転車に「アルゼール」「コフレ・ジュワイアリー」「コフレ・トレゾール」といったクラシックなラゲージを積んで川を渡るシーンが登場します。この演出は、ただ旅を楽しむだけでなく、目的意識とスタイルを携えて未知の地へ向かう意志を象徴しています。ルイ・ヴィトンが単なる“高級ブランド”ではなく、“冒険する精神”を体現するブランドであることを印象づけるシーンです。今後は、張家界や大同といった、中国でもまだ多くの人々に知られていない風景を舞台に新たなエピソードが加わる予定。これは、観光の域を超え、土地そのものとの対話を重視する“文化的トラベル”を志向するブランド戦略の一端であり、感性に響く旅を求める層にとって、注目すべき試みといえるでしょう。本キャンペーンは、2025年7月よりすでにグローバル展開中です。
All photos courtesy of LOUIS VUITTON
詳細は、ルイ·ヴィトン 公式サイトhttps://www.louisvuitton.com をご覧ください。
BRAND SEARCH
CATEGORY
ABOUT
「BRANDJOY.JP」はラグジュアリーブランドなどの最新動向に関連するニュースをセレクトしてお届けしています。新作やコレクションを中心に、新規オープン、ビジネス・業界情報をまとめてチェック。