2025.07.05
カテゴリ: 新作
MCM ブルータリズム建築とAIが描く未来像、「From Munich to Mars」2025年AWコレクション
ブランドの進化は、ただ新しさを追うことではない。MCMが2025年秋冬に打ち出す「From Munich to Mars」キャンペーンは、未来を志向しながらも、クラフツマンシップという原点を見つめ直す提案だ。自由を謳歌する“サイバー・ギャラクティック・ノマド”に向けたコレクションは、宇宙的スケールの想像力と素材への深い造詣を兼ね備え、まさに次世代のラグジュアリーの在り方を提示している。幻想的なキャンペーンビジュアルとともに、未来に向けた個性の再定義がここに始まる。
MCMが新たに発表した「From Munich to Mars」2025年秋冬キャンペーンは、ブランドの核であるクラフツマンシップをベースに、テクノロジーとファンタジーが交差する時代における“新たな旅”を描いています。テーマは「サイバー・ギャラクティック・ノマド」。物理的・デジタル的境界を自由に行き来するこの現代的な旅人に向けて、伝統と未来が溶け合うハイブリッドなスタイルを提案しています。
コレクションの核となるのは、レトロフューチャリズムに着想を得たデザイン哲学です。過去が思い描いた未来像を現在の視点で再構築し、MCMらしい美学とテクニカルな進化を融合。ブランドの代名詞である「Visetos」モノグラムも、今季はメタリックな質感やデジタルなエフェクトを纏い、新たなフェーズへと突入しています。
第一章:「深海と宇宙が交差する“ブルー・ヴィセトス”」
2025年春夏の「深海」をテーマにした世界観に続き、今季は「宇宙」へと舞台を拡張。ブルー・ヴィセトスが象徴するのは、星々にインスパイアされた輝きと静謐さ。ウィークエンダーやショッパーは、この色彩を通して強烈な個性を放ち、「Aren マルチバックパック」ではリアルデニム素材を投入。素材と機能が織りなす新たなバランスは、実用性と独自性の両立を目指す次世代ラグジュアリーの方向性を示しています。
本コレクションは3章構成で展開され、素材・フォルム・カラーパレットにおいて章ごとに異なる提案を行うシリーズ型プロジェクトとして設計されています。今回公開されたのはその第1章。ファッションが“体験”として受け取られる時代に、物語性を持たせた構成は、単なる物質以上の価値をブランドが提供しようとする姿勢の表れともいえるでしょう。
AI × 写真で描く“無重力”の世界──MCMが問いかける、個性の未来
キャンペーンヴィジュアルは、写真家Vis Kidと映像ディレクターKatharina Korbjuhnのコラボレーションにより制作。舞台に選ばれたのは、パリ13区にそびえるブルータリズム建築。重厚で無機質な空間が、AI技術と融合した映像処理により幻想的な浮遊感を纏い、「繰り返しの美学」を反復と構造の中に浮かび上がらせています。ファッションと建築、アートとテクノロジーの境界を越えた美学がここに表現されています。
このヴィジュアルの中で表現されるのは、重力から解き放たれたような空間に浮かぶ存在。そしてそれは、現代社会において失われがちな「個性」を象徴的に可視化する試みでもあります。他者と異なることを恐れる空気が蔓延する中、“浮遊”という視覚的手法で、唯一無二の自分らしさを尊ぶ姿勢を提示しているのです。MCMが語る“違いの美学”は、ファッションの未来における大きな指針となるでしょう。
PHOTO & DIRECTION:Vis Kid
CREATIVE DIRECTION:Katharina Korbjuhn
MODEL:Leni Voester, Hong Seong
お問合せ先
MCM GINZA HAUS 1 〈エムシーエム ギンザ ハウス アイン〉
TEL 03-4520-7030
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